修行2
休憩が終わり、再び手合わせが始まった。
2度目に行われたそれは両の手に魔力を宿して戦う方法である。
師匠の両手に宿る魔力の色は銀。触れた物体を容赦なく切り刻むような刃物のように鋭い魔力だ。
それに対する俺は全力で両の拳に魔力を集め、師匠の拳を受け流す。
これが修行だとしても気の抜けない手合わせだ。
気の抜けた瞬間腕が切り落とされるのだからひやひやが止まらない。痛いのは勘弁だ。
「ふぉっふぉっふぉっ、中々やるじゃないか」
師匠からのお褒めの言葉を頂いた。
「そろそろもう一段階上げるとしようかの」
その瞬間右腕に激痛がはしった。
・・・
・・
・
「はっ!」
どうやら俺は激痛によって一時的に意識を失っていたらしい。目が覚めた頃には俺の腕が元通りになっていた。
時間にしてどのくらい寝ていたのだろうか?周囲を見渡すと、傍らには師匠がすまなさそうに顔を歪めていた。
「すまんのう、年甲斐も無くはしゃいでしまったわい」
師匠の謝罪に対する返事に俺は
「俺を強くする為ですし多少の怪我は仕方がないですよ」
と言っては見たものの。
(強くなったらブッ飛ばす!!)
と、心の中で師匠を殴り飛ばしていた。