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転生したら推しが魔王様になってた件~④三度の結婚式は大パニック!  作者: 銀文鳥


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第七章(5):披露宴から帰還


披露宴は、その後も和やかな雰囲気で進んでいった。


みんなからの温かい祝福の言葉、友人たちの賑やかな笑い声。すべてが、私の心を満たしていった。


エリアス様は巫女姿のまま、皆と談笑し、まるで庭の守り神のようだった。


カスパール君も、相変わらず少しぶっきらぼうながらも、ローゼリアちゃんとアルドロンさんと共に、その視線の端に確かに満足の色を浮かべているのが見て取れた。



宴もたけなわになった頃、ルシアン様が静かに席を立ち、皆の方へと向き直った。


庭のざわめきが、彼の存在感に引き寄せられるように、すっと静まる。



「皆様」


ルシアン様の声が、穏やかでありながらも、その場にいる全員の心に響き渡る。


「本日は、私たちのために、お集まりいただき、心より感謝申し上げる」


彼の視線が、一人ひとりの顔をゆっくりと巡る。


「私にとって、この地での縁は、計り知れない喜びをもたらした。佐倉剛殿、陽子殿」

ルシアン様は、父と母の方へ向き直り、深く頭を下げた。


「愛するセラフィナを、惜しみなく育て、私に託してくださったこと、この恩は決して忘れない。そして、貴方方の大切な娘を、私がこの命に代えても必ずや幸せにすると、ここに誓おう」

ルシアン様の真摯な言葉に、父はまた目頭を押さえ、母は感動で涙を流していた。

私も、彼の揺るぎない愛の言葉に、胸が熱くなるのを感じた。


「そして、この日を共にしてくれた、カスパール、ローゼリア、アルドロン。そして、健太郎、有紀。貴殿たちとの絆も、私にとってはかけがえのないものだ。エリアス、貴方には、この上ない祝福をいただいた。感謝に堪えない」

ルシアン様は、彼らにも丁寧に頭を下げた。


カスパール君は顔を背けたが、耳が真っ赤になっているのが見えた。ローゼリアちゃんは感極まって涙を拭い、アルドロンさんも静かに頷いていた。


「この素晴らしい日を、貴方方と共に迎えられたことを、心から嬉しく思う。本当に、ありがとう」

ルシアン様の言葉に、再び庭には温かい拍手と歓声が響き渡った。



本当に、最高にアットホームで、温かい結婚式だった。


私はルシアン様の手を取り、彼の隣で、心からの笑顔を皆に向けた。



ルシアン様がそっと私の耳元に唇を寄せ、優しい声で囁いた。


「セラフィナ、誕生日おめでとう。お前が生まれた特別な日に、こうして日本で夫婦になれたこと、心から嬉しく思う」


突然の言葉に、私は不意を突かれたように目を見開いた。

驚きと、彼の細やかな愛情への感動が胸いっぱいに広がる。


(うあああああああああ! ルシアン様が! 私の誕生日に! こんな最高の殺し文句を! しかも耳元で囁くなんて、反則すぎる! これが私の推し……! 控えめに言って最高!)


私の脳内は、再び「推し活」の興奮で埋め尽くされた。






披露宴が滞りなくお開きとなり、いよいよ異世界への帰還の時が来た。


父と母、そして健太郎と有紀が私たちを見送ってくれた。


帰還の場所は、ルシアン様祭壇のある私の部屋だ。



「花、寂しくなるけど、いつでも帰ってきなさいね」

母が私の手を握り、涙ぐむ。


「ルシアン様、花をよろしくお願いします」

父がルシアン様に深々と頭を下げた。


「ご安心ください。必ずや、彼女を幸せにいたします」

ルシアン様も、恭しく、そして力強く答えた。



「花! 向こうでも元気でな! あと、また面白い話があったら聞かせてくれよ!」

健太郎が明るく言った。

「次帰ってくる時は、連絡ちょうだいよ!」

有紀も笑顔で手を振ってくれる。


「うん! みんなも、元気でね! また、会えるから!」

私は涙がこみ上げてくるのを必死に堪え、精一杯の笑顔で手を振った。



「エリアス、頼む」


ルシアン様が告げると、エリアス様は巫女姿のまま、静かに部屋の中央へと歩み寄った。


「承知した」


エリアス様がそう言うと、私たちの勇者の宝珠が光を帯びて輝きだした。


私の腰に差した聖剣の紅い宝珠も、呼応するように熱を帯び、燦然と輝きを放つ。



「さあ、セラフィナ君」


エリアス様が優しい声で言った。


私は胸元から、大切に持っていたルシアン様のアクスタを握りしめる。


白亜の城での新たな生活、ルシアン様との日々を鮮明に思い描いた。


ルシアン様が私の手を繋ぐ。

強く、温かいその手に、未来への期待が膨らむ。



「それでは、また会う日まで」



エリアス様がそう言ったとたん、私たち五人――ルシアン様と私、カスパール君、ローゼリアちゃん、アルドロンさん――は、エリアス様の放つ眩い光に包まれ、一瞬のうちに白亜の城へと移動していた。



日本でも夫婦となった私たちの、新たな生活が始まるのだ。

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