道中
イベントの準備で死ぬほど忙しかったので、すごく短いです。
「はぇ?風太兄ちゃんじゃないの?」
そんな声に少女の顔を覗きこんだ鏡は、きょとんとした表情をみた。
カァァ、と赤くなる頬を眺めながら、やっと気付いたのかと内心で思ってしまった。
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それにしてもだ。この状況は一体何なのだろうか。
勘違いしていたはずの少女。風切風花は現在進行形で鏡の背中に引っ付いていた。いわゆるおんぶである。
体型的なものもあるのだろうが、雰囲気が兄に似ているようで、やたらと距離が近い。
兄妹とはこんなものなのだろうか?と首を傾げるが、鏡花は家族や彩夏以外の人がいるときには露骨にくっついては来ない。
ほんの数分前に知り合った年下の女の子が、こうも甘えてくるとどう対応したら良いのかわからず、取り敢えずの現状維持で風花が満足するまでおんぶすることにした。
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結局の所何が正しかったのだろうか?
自分の選択肢が間違っていたのだろうか?
過去に戻れるのなら別の選択肢を選んでみたいと思うくらいに鏡は困惑していた。
それにしてもだ、身長の低い女の子とカップルのように腕を絡ませて歩くのは結構どころではなく歩きづらい。
腕を絡ませるのは別に問題ではないのだが、いかんせん歩幅の違いを風花に合わせるので、ちょこちょことした足取りで歩きづらい。
そして遠目から見ると、身長差も相まってロリコンと勘違いされないだろうか?それが何となく心配である。
ロリコンという烙印を押される心配をしていた鏡を他所に、白髪と銀髪の2人を見た人達は2人の仲良さに微笑ましい表情を浮かべて、仲の良い兄妹を見るような暖かい眼差しを向けていた。
-休憩中の作者より-
公園のベンチで缶コーヒー片手に休んでいると、子供達の夏の遊び方が変わったなと去年を思い出して悲しく思いました。去年まではむしあみを持った子供たちが公園で遊んでいたのですが、最近ではスマホを片手に公園でポケモンをする子供たちが良く見られます。
トンボを夕暮れまで追いかける子はもういないのか?、カブトやクワガタをつかまえて自慢してくる少年はいないのか?。作者は心配です。主に視力が。
そして、これを最後まで読んでくれた方に忠告します。ソフトクリーム片手に歩きスマホをしてる子供がいたら注意してください。作者のように服が汚されます。
小学生にスマホ買ってではなく、虫かご買ってと言われるのが嬉しい作者からでした。