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パンドラゲーム  作者: 香村 サキト
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鏡の心

モノローグ的な何かです

逃げて、逃げて、逃げた先に何があるのだろうか?


次の町?それはわかっている。言いたいのはそんなことじゃない。逃げるために残ることになってしまった大雅さんは無事なのだろうか?


心配で、心配で、仕方がない。出会って数日の人に対して抱くこの感情が何なのか自分でもいまいちわからない。


吊り橋効果なんて言葉が頭の中に浮かんでくるものの大雅さんは師匠であり、異性ではない。


この感情は何なのだろうか?誰かに聞きたくても回りの空気は会話をすることを躊躇う雰囲気だ。


聞きたい。誰かに言って欲しい。肯定して欲しい。


でも、自分でも分かっている。この感情は後悔。もしあの時大雅さんを一人で置いていかずに残って戦っていればまた違う結末になったはずなのだから。


だが遅い。今更そんなことを思ったところで、すでに動き始めた時間は1秒毎に決断の結果を固めていく。


後悔なんて人間生きていれば何度だって体験する。例えば、あの時勉強していれば赤点を取らずに済んだとか、死ぬ前に告白していれば良かっただとか。


他にもあの時の占いを信じていれば良かっただとか、結果に対して後悔することなんて世の中には沢山存在する。


けど、今回の後悔は今までの後悔とは全然違う。


今までの後悔が自分一人の行動によるちょっとした不幸な後悔であるのに対して、今回の後悔は知り合いの生き死に関する後悔だ。


大雅さんは確かに強い。俺よりも強い。それは確実だ。しかし、いくら強くてもあの人数に勝てるのか?と言われれば無理としか思えない。


大雅さんの死を直接見ていないから、いつかひょっこりと戻ってくるかもしれない。けど、大雅さんは目の前のことから逃げる人じゃない。だからこそ思う。もし戻ってこなかったら?


考えがまとまらない。ただただ考えが頭の中で何度も、何度もグルグル、グルグルとループする。正直頭の回転速度が尋常じゃないレベルで高速回転するものだから気持ち悪いほどの吐き気に襲われる。


怖くて、不安で、苦しくて、このままじゃストレスで魂にポッカリと穴が開きそうだ。


魂に直接攻撃されたことはない。しかし、鏡の精神はいまなお大雅を失ったことでボロボロと崩れそうなほどに弱まっていた。

鬱だ、死にそう。

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