スモール・ザ・ワールド
ここは、夢のような世界。
お花畑が一面に広がっている。
赤・ピンク・オレンジなど・・・。
おっと、向こうから声が聞こえる。
しばらく歩いた先には・・・。
子供たちがいた。
1
春川 絵美二十歳
保育園の先生である。
今日も「日向保育園」に行くのであった。
絵美は子供が大好き。
小さい子からの人気の先生でもあった。
「みなさん。おはようございます」
「おはようございます」
絵美は年長さんのクラス「太陽組」の担任。
もうすぐ一年生になる彼らを暖かに見守る日々が続いた。
2
9月・・・。
言の起こりは、ある園児がきっかけとなった。
ここで主になるのは、
田川 暉男
飯塚 実宇女
古川 勝男
橋口 大智男
山口 華女
そのうちの四人が始めたこと、
それは・・・
「いじめ」
ターゲットは飯塚 実宇。
なぜ彼女はいじめられていたのだろうか・・・。
1つ クラス全員から嫌われている。
でも、この理由ではイジメないはずだ。
で、気になるもう一つはというと・・・。
あれは、6月飯塚 実宇は田川 暉に恋してしまい、
ラブレターを渡し告白。
そこまではわかるが・・・。
飯塚 実宇は田川 暉を呼び出し、
強引にキスをしてしまった。
それを見た山口 華がやきもちをやいてしまい・・・。
イジメが始まった。
たかがちっちゃなことで・・・。
イジメの初段階は山口 華が飯塚 実宇に命令し動くだけだったのに、
それがエスカレートし・・・。
靴かくし机の上に「死ね」の文字。
靴の中にカエル・・・。
彼女は絶えきれなくなり、
ついには、来なくなってしまった。
それに、私は気づくことができなかった。
誰もいいつけないし、園児たちが楽しくやってれば
それでいい・・・。
つまり、放置していたのだ。
3
帰り道。
もう、夜中の2時をまわっていた。
酔っ払いながら家に帰る途中、ささやかれた。
「こっち。」
その奇妙な声に酔いがさめた。
ふらふら歩いていたら保育園の目の前に・・・。
やけに明るい。
❝誰か残ってたかしら❞と思いつつ門を開けた。
瞬きした一瞬のうちに景色はお花畑になっていた。
4
子供たちが騒いで遊んでいる。
近くによると見たことのある顔・・・。
それは、飯塚 実宇。
「先生?」
「みっ、実宇ちゃん・・・」
「何で先生がここに?」
「先生こそ何でって、お家の人心配するから早く帰りなさい」
「先生、何寝ぼけたこと言ってんの?ここはお家よ。ここは保育園より楽しいわ。いじめられないし、お花はたくさんあるし・・・」
「実宇ちゃん、いじめってどういうこと?」
「先生、気づいてないんだ・・・。私、靴の中にカエル入れられたりしてたのに、無視?」
「そんなの、知らないよ」
「知らないとかの問題じゃないよ。周りに目を配らない先生が悪いんだ」
「私はちゃんと・・・」
「うそつき!私がどんだけ悲しんだか知ってる?」
「分からないよ・・・」
「じゃぁ。見せてあげる」
私が見る限り幸せそうな園児の姿とは違った、
泣き叫び、苦しむ飯塚 実宇の姿があった。
・・・。
「実宇ちゃん。ごめん。だから戻ってきて・・・」
「先生が謝ったって許さないわ」
「実宇ちゃん。お願い・・・」
「先生、そろそろ帰った方がいいかもよ。ここは、スモールワールドといって、大人を恨む子供たちが集まる世界。大人が来たら皆あなたをそく殺すわ。しょせん大人なんて口先の事。実際はどうでもいいと思っているんだわ。」
「実宇ちゃん。そんなの間違えよ!考えすぎだよ」
「じゃー、なんで私の気持ちに気付いてくれなかったの?」
「実宇ちゃん。泣かないで。今度から先生も気をつけるわ。だから保育園に戻ってきて」
「私の気持ち分かってくれる?私を守ってくれる?」
「うん。守るよ絶対に・・・」
「分かった、行くよ・」
5
「春川さん?大丈夫ですか?」
目が覚めた場所は病院。
「近所の人から連絡がありまして・・・。道に倒れてたそうですね?」
「えっ!そうなんですか?」
「保育園の先生がお酒で酔っ払って・・・」
「あぁ・・・。すみません」
「でわ、もう帰っていいです。」
次の日
飯塚 実宇は、保育園にやってきた。
「実宇ちゃんおはよう」
「おはよう、先生」
その日から、イジメはおさまった。
あれは、何だったのだろう・・
夢か、現実か・・・。
いまだにわからない・・・。




