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パンドラゲーム  作者: 香村 サキト
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夢と現実と終わりと

この小説は作者の金銭的事情により、スマートフォンで書かれています。

文章の1行目に1マスあけて書いたりとかは一切ありませんので、そこのところは気にしないで読んでもらえると嬉しい限りです。

あまりにも当たり前な毎日は、いつもそこにあって、それがどんなに素晴らしい場所かなんて、気づけないでいた。


-朝-


一之瀬鏡は目覚まし時計の音と共に目を覚ました。

二度寝がしたいと睡魔が講義する体を無理矢理に起こすと、右手を口の前にかざして、大きな欠伸で睡魔を体から追い払う。


鳴ったばかりの時計に顔を向けると、6時30分と時間には十分な余裕があった。


現時刻を確認した鏡ではあるが、いまだに頭の中では時間を理解しきれていないのか設定されていない体内時計を朝に切り替えるために、ベッドから床に飛び降りると、まっすぐ歩く。


鏡の歩幅で4歩進んだ位置にあるカーテンの前に立つと、そのままカーテンを横にスライドし、閉められていた窓を開け放つ。


開けられた窓の外から、朝の眩しい光が鏡の全身を包み込み、朝の爽やかな風が鏡の全身を撫でまわす。

止まっていた体内時計は朝へと急速に切り替わり、熱を帯びていた体は急速に温度を下げていく。


部屋の中に流れ込んでくる風は、一晩で澱んだ部屋の空気を新鮮な空気へと入れ換えていく。

風の中には塩の香りが混じっているが、それは自宅からそこまで遠くない位置にある海から風に乗せられて運ばれて来たのだろうことは、生まれてから15年もこの町で暮らしている鏡にとって、日常的に嗅ぐ匂いの1つであり、さほど気にすることではなかった。


鏡は塩の匂いの混じる風を深呼吸で体内に吸い込み、脳に大量の酸素を送り込みながら背伸びをする。

伸ばしたことで固まっていた骨がポキポキと鳴る音が聞こえてくるがすぐに音は止み、腕を下ろし吸い込んだ空気を一気に外に吐き出した。


朝の天気は晴れ。肌に感じる眩しい太陽に肌をくすぐる緩やかな潮風。そして視界に広がる雲1つ無い青い空に太陽の光を反射して輝く青い海。


「今日も爽やかな朝だ」


窓の外に広がる景色を眺めて嬉しそうに呟くと、口笛を吹きながら回れ右してベッドに近付き、上に置かれた布団を両手で持ち上げ、ベランダの前に移動する。

片手でバランスを崩さないように布団を肩に担ぎ、もう片方の手で網戸を開ける。


ベランダに出ると目の前は透明な板で全体を覆っていた。

この透明な板は日の光だけを通すため、風によって流されてくる塩のベタベタやたまに降ってくる灰などから布団を守る優れた物である。

塩の匂いは気にしないが、塩のベタベタがたまに気になったり、灰のザラザラした感触が苦手な鏡にとって、快適な生活を送るために必要なものだったりする。

雨の日に急いで洗濯物を取り込む必要がないのも、楽をできるという意味では1つの良いところではあるのだが。


そんなことを思いながら、ベランダに設置 されている物干し竿に、持ってきた布団を引っ掛ける。

ベランダから離れて、布団全体に日光がしっかりと当たっているのかを確認してから網戸を閉めた。


「彩夏はもう起きたのかな?」


ベランダから左を向いたところにある、この部屋で一番小さな窓に顔を向ける。

その窓は朝以外ではほとんど開けることのない窓ではあるが、別に夜には絶対に開かなくなる開かずの窓とかそんな曰く付きな理由ではないのは先に言っておく。


ではその理由は何か、それを簡単に言ってしまうと、窓の先には隣に住んでいる幼馴染みである彩夏の、女の子の部屋を覗ける唯一の窓ということになるのだから。

逆の発想で考えると、彩夏の部屋からは鏡の部屋を覗ける唯一の窓ということになる。


そんなプライベート空間を完全に無視して覗ける窓ではあるが、朝に限って言えば許可を取らずに両者とも開けることが許されているのだ。


鏡は窓に手を伸ばし、横にスライドするとガラガラガラと音が鳴る。


(さてさて、彩夏はまだ寝ているのかそれとも起きているのかな?)


心の中だけで小躍りをしながら隣の部屋に向かって声を出す。


「彩夏、もう朝だけど起きてる?」


鏡のモーニングコールに対して、幼馴染みの彩夏は布団の中で「すぅ、すぅ」と可愛らしい寝息をたてながら気持ち良さそうに眠っていた。


「彩夏!朝だぞ!起きろ!」


再び彩夏の部屋に向かって大声を出すが、返事の変わりに「すぅ、すぅ」と寝息だけが返ってくる。


(今日は彩夏より早く起きたぞ!)


という気持ちを隠すことなく拳を握りしめてガッツポーズをとる。

しかし、朝の時間は限られているのだ。

長い間幼馴染みの寝顔を眺めることも、ガッツポーズをしている時間も鏡には無いのだ。


「仕方ない、必殺の目覚ましを使うとしよう」


窓の近くにある勉強机に視線を向けると、机の上には緑色のランプが灯った黒色のスマートフォンが置いてあった。

スマホの充電器を外して手に取ると、お気に入りの欄にある彩夏の名前を即座にタッチする。

一瞬の間の後、眠っている彩夏の部屋に鏡からの電話を受けての着信音が鳴り響いた。


シャンシャンシャシャシャン♪


無音だった部屋に突如鳴り響いたのは、彩夏の好きな男性アイドルグループの音楽だった。

このアイドルグループは最近ではあるが、10周年記念を迎える程には人気があり、CDの売上ランキングではシングル、アルバム共に10位内に入る程度には知名度もあるのだが、10年間で1位を1度も取ったことがないという記録を残しているようなグループでもあった。


彩夏はそんなアイドルグループの歌が部屋に流れだしてから数分もしない内にガバッと勢いよく起き上がり、周りをキョロキョロと見渡して音の発生源を見付けようとする。

そんな彩夏の視線がある一点を見つめるようにして急に固まった。

現在彩夏の視線の先には、スマートフォンを片手に笑顔で窓から手を振る鏡の姿が写っていることだろう。


彩夏は視線を下に向けると、今日から高校生になる女の子とは思えないほど可愛らしく、悪く言ってしまえば高校生にしては幼いという言葉が当てはまるような上下水色のパジャマを見てからもう一度鏡に視線を向けてくる。

バッチリと鏡と彩夏の目と目があってしまった。

パジャマ姿の彩夏は恥ずかしそうにそっと布団を胸元まで上げてパジャマを隠し、頬を少しだけ赤く染める。


(どうしよう気まずいな。久しぶりに彩夏より早く起きて喜んでたのにパジャマ姿を見ただけでここまで気まずい雰囲気になるのか)


ふと思い出す普段の彩夏は、鏡が起きる頃には、正確に言うと彩夏に起こされる頃には、既に学校指定の制服を着ている状態なのだ。

それなのに今日に限っては鏡が奇跡の早起きをしたことで、未だにパジャマ姿なのである。


(そういえば、最後に彩夏のパジャマ姿を見たのは何年前だったかな?中学?いや小学校か?それにしても前に見たときとパジャマの柄と色は変わってないんだな)


朝に弱い鏡にとっては、彩夏より早く起きる確率はほとんど絶望的に近く、彩夏のパジャマ姿を見るのが何年ぶりになるのかも分からない年単位という長い時間が既に経過していた。


そんな事もあって、最近パジャマ姿を鏡に見られていなかった彩夏が、パジャマ姿を見られるという耐性というか慣れというか、そう言うのが付いてなくて、恥ずかしがることは当たり前なのかもしれない。

鏡からしたら彩夏が高校生になった今でも昔から何も変わっていない幼馴染みのままで安心してしまったのだが。


「今から飯食べて準備するから遅れんなよ」

「う、うん」

「それと、そのパジャマ似合ってんぞ」


彩夏が頷くのを見るとフォローもそこそこに逃げるようにして部屋を出る。


部屋に残された彩夏は再びパジャマに視線を落とすと、誰がみても幸せそうな表情を浮かべていた。

そんな幼馴染みの表情を見れなかった鏡は、廊下に出た時点で心を落ち着かせて、角を曲り下に続く階段を1段1段下りて1階へ歩いていった。



-1階-


リビングに入ると母と妹が朝食をテーブルに運ぶところだった。


「おはよう」

「あ、兄ちゃんおはよう」

「あらあら、今日は珍しく早いのね、入学式だからかしら?それと今から運ぶから少しだけ待っててね」

「何言ってんの、手伝うに決まってんじゃん」


台所に移動し見るからに一番重そうな炊飯器の持ち手を両手で掴んで持ち上げる。

ずっしりとした重量がエネルギー不足の全身に伝わってきた。


よたよたと台所から歩いて、炊飯器をテーブルの中央まで運んで置く。

続くように、それぞれの椅子の前に目玉焼きの入ったお皿を妹が置いていく。

最後に母さんが味噌汁を炊飯器の横に置いて朝食が揃う。

しゃもじでお米を茶碗に盛り、おたまで味噌汁をすくいいれると、3人はそれぞれの席に座り「いただきます」と手を合わせて言うのだった。


-数分後-


ごはん、味噌汁、目玉焼き、ごはん、味噌汁、目玉焼きの順番で三角食べをしているとついに最後の周回がやってきた。

米を一粒残さずに綺麗に食べて、味噌汁も飲み干し、半熟の目玉焼きのキミもこぼさずに胃に納める。


朝食を食べ終わり満腹になると


「ごちそうさまでした」


と再び手を合わせて言うとすぐさま立ち上がり食器を台所に持っていく。


台所では、水を流して茶碗にかけ、こびりついた米をスポンジを使い剥がす作業を開始し、綺麗になった段階で父親の食器以外には置かれていない食器洗い機にセットする。


朝食の片付けが終り、次に台所で食器を洗いにくるだろう妹か母さんのために鏡は台所を出ていく。


出る途中で、妹と台所ですれ違うが、狭い場所で話していると後に待っている母さんの邪魔になるから、会話もせずにそのまま鏡は台所から撤収し、リビングからも出て、階段を上らずに左に曲がってまっすぐ進み洗面所に到着する。

到着してすぐに自分の歯ブラシを取りだすと、水で濡らし、ブラシの部分に歯みがき粉を少量だけつける。

そして鏡を見ながら歯を丁寧に磨き始めた。


あっという間に3分がたち、口をすすぐと歯ブラシをもとの位置に置き、洗面所からでるとすぐにトイレに入り、用が終わると学校に行く準備をするために2階に上がる。


-2階自室-


部屋に入ると木製のクローゼットの前に立つ。

クローゼットを開くとその中には、一週間前に買って貰った新品の学生服がハンガーに掛けられている状態で、人に着られることを待ち望んでいた。


鏡は着ていたパジャマを脱ぐと、新品の制服を手に取り、着替える。

クローゼットの横にある姿見の前に移動すると身なりを整える。


「変なとこ無いよな?」


入学式での第一印象は高校生活を左右する大イベントなのだ。

近場の高校だからって全員が全員鏡の知り合いという訳ではないのだ。

他県からくる生徒もいるはずで、制服くらいはキチンと着こなしていなければならないのだ。

それに少しでも大人の落ち着きを身に付けなければ入学式を見に来る母さんに、主に母さんから話を聞いた妹に笑われてしまう。


完璧な姿で入学式に参加し、食卓の笑い話にならないように印象を上昇させることが、現在の鏡の目標だ。


中学の知り合い連中や部活の先輩達も通っているのだから今の鏡の姿を見れば「真面目になりやがって」といじられること間違いなしの真面目系の制服の着方をしている。


慣れない制服の着方にじゃっかん心配になってくるが残り時間も少なくなってきたために最終チェックで軽く全体を見渡していく。


寝癖無し、メヤニ無し、磨き残し無し、制服にシワ無し、確認終わり。


「大丈夫だよな?」


心配そうに呟くがそろそろ時間なので部屋を出る。

階段を下りて、玄関に向かい、新品の靴を履く。


「行ってきます」


玄関を開けて家から出ると真っ先に隣の家に向かう。


ドアの横につけられている呼び鈴を押すとピンポーンと鳴り「はーい」と室内から声が聞こえてきた。

数秒たちドアが開かれると1人の女性が出てくる。

女性は鏡の顔を確認すると後ろを振り向き声をだした。


「彩夏、鏡くんが迎えに来たわよ」

「うん、今行く」


2階からドタドタと忙しそうに駆け回っている音がここまで聞こえてくる。

余りの慌てように、時計を見間違えて早く来すぎたかな?と不安にもなったが彩夏の家の玄関には何時ものように平常運転で時計がカチカチと鳴り続けている。

その時計を見ただけで気のせいではなかったと安心した。


現在7時50分。まだまだ慌てる時間ではないがゆっくりしていられる時間も10分程度しかない。


「準備に時間かかりそうだから上がっていく?」

「下りてきたら直ぐに行けるようにここで待っています」

「鏡くんがそれでいいならいいけど、せめて麦茶でも飲む?」

「では1杯だけ貰います」


それだけを言うと彩夏のお母さんである彩音さんはリビングに入り、少ししてから3つのコップと麦茶の入った容器を持って玄関に戻って来た。


「鏡くんには現在2つの選択肢があります」

「選択肢ですか?」


「そうよ」と真剣な表情で頷く彩音さん。その言葉の続きを語りだす。


「青いコップはお客様用のコップよ。ピンクのコップは毎朝彩夏が使っているコップで、少し前まで本人が飲んでいたものね。どっちのコップで麦茶を飲みたい?それと、選択肢に無いかもしれないけどこの黄色のコップは私のよ」


前2つは真剣な表情で語るような内容では無いものの、最後の3つめだけは流石に冗談だとわかる口調で言ってくる辺り、いつものように娘が下りてくるまで鏡は彩音さんにおちょくられる運命なのである。

だが中学の頃にも似たような内容で幾度となく交わされた会話であって流石に慌てふためくことはしない。


決まって鏡の返答は1つ。


「ではお客様用の青いコップでお願いします」


という当たり障りの無い返答であった。


「つまんないわね。少しぐらい悩みなさいよ」


彩音さんは、それはもう本当につまらなそうな表情で残念そうに呟きながらお客様用のコップに麦茶を注いで手渡してきた。


「いただきます」


受け取ったコップに口をつけて、体の中に麦茶を流し込む。

冷たい麦茶が全身の体温を少しだけ下げた気がした。


「別に鏡くんになら娘との間接キスくらい許すわよ?と言うよりも直接キスしても良いくらいよ?」

「ちょっとお母さん!何言ってるの!」


2階から叫び声が聞こえてきた。2人は階段に視線を向ける。

そこには、顔を真っ赤に染めている彩夏が準備を終わらせたのか下りてくるところだった。


「別に良いじゃない。私が2人と同じ年の頃には海斗さんとラブラブだったのよ?」

「今はお母さんとお父さんの時代とは違うの!」


彩夏は恥ずかしそうに叫びながら玄関に近付いてくる。


「まぁまぁ落ち着いて、取り合えず麦茶でも飲んでリラックスしなさい」


麦茶を注ぎ、歩いてきた彩夏にコップを手渡す。

その一連の簡単な行動をおこなっただけの彩音さんのタイミングは最早神憑っていた。


彩音さんが彩夏に手渡したコップは、ちょっと前まで鏡が麦茶を飲んでいた青いコップだった。

しかも、いつ手元から取られたのかも分からないのに、丁寧に鏡が口を付けていた部分を彩夏に向けている。


彩夏は恥ずかしさのあまりなのか、あまりにも自然に手渡されたからか、普段使っているコップが近くにあったのにも関わらず、警戒もせずに手渡されたコップを受け取り一気に飲み干した。


それを見た彩音さんは、勝ち誇ったような表情を浮かべながら彩夏のマイコップを右手で持ち上げて、彩夏の顔の前にチラつかせる。


「娘よ、私の完璧なる策に引っ掛かったわね」

「え、何が?」

「このコップが何か分かるかしら?」


首を傾げる彩夏は彩音さんの持っているコップを見てから自分が今持っているコップに視線を落とした。


「え?何で?それ私のコップ、そしてこれは.....」


麦茶で冷やした顔が再び熱を帯びてきたのか、少しずつだが確実に赤くなっていく。


「鏡くんとの間接キスの味はどうだった?」


ボンッと彩夏の顔から煙が噴き出してくるようなそんな錯覚をした気がした。

次の瞬間には彩夏はオーバーヒートを起こしたかのように機能を停止していく。


そして鏡の視界はブラックアウトした。


・・・・・。

・・・。

・。


-朝-


まだ少年と言われても全く違和感の無い寝顔を浮かべる黒髪の青年は、白い布団に全身を包まれながら幸せそうな表情を浮かべていた。


そんな青年の部屋の中には、当然のように1匹の凶悪で五月蝿い獣が住み着いている。

その獣がそこにいるだけで、寝静まった部屋の中には1秒毎に獣の発する音が止まずに鳴り続けていた。

それは極小さな音であるために普段は気にせずに生活することが出来るが、ふとした瞬間に耳に入ると、何時間という永遠にも思える間耳から離れなくなるような音であり、寝る前に耳から離れなくなると寝不足の原因になりうる音である。


そんな獣だが、時が刻一刻と近付くにつれて、己の所持する唯一の武器の準備を始める。

獣の装備した武器の殺傷力は0であるが、寝ている青年からしたら凶悪な威力を与えうる恐ろしい武器だったりする。

そんな青年にとっては凶悪な存在と知ってか知らずか、獣は装備を眺めて自然な笑みを浮かべていた。


獣からしたら、例え主人である青年がその存在を嫌いであっても、躊躇わない。

躊躇ったところで、青年の為にならないと理解しているからだ。


そんな獣の気持ちを知ってか知らずか、青年はいまだに眠り続けている。


獣は時間を確認し、予定の時刻に近づくに連れて、緊張感を高めていく。

ふと、緊張のためか己の手にしている武器を眺めていた。

それは今まで共に戦ってきたために、古ぼけていて、所々が欠けているために見栄えが悪くなっている。だがこれは長年使っているために馴染み深く、愛着もあった。相棒のような存在と言って良いだろう。


それだけのことを考えると急に緊張感は薄れ、安心感が満ちてきた。


獣は凛とした表情で、寝ている青年に向けて武器を構える。


今から始まるのは獣と青年の終わることの無い、これからもどちらかが死ぬまで永遠に続くと思われる戦い。


攻撃開始まであと1分。青年が目を覚ます気配は無い。


攻撃開始まであと30秒。青年は油断しているのか口からヨダレが垂れている。


攻撃開始まであと10秒。青年は戦いから逃げるように寝返りを打った。


攻撃開始まであと5、4、3、2、1。


残り時間が0にかわり時が来たとばかりに、獣が眠っている青年に向けて攻撃を開始するのであった。


・・・・・。

・・・。

・。


「ジィリィリィリィリィーーー!!!」


目覚まし時計の音と共に、無音だった部屋に波紋が広がっていく。

獣のように吠える目覚まし時計の音色は、聞くだけで青年の心と耳に大きなダメージを与えていく。


青年は寝ぼけながらも布団から手を伸ばして、抵抗するかのように音の発生源である銀色の丸い目覚まし時計の頭を1回だけ叩くと、再び眠りについた。


すやすやと眠る青年の表情はまさに幸せを表していた。


あれから更に5分もの時がたち、再び攻撃の音色が部屋に鳴り響く。

またも青年は寝ぼけながら、音の発生源を探すように今度は手をペタペタと叩くこと数回。

再び音は止んだ。


それから少しの時が過ぎるとドタドタと階段を勢いよく走ってくる音が廊下から聞こえたかと思えば、バンッと青年の部屋の扉が勢いよく開かれる。助走がついた状態で「トゥッ」と勢いよくジャンプするための掛け声が音の止まった部屋に響く。


1週間に5回の部活と毎日欠かさない自主練で鍛えられたその肉体は、空中で綺麗な放物線を描きながら着弾点に徐々に近づいてきた。

服を着ていると分からないのだが、毎日のトレーニングによって鍛え上げられたその肉体は、スラッとしつつも筋肉が引き締まっていて全くと言って良いほどに無駄がないのだ。


そんな肉体によって、プロレス技である「ランニング・ボディ・プレス」が寝ていたために無防備な姿をさらしていた青年に綺麗に決まった。

これをゲームで例えるのならば「クリティカルヒット 」または「効果抜群」とも呼ばれる青年にとっては無視できないレベルのダメージ量であった。


お腹のあたりに激しい痛みを引き起こしたことによって、嬉しかったような、楽しかったような、恥ずかしかったような、そんな夢から強制的に目覚めさせられた。


痛みとまだ重いまぶたで眠気が少しだけ残る青年には「後5分」と言う言葉も口から出すことが出来ずに「鏡兄ィ、朝だよー!!」と耳元で叫ばれる。


叫ばれたことによって、頭が覚醒しはじめた鏡は、キーンと響く頭を左右に振り、まぶたをゴシゴシと擦る。


一之瀬鏡の朝は、妹の2コンボで始まり、それからの呟きも「もう少し優しく起こせないのか?」と普段通りの苦笑いを浮かべながら第一声を発するのが常だ。


その呟きに対して「このぐらいしないと兄ちゃんは起きないじゃん」と呆れられるのは毎回のことだ。


「急に飛び込まれるのは心臓に悪いんだよ」

「大丈夫よまだまだ若いんだから」


ジト目を妹に向けながら止めるように告げるが、満面の笑顔が返ってくるだけだった。


それから少しすると隣の家からガラガラガラと窓を開ける音が聞こえてきて、鏡は音のした方に視線を向ける。

そこには、幼馴染みの彩夏がいた。


「鏡花ちゃん、鏡くんは起きた?」

「あ、彩夏姉ちゃん聞いてよ!兄ちゃんってばせっかく可愛い妹が起こしてあげたのに文句言ってくるんだよ」

「仕方ないだろ、危うく死にかけたんだから」

「私が声をかけたときに起きれば鏡花ちゃんに起こされることはないのよ?」


フフフッと見惚れてしまいそうな顔で笑ってはいるが、彩夏の言うことが正論なだけに反論しようにもできず、彩夏のモーニングコールで目が覚めたことがほとんど無いとはいえ0でも無い鏡にとっては、毎朝諦めずに声をかけてくれる彩夏には感謝はしている。

だからといって起きなければ起きなかったで目覚ましの変わりに毎朝妹に殺されかけるのはどうなのかと思わずにはいられないのだ。


まぁ起きれない自分が悪いのだが。


「早くご飯食べて着替えてね、少ししたら迎えにいくから」


3人での会話もそこそこに、彩夏は窓を閉めて部屋を出て行く。

部屋を出ていく彩夏の後ろ姿を見てから、枕側に置かれている時計に視線を向ける。

現在の時刻は7時46分。入学式が始まるのが9時だから時間にして約1時間もある。


だが登校に15分かかる距離の学校で、新入生は8時30分に集合完了してなくてはならない。

つまり、タイムリミットは約45分しか残されていないのだ。

それに気付いた鏡は、急いで部屋から出る為に起き上がろうとすると鏡に抱きつくように寝転がっている妹によってそれは阻まれた。


「鏡花、そろそろ降りてくれない?」

「何だとぅ、もしかして兄ちゃんは私が重いとでも言いたいのか!」


決して重いと思って言ったわけではないのに怒らせてしまった。

そのせいで、鏡は降りてほしかった理由をどう言えば良いのか悩んでしまう。


「(抱き付かれて)力が入らないから降りて」と簡単に言えば良いのだろうが、これは逆効果になる確率が非常に高い。


例えば、首に手を回され抱き付かれた状態で起き上がる。

例えば、背中に手を回された状態で起き上がる。

例えば、・・・・・。


考えれば考えるほどたくさんの無茶ぶりしか思い浮かばない。


(仕方ないな、ちょっと本気で起き上がってみるかな)


・・・・・。

・・・。

・。


その後、鏡はお腹をさすりながら、鏡花は満面の笑顔を浮かべながら、部屋を出て一階に下りていくのであった。


-1階-


「母さん兄を起こしてきました」と妹が敬礼みたいなポーズをすると、母さんが「今日もお勤めご苦労様です」と笑顔で言葉がかわされる。


それを横目に椅子に座ると、目の前に伏せられている2つのうち1つの茶碗を掴みテーブルの中央に置かれている炊飯器からしゃもじで白米を盛り付ける。

2つ目のお椀には炊飯器の横に置かれている鍋からおたまで味噌汁をすくいいれる。


「いただきます」


鏡は両手を合わせて、命を奪うことによって食べられる食材にしてしまった全ての生物に今から自分のエネルギー源として体の中に取り込むことを告げる。

そして、それを育ててくれた農家の方々にも感謝の念を心の中で送ると、朝食を腹の中に流し込んだ。


「もう、ゆっくりとよく噛んで食べなさいよ」

「いぼいでりゅんだ」

「口の中に入れたまま喋らないの」


母さんの言葉に頷くと朝食を黙々と腹のなかに納めていった。


-数分後-


朝食を食べ終わり食器を台所まで運んだ後。リビングに設置されているハト時計に視線を向けると、7時52分と食後の休憩が可能な時間だった。鏡はそのまま椅子の背もたれに体重を預けて、テレビを眺める。


普段の朝食後には「お父さんは早起きなのにお兄ちゃんは何で朝起きれないんだろうね?」と妹が悪戯っぽく言うのが普通のことだった。


でも今日は違った。


「ザザーーッ」と観ていたTVが突然ビリビリと砂嵐を起こしたからだ。


「あれ?TV壊れたの?」

妹が首を傾げる。


「最近買ったのにね」

母が困ったように呟いた。


「治らないようなら後で修理に出しに行くよ」

言いながら席を立ち上がる。


ゆっくりとした足取りで、TVの裏に回る。最初はコードが何らかの拍子で抜けたのかもしれないと予想していたのだがそういう分けでもなかった。


「不良品を掴まされた?それとも単純に故障したか?」


そんなことを呟いていたら、砂嵐がまるで無かったかのように収まり、元通りの綺麗な画質でニュース番組によくある占いのコーナーが始まった。


「あれ?こんな時間に占い何てやってたっけ?」


妹が時計を見ながら首を傾げているがそんな疑問を無視して占いは始まるのだった。


1位○○座、2位○○座、3位○○座、と次々に画面が移り変わっていくそんな中で「残念!!本日の12位の○○座のあなた。今日は、何をやっても失敗が続きますが、ある1つのことをしたら取り返しのつかない事が起こるでしょう。そんなあなたの今日のラッキーアイテムは、『赤い服』です!」


そして、星座占いは終わりを告げた。


「入学式の日に不吉な占いだな」

「あれ?兄ちゃんって占い信じてたっけ?」


鏡の一人言のような呟きに小首を傾げながら鏡花が問いかける。


占いなんてテレビが付いていないと目に留まることもないのだが、たまに観る、それも入学式の日に不吉な結果というのは何かと悲しいというか辛いというか厳しいものがある。


なら「その占いの結果を信じるのか?」と聞かれれば


「信じてないけど」


と、答えるしかない。


「占いをバカにしたら取り返しのつかない事がおきちゃうよ」

「無茶言うなよな学ランは上下黒色だからラッキーアイテムの赤い色は全く入ってないんだよ」


悪戯っ子な笑顔を浮かべて可愛らしく言ってくる妹に対し、鏡は苦笑いを浮かべながら新品の学ランを思い浮かべて答えていた。


-2階自室-


食後の休憩が終わり、今日から始まる新しい高校生活に思いを馳せながらいそいそと準備をしていると呼鈴が鳴り響く。


この時間に呼鈴を鳴らす相手は1人しか知らなかった。

そこからの鏡の動きは、まるで早送りでもしているかのように準備を終わらせようとせっせと部屋の中を行ったり来たりと慌ただしかった。

最終的に準備が終わった頃には呼び鈴が鳴ってから3分もたっていた。


部屋から慌てて飛び出して、階段を下りようとすると、玄関では母さんと妹が、鏡の予想した人物と立ち話しをしていた。


話の内容は階段を勢いよく下りていることで、ドタドタと響き聞き取れないが、たぶん「毎朝ありがとうね」的な何かを言っているのだろう。


ついに階段も中頃にくると、玄関で待っている幼馴染みの全体も見えてきた。


背中一杯に溢れるほど広がる綺麗な黒い髪。

濁りの見えない子供のような綺麗な瞳。そこに写し出されるのは階段を駆け下りる一人の青年。


階段に視線を向けてくる彩夏に鏡も視線を向けると、不思議と目の前が明かるさを帯びていくのを感じていた。


彩夏とは保育園の頃からの付き合いだ。それも家が隣ということもあって、当時の保育園組の中でも群を抜いた時間2人で遊んでいた。

それでも最初に会ったときの彩夏は人見知りがかなり激しすぎる女の子で、声をかけただけで親の後ろに隠れるような恥ずかしがり屋(?)な女の子であった。


鏡はそんな行動をする女の子に悪戯心が芽生えたのか、ほっとけなかっただけなのか、彩夏が1人で居たときに話しかけたり、スカートをめくろうとして失敗したりしたのは今では懐かしい思いでとなっている。

悪戯をしても必ず失敗して成功した試しが無いのが鏡にとっては心残りだったりもするが、今の彩夏にそれをしたら間違いなく嫌われるのは目に見えているので実行できないでいる。


昔は彩夏に会いに行ったり、後ろから話しかけたりすると、物陰に隠れられたり、逃げられたり、酷いときは避けられたりもした。

その後は仲良くなる方法を模索し、鏡は彩夏と仲良くなりたいだけですよオーラを放ちながら、適切な距離で話しかけたり、後を追ったりしていた。

諦めないで何度も同じ事を繰り返して、彩夏の背中を追いかけていたのは懐かしい青春(注・保育園児)の思いでだ。

その後不思議なことに、どのようなことがあって彩夏と今の関係に結びつくようなほどに仲良くなったのかを未だに思い出せない。

しかしながら今になって考えてみると子供の頃の行動力って凄いと思える。


中学時代では、テストの前に勉強を見て貰っていたので「あの時追いかけていて良かった」と今でも昔の自分を誉めてやりたくなる。


そして、鏡と彩夏が高校を何処にするかで悩んだ結果。家から約15分の所にある地元の高校を選んだのだが、それは、単純に家から近い。知り合いも多い。勉強が少しできれば問題無いと言うものだった。


近いからで選んだ高校だが2人とも無事に受かることができた。鏡は彩夏と一緒に高校生活を送れることに嬉しさや喜びを感じている。


地元の高校ということもあり見慣れた制服ではあるが、高校の制服に身を包んだ彩夏は、それだけで中学の頃とは違い、不思議と大人の女性に見えてしまう。


「おぉ~、新しい制服似合ってるじゃん」

「そ、そうかな?」


正直な感想を言うと彩夏に顔をそらされたが、よく見てみると頬が紅潮している。

ついつい悪戯心が芽生えてしまいそうになる心をグッと堪えて褒めることに専念する。


「似合ってる、似合ってる、超似合ってるよ」


褒めることに専念したつもりが、ついついいつもの癖で悪戯っ子の顔が少しだけでてきてしまった。


このお調子者とも悪戯っ子とも呼べる性格を何とかしようと思ったこともあるが、一度身に付いた物はなかなか止めることも出来ないもので今では諦めていたりする。


「そう言う鏡くんも格好いいよ」

「当たり前だろ」


真面目な顔で胸を張って答えたら、彩夏から微笑みがかえってきた。

その微笑みを見ただけで鏡の表情も柔らかいものとなり、彩夏にだけ見せるその満面の笑顔は、幼馴染みの彩夏以外の女の子が見たら思わずドキッと心臓が高鳴るほどの威力を有していた。


-登校中-


高校では中学には無かったあの部活に入りたいとか、中学が違った人達とも仲良くなれるかな?とかクラスが一緒だったら良いねとかを話しながら歩いていると信号が点滅して赤に変わり2人は立ち止まる。


そんな赤信号の中。1人の少年が信号を無視して歩き続けていたが、話しに夢中になっていた鏡達は気がつかなかった。そして、その瞬間は叫び声と共に隣から聞こえてきたのだ。


「誰かあの子を止めてー!」


不意に耳元で聞こえたおばさんの悲鳴混じりの叫び声に「うっ」と顔をしかめてしまう。

周囲にいた人達の反応も変わらず、突然の悲鳴に何事かとおばさんの視線の先を辿るように見る。

その悲鳴の正体を認識すると同時にギョッとしてその事態の危険性に気付くのだ。


自分達の目の前を歩く少年が後数秒もしない内に車に轢かれて下手したら死んでしまう。そんな瞬間を脳内に鮮明に映し出したのだ。


周囲の人達の反応は様々だった。


驚愕の表情をして動けない人。

何々?と周りの反応が気になるも前が見えずに背伸びをする人。

持っていたスマホで少年の撮影を開始した人。

「キャーッ」と叫ぶことしか出来ない人。

「こっちに来い」と手を伸ばすも少年の所には駆けつけない人。

車に「止まれ!」と手を振っている人。

俺には関係無いと反対方向に歩きだす人。


そんな人達しかいない中で鏡は少年に向かって走り出していた。そんな行動を起こした鏡だったが、実のところ何で自分が今走り出したのかも本人には分かっていないそんな中で、何故か少年を助けなければ!という使命感で動いていた。


鏡の歩数にして5歩。少年の所にたどり着いた。伸ばした手で少年の細い腕を掴むと、これまで生きてきた中でも出さなかったであろう最大の力を振り絞り、歩道にいる人達に向かって少年を勢いよく投げ飛ばす。


「この子を受け止めてくれ!」


鏡の全力の叫びに「ハッ」とした表情を浮かべながらも、飛んで来る少年をキャッチするために動けた人が1だけいた。


その人は鏡が一番良く知っている人だった。


名前は三浦彩夏。自分の一番大切な.....。


そこで鏡の思考は別の存在が視界に写ったことで停止した。

それは、投げられたはずの少年が空中で驚いたような顔をしていたのも一瞬。

数秒後に車に轢かれるであろう鏡の姿を見てニヤッとした子供ではない、何か別の存在のような不気味な笑顔を浮かべたからだ。


鏡の時間だけが世界から切り離されたようにゆっくりと流れていく。


キキィーーーーーーーーッッッ!!!


急ブレーキによるタイヤと道路が摩擦によって鳴り響く音。


ドン!!!


車に跳ねられ、発生した衝撃で体感する一瞬の浮游間。


ズチャッ!!!


地面に叩きつけられた事による衝撃と激痛。


新品の制服のボタンが衝撃でイカれ道路に散らばり落ちていく。

ボタンが無くなったことで学ランがはだけて下に着ていた白いシャツが地面に倒れていても、いや駆け付けてきた誰かに背中を支えられているおかげで見えてしまう。

その着ている白いシャツがどこからともなく溢れてくる液体によって赤く染まっていく。


(何だけこの赤い液体は.....あぁ、そういえば車に轢かれたんだっけ?)


今更ながらに気付いたが、この出血量じゃどう足掻いたところで助かりそうに無い。そう思ったのを最後に視界が霞み、意識が薄れ、思考が止まる。


そんな人形のように手足を投げ出した鏡を抱き抱えながら「鏡くん、鏡くん!」と彩夏に体を揺らされながら、嗚咽混じりの泣き声を流しているのを耳に残し、鏡は深い闇に吸い込まれるようにして、どこまでも、どこまでも、落ちていった。

-作者の場合-


「ブ◯ーチのゲームやりたいって言ってたよね?僕にロッ◯マン貸してくれるのなら貸せるよ」

「うん、良いよ」


友達の家に遊びに行った日。前々からやってみたいなと思っていたゲームを借りる事ができた。


その日の帰り道。僕は鞄に借りたゲームソフトを入れて、いつものように下り坂を下る近道を通った。その途中で事件は起きた。


「あれ?ブレーキが、ブレーキが効かないよ」


ぐんぐんと速度を増していく自転車に飛び降りるという選択肢が頭にない幼き頃の作者は、止まれで止まれず道路に飛び出してしまった。


ガチャンっと車と衝突し、倒れる作者。


「君、大丈夫?」


車の運転手が慌てて車から降りてきた。


「大丈夫です」


立ち上がり鞄の中身を確認する、友達から借りたゲームソフトは何事もなかった。


そのまま見渡すと近くに凹んだ自転車が倒れていた。


「自転車が壊れてしまったね、家まで送くってあげるからお家を教えて」


その時小学生の作者の脳裏にある人の言葉が浮かんできた。


「知らない人の車には絶対に乗らないようにしてください」


という先生の声が。


「大丈夫です、家まで帰れます!」


そういって、壊れた自転車をガタガタ鳴らしながら歩いて帰るのであった。


-終-


-こっちが本当の後書き-


上のも合わせると小学生の頃に、合計で3回も車に轢かれました。中学も入れると5回です。作者は運が良かったのか生きています。轢かれる時点で運が悪いと思うのですがね。


それはそうとして、3回とも作者は歩いて帰りました。やっぱり車に乗る人は小学生からしたら大きいですからね。そんな人の車に乗って帰るとか怖くて無理です。絶対に逃げますよ。

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