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転生したら推しが魔王様になってた件~④三度の結婚式は大パニック!  作者: 銀文鳥


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第五章(2):桜舞い散る故郷へ


白亜の城での新たな日々が始まり、ルシアン様は日々の仕事から解放され、結婚式の準備に集中するよう促されていた。アルドロンさんとカスパール君が積極的に公務を代行し、「婚礼が先だ」とルシアン様を諭したからだ。



次に控えるのは、私の故郷、日本での挙式だ。


当初、私は一人で日本へ戻り、準備を進めるつもりでいた。だが、その話を切り出すと、ルシアン様は静かに私の手を取り、指を絡ませた。


「……セラフィナ。この件は、お前一人に任せるわけにはいかない……何より、お前と共に歩みたい。俺も同行するぞ」

その言葉には、彼の深い配慮と、私を一人にしたくないという静かな意思が滲んでいて、私は彼の提案を素直に受け入れた。


結局、日本での挙式も、ルシアン様と二人で行くことが決まった。


具体的なプランが固まったら、アルドロンさん、カスパール君、そしてローゼリアちゃんを日本へ招くことになった。


「あの、セラフィナちゃん、日本での結婚式には、私、何を着ていけばいいのかしら?」


ローゼリアちゃんが、少し不安そうに尋ねてきた。

以前日本へ行ったことはあるけれど、結婚式は初めてだから、文化の違いに戸惑っているようだった。


「大丈夫だよ、ローゼリアちゃん! じゃあ、アルドロンさんに調べてもらおっか!」


私がそう言うと、アルドロンさんはすでにインターネットに繋がった書斎のパソコンの前で、日本の結婚式の情報を熱心に検索し始めていた。

彼が以前、勇者の世界でも日本とインターネットが繋がるように尽力してくれたおかげで、こうしてすぐに情報収集ができるのだ。



「やっぱり、ウェディングドレスは着たいなぁ!」


私の言葉に、ルシアン様は静かに頷いた。


「俺の衣装については、お前に任せる。日本の婚礼に相応しいものを、お前が選んでくれればそれでいい」


ルシアン様の言葉に、私は嬉しさと同時に、彼の信頼を感じて胸が熱くなった。日本の衣装選びを任されるのは、最高の「推し活」だ!私はワクワクしながら、さっそくお母さんにスマホで電話をかけてみた。


「もしもし、お母さん? 日本での結婚式のことなんだけど……」


お母さんは私の話を聞くと、嬉しそうに声を弾ませた。


「あらあら、花、いよいよなのね! 和装も素敵じゃないかしら? 白無垢とか、色打掛とか、日本の花嫁は本当に綺麗なのよ。もちろん、ウェディングドレスも良いけれど、せっかくだから両方着てみてもいいのよ?」


お母さんの提案に、私は目を輝かせた。


「和装も! うん、お母さん、それもいい! ルシアン様にも似合うかな?絶対カッコいいよね! あ、そうだ、どうせなら私の誕生日、四月四日に結婚式を挙げられたら最高じゃない? ちょうど桜も満開だし! 故郷の美しい桜の下で、大切な人たちに見守られながら結婚式を挙げるなんて、最高かも!」

私は興奮して続けて言った。


その言葉を聞いたルシアン様が、静かに私の瞳を見つめた。


「四月四日……それが、佐倉花の生命が誕生した日か。お前の世界の暦では、特別な意味を持つ日なのだな」 ルシアン様の真摯な問いかけに、私は大きく頷いた。彼の世界とは異なる私の世界の文化や習慣にも、これほど深く関心を持ってくれていることが、何よりも嬉しくて、胸の奥が温かくなった。


「佐倉家の庭で、アットホームな結婚式にするのはどうかな? お母さんとお父さん、健太郎と有紀、そして勇者の世界の大切な人たちみんなに囲まれて」






―――ふと、日本の結婚式について思い出した。


「そういえば、日本では、結婚式に神様に誓いを立てる人が多いんです。神社、教会、お寺といろいろな形式があるんです。」


そう言いながら、私はルシアン様の方を見た。ルシアン様も私の視線を受け止め、私がエリアス様を「神様役」として考えていることを察したように、静かに頷く。


「エリアス様に、神様役をお願いしようかな……本物の神だけどね!」


だいたいのプランが決まったところで、私はスマホを取り出し、エリアス様に電話をかけた。


「エリアス様、もしよろしければ、日本での私の結婚式で、神様役をお願いできないでしょうか……!」


電話口から、エリアス様の朗らかな声が聞こえてくる。


『もちろんだとも! ルシアン君とセラフィナ君の門出を祝う大役、喜んで引き受けよう!』


こうして、日本へ行く準備が整った。


佐倉花の部屋にある勇者たちの等身大パネルは、私が持っていくルシアン様のアクスタを鍵として、異界への通り道となる。


一度開かれた扉は、エリアス様が同行すれば、残りの勇者たちも後から日本へ渡ることを可能にするのだ。


桜舞い散る故郷で、私たちの新たな誓いが刻まれる日が、もうすぐそこまで来ていた。




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