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安間

遅くなりました!!4話目です!!まで、読んでくれると、嬉しいです。

「こんばんは、宮崎先生。」

「こっ、こんばんは。」




僕はあの後、直ぐに家を出た。スーツはよれよれのまま。でも、その時は急いでいて、気にも留めなかった。

赤信号や迷惑な初心者マークをつけた車などに、苛立ちを覚えながら、今、やっと四角公園についた。




そして、今まさに、安間と対面している。

「いやぁ、こんな夜に呼び出してごめんね、先生。」

僕は安間と会う前、すごく緊張していた。手に変な汗をかくくらいに。しかし今、その汗は引きつつある。なぜなら…

「でもさ、宮崎先生。今日は急に走っていなくなっちゃうし。びっくりさせたのは謝るけど、あれはひどいよ〜。」

‘流石に傷つくって’と、とにかく、話しっぱなしで、その口調はとても軽いものだった。そして、外見だって小柄なただの男子だ。見た目で判断するのは良くないことだが、でも、この安間という生徒から、あのF組の異常さは、微塵も伝わってこないのだ。

「ひどいな〜、宮崎先生っ。」

僕が呆然としていた時、今までずっと、話していた安間が、突然それを辞めた。そして、間を開けて、また口を開いた。

「実は今日、先生に話しがあって、呼んだんだ。」

僕に、話し?これが、あの校長が言っていたことか、と思い、少し身構えた。すると、

「もぉ、そんな身構えないでって、先生。」

と言われた。つくづく、安間という生徒には、緊張感を崩される。

「それと、ここからは質問は無しで。」

‘ただ、俺の話し聞いててください。’


そして、安間が話し始めた…









「先生は今まで、不思議に思わなかった?俺のメールが、先生のパソコンに届いたことを」

「‼︎」

僕は焦り過ぎていた。こんな簡単な不思議さ(異常さ、と言うべきか)に、気づかなかった。確かにおかしい。安間に、僕のメールアドレスを教えた覚えはない。なら、どうやって…

「はぁ、本当に、バカだなぁ。」

と言い、安間は、やれやれという仕草をした。そして、

「まぁ、それが俺の能力。」

は?能力…それを使って、僕にメールを送った、とでも言うのか?意味が、わからない。

「まっ、俺たちはその能力を、Fake(フェイク)、と呼んでいるけどね。あぁ、俺たちっていうのは勿論、F組のみんなの事だよ。」

能力、Fake、F組…

「あぁ、ごめん。僕は、脳のFake…突然こんなこと言っても、解らないよね。」

そう言うと安間は、後ろを振り向き、こう読んだ。

「有明さん!!来て!!」

すると、背丈が安間とあまり変わらない、おさげをした女子が、滑り台の裏から現れた。

「先生、よーく見ててね。」

安間がそう言うと、有明さんと呼ばれた彼女は、目を閉じた。そして、次の瞬間、目を疑うようなことが起こった。


有明さんが、男に変化したのだ。男装とか、そういった話しではない。変化したのだ。すると次は、高身長で強面な男に、また変化した。そしてまた今度は、いかにも不良のような姿の女に変化した。そしてまた、有明さんの姿に戻った。


「有明さんはね、姿のFakeなんだ。さっき先生が見た、最初の男や、デカイ男…それから不良な女。この三つのうちのどれかに、姿を変化させることができる。」

脳のFakeに、姿のFake…。僕の頭は、だんだんと働きが鈍くなってきたようだ。理解、できない。

「F組のみんな、種類は異なるが、それぞれ能力を持っているんだ。さっき俺は言ったね。F組のみんなは、能力の事を、Fakeと呼んでる…と。なぜFakeと呼んでいるか…その理由は簡単。Fakeは、偽るとか、偽装するという意味がある。そう、俺たちの能力は必ずどこかを、偽ったり、偽装したりするものなんだ。」

偽り、偽装、Fake?能力??僕の鈍くなった頭は、単語のみを拾っていく。

「そして、F組のみんなは全員、校長によって集められたんだ。能力を持った人たちが、集められた…何かの意図があるとしか、思えない。さらに、この俺の言っている校長は、先生の今日あった校長じゃあないよ。」

「‼︎」

「先生の今日あった校長は、仮であって、本当の校長じゃあないんだ。」

あの、あの海藤校長は、校長じゃあない??

「先生の今朝感じた異常ってのは、そこからきたものだと思う。でも、それだけでも、ないと思うんだ。そのもう一つの異常は、みんな過去に、イジメを受けてるんだよ。」

イジメ…この単語は、よく聞くものだ。特に、教師になってからは。そのイジメと呼ばれるものに出会うたびに、その陰惨さに、絶句する。そこからきた、異常と言うのだろうか。

「まぁ、これに関しては、偶然かもしれない。でも、でも!校長が何かを企んでいるのは、解るんだよ‼︎‼︎」

そこで初めて、安間の怒鳴り声に似たものを、聞いた。

「F組に入ってから、イジメられることはなくなった。でもそれは、クラス内限定だ。一歩外に出れば、突き刺すよう視線が、暴言が、物が、俺たちを襲う。でも、陽色高校のあの雰囲気で、全てを隠蔽している。先生方はみんな解っているハズなのに、無視をする。俺は、許せないよっ…」

肩を竦め、拳を握り、下を向く安間を、僕は見ていられなくなった。そして思わず、安間に手を伸ばそうとした時、‘宮崎先生’と呼ばれた。

「なんだい?」





「俺たちと一緒に、戦って、くれますか。」





「俺たちは、弱い。だから、俺たちには、ヒーローが必要なんです…。」




「もちろんさ」

僕はそう、即答した。


すると、安間から僅かながら、緊張が取れたみたいだった。そして、

「ありがとう」

と安間と、有明さんに言われた。




その時、僕の心にしっかりと刻まれた。


「ヒーローに、僕はなりたい。」


と…。






読んでいただき、ありがとうございました!

今回の話は安間が喋りっぱなしでしたが、大丈夫でしか?…少し心配ですが、これからも、頑張っていこうと思います!

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