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遊戯

今まで、受験など色々な事が重なり、連載を停止してしまってましたが、今日からまた再開したいと思います!また、コメントを下さった方、返事の返し方がわからなくて…更新が遅くなってしまってすみません!これからはゆとりが出来たので、もっと頑張ります!これからもよろしくお願いします。

「…父さん?」


見ると、そこに父さんがいた。


「おいおい、茉希穂。学校では、先生と呼べと言っているだろう。校長先生、と。」




「すいませんでした、波瀬川校長。」


「ふふ、それでいい…茉希穂。」




なぜここに、この人がいるの…?




「さあ、どうやら面白げなお遊戯会が始まっているようだね。観に行こう、茉希穂。」


「…はい。」


波瀬川校長は、私の背に手を回し、背後に引き連れていた人達には帰れと命令していた。

そして、進み出す。

お遊戯会の会場へ。


校長の言う‘‘お遊戯会’’とは、イジメそのものを指す。

そしてそのお遊戯会の‘‘役者’’は、F組の人達と、それに群がるハエに当たる。



「今日はいつにも増して、盛大なステージの様だな。とても、賑やかで、心地良く、素晴らしい。」


私は昔からこの人が苦手だ。

何を考えているのか、全くもって理解不能なのだ。


この人は私の父であるはずだけれど、それらしい事をしてもらった記憶なんかなくて。家にもろくに帰ってこなくて。

私がまだ幼稚園児だったころ、「お父さんの似顔絵」が描けなくて、困った事があった。

それほどに、私は父と関わったことがない。


それに、やっと家に帰ってきたとしても、私は父に関わろうとは思わなかった。

それは決して、反抗期など、そんなちっぽけな理由じゃなあない。


怖かったんだ。

父の表情、行動…言動。どれをとっても、それらは全て、人に恐怖を与える事しかしない。


昔、私がまだ小学校に上がったばかりの頃、父が久しぶりに帰ってきた時、こう言ったのを覚えている。


私の事を、『たった1本の小さな蝋燭』

母の事を、『それを立てるための蝋燭立て』

でも、それらが何かを成すことは無い。


だってもう、それらに灯すための、炎がない。



当時幼かった私にも、高校に上がった成長した私にも、その意味はわからない。でも、それを聞いた母がカタカタと震えていたのを覚えている。


意味の不明な言葉を羅列され、母が震え上がる。


幼い私が怯えるのに、理由は充分だった。





そして久しぶりに会った、今日も、イジメをお遊戯会と言った。


私は、彼が怖い。


だから、彼の作ったこの学校も、F組の皆も怖い。







そして、長い廊下を歩いてF組の教室の前に到着した。1分掛かっただろうか。

そんな短いはずの時間が、酷く長く感じた。


彼が、口を開く。


「おや?宮崎先生が見当たらないなぁ……今日のお遊戯会の主役は、彼のつもりだったんだがな。」






私には、父が、波瀬川校長が、この人が、彼が……解らない。








前回に引き続き、茉希穂の目線です。次回の更新は速くできるよう頑張ります!!

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