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デウス=コード 〜オレが鋼で、キミが光で〜  作者: 熊野御堂


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第12話:冷たい穴


研究所からの帰りーー


今日は、怒涛の1日だった。

色んなやつに襲われ、よくわからない専門用語は叩き込まれ脳の処理が追いつかない。


体の都合上フラフラで歩くことはないが、精神的にはフラフラだった。


やっと家に帰り、玄関に座り込む。

夜なのに家の中は真っ暗なままだ。

それはそうだ…俺以外に家族は…両親はあの事故でもういないのだ。


今日改めて、半年前の事が脳裏に浮かんだ。

この半年間、訓練にガムシャラだったので俺だけが助かったのは、事実として受け止めてはいたもののどこか実感が湧かなかった。


しかしいざこうして、1人で家にいるとようやく実感として重くのしかかってきた。

まるで、胸の奥にポッカリと穴が空いている気分だ。


胸の穴へ冷気が入り、ひどく冷えていく。


この穴はどうやって埋めるのだろう?


誰か教えてほしい……。


思考が暗い方向へ巡り、感情が溢れてきて

張り詰めた糸が切れそうな時ーー


メッセージアプリの音が鳴り、

思考が現実へ引き戻される。

0時前だが、誰だろう?煉耀さんか?

とりあえず、アプリを開くと詩天からだった。


「深夜にごめんね。

改めて、復帰おめでとう。

夜に研究所来てたんだね。

鋼生なかなか来なかったから寝ちゃったよ…。

明日は、朝迎えにいくのでいい子で待ってるように!

おやすみなさい。」



さっきまでの気持ちが嘘みたいに、和らいでくる。少しの気遣いで、こんなにも救われる。

そうだ、いくら博士や煉耀さんがいても詩天だって俺と同じく、両親を失ってるんだ。

俺だけ落ち込んでなどいられない。


「そうだ、悲しんでいる場合じゃない」


自分に言い聞かせるように、呟く。

立ち上がり、電気を付ける。


これからの準備をしなければならない。

カバンの中にあるメモを探す。

探し当てたメモには携帯番号が書かれていた。



ーー朝。


ピンポーン。

玄関のチャイムの音が鳴る。


扉を開けると、そこには詩天が笑顔で立っていた。


「グッモーニン鋼生!迎えにきたぜ!」


朝からテンションが高い。

迎えにきてくれたのは、いつぶりだろう。


「迎えに来てくれるなんて珍しいな」


「確かに?普段は色んな部活の助っ人やってるからねー。でも、しばらくは一緒に登校してあげる!」


「してあげるんだ…」


これも復帰したての俺を気遣ってのことだろう。そんな気遣いに自然と頬が緩む。


「何にやけてるの〜?あ、そっか美少女幼馴染と登校できるから嬉しいじゃんね?」


「は?ちげーし。またこの呑気な顔が見れてホッとしてるだけだから」


詩天がムッとした顔になる。


「呑気ってなにさー!

私はいつも色々な事考えてるんだから〜!」


行くよと促されて、玄関を出て鍵を閉める。

昨夜は、気落ちしたまま入った玄関なのに、

今は晴れやかな気持ちで玄関を出ている。

本当に太陽みたいなヤツだと思う。


一方で、チラリと両手首を見ると昨夜、話に挙がった例のブレスレットをつけている。

これが、クイーンの拘束具?

見るからにただのブレスレットにしか見えない。

心の片隅で、嘘であってほしいと思いを巡らせているとーー


「そういえば、明日から三連休だけど鋼生時間ある?今度は街を回らない?」


後ろ向きで歩きながら詩天が話しかけてくる。

上目遣いで、こちらの表情を伺ってくる。

どこかそわそわしている様子だ。

三連休か…ここは、非常にきまずいがーー


「行きたいのは山々なんだが、

連休はちょっと予定があってさ。

悪いけど次の週にしてくれ…」


「えっ、ガーン。

鋼生予定あったんだ…駅前のスイーツビュッフェが期間限定で食べ放題だったのに〜。」


「だから、悪いって…。

友達と行って楽しんでこいよ」


太陽だと思っていた、笑顔が曇ってしまう。

せっかくのお誘いだが、今回は巡り巡って詩天の為でもある。内容は伝えられないが…。

しかし、罪悪感は否めなかった。


その後は詩天を宥めつつ、他愛のない話をしながら秋にしては珍しく暖かい陽気の中、2人で通学路を歩いて行った。




何事もなく放課後になり、

詩天が話しかけてくる。

「この後、私は部活の助っ人なんだけど鋼生は?」


後ろにはジャージ姿の生徒が何人かいる。

相変わらず、色んな部活に引っ張りだこにされているみたいだ。


身体能力は昔から高いからな…決して「クイーン」などとは関係ないと思う。

でも…そうでないとしたら?

思考が泥沼にハマりかけた時に声がかかる。


「鋼生?どうしたの?」


ハッと気づき取り繕いながら返事をする。


「あ、あぁ何でもない。

疲れてんのかな…俺はこの後少し用事があるからもう帰るよ」


「そうなのか〜。たまには見ていけば良いのに、というかやろうよ〜昨日のダッシュを見て確信したよ、鋼生もやればできる子だって」


なんだその言い方は…保護者か何かか。

そう心の中で思いつつ、帰り支度をする。


「また来週な」


「うん」


教室をでて、歩きながらスマホをチェックする。

昨夜にある人物へ、メールを送っておいた。

最初はなかなか返事が来なかったが、ようやく返事がきていた。


「よし」


鋼生は一度家に帰り、荷物をもってから昨日に詩天や煉耀達と歩いた駅前へ来ていた。

10分ぐらい改札前にある像の前で待っていると、目的の人物がやって来た。

その手には大きめのスポーツバッグがある。


「なんだよ、急に呼びつけやがって」


現れたのは宵宮夜斗だった。















































































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