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『神獣戦記 -47の神と神獣の物語-』 ーぐうたらJK、世界を救うってマジ?ー  作者: 居間田 ねむ
第4章『神域巡行録・寄り道してたら冥界見えた件 ― 山梨・静岡編』
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第二十八節:封印って、押す?引く?それともぶっ壊す!?


昼下がりの森の中。メルは木の枝から枝へと軽やかに飛び回りながら、誰に言うでもなく叫んだ。

「いっくぞ〜〜〜!富士の奥義・封印スポット、突撃レポート〜〜!!実況はこのメルがお送りします!」


「勝手に始めるな!マイクどっから持ってきた!?」

 ミコトの全力ツッコミが入るも、メルはお構いなしに「マイクは持参!」と謎のセリフを放ちながら、枝から飛び降りた。


 その後ろで、狼のルウが、落ちた枯れ葉をちまちまと拾い集めている。

「……ウチ、なんか変な葉っぱ踏んだ気がする。呪いとかちゃうよな?」


「知らんがな!」とミコトが言いかけた瞬間、さらに後方から声が飛んだ。

「……その足元に眠るは、古より目覚めぬ龍神の爪痕——」

「キリ、今そういうテンションじゃないから黙ってて!!!」

 全員がそろって振り返ると、キリが黒マントをなびかせながら、うつむき加減にひとりポーズをキメていた。

「我が魂に宿りし闇よ……眠れ、今しばしの静寂を……」

 「うわ、出たわキリの中二詠唱!」とメルが後ろで爆笑している。

「……今の、"第二形態"の詠唱やからな。覚えとけ」

「覚えなくていいよ!」ミコトがピシャリ。


 一方で、冷静なミニャが前方の岩のくぼみに手を添え、瞳を細めた。

「……ここですね。“富嶽の井”の封印。確かに、これは通常の結界ではありません。何かが——中から、突き上げてきている」


 その言葉に、一同がようやく真顔になる。

 ミニャの声はいつもと同じやわらかいトーンだったが、その背後に漂う空気は、確かに一段、重くなった。


「……なあ、ミコト」

 ユキが耳を立て、低く問いかける。

「ここ、何か呼んでないか。お前の、言霊……うずいてるだろ?」

「……うん。たぶん、これ……あたしが、触れなきゃいけないやつ」

 ミコトは静かに結界の前へ歩を進めた。霊脈の気配は渦巻き、封印の紋様がかすかに赤く光る。


「でも、聞いておきたい。これって……押す?引く?ぶっ壊す?」


「『ぶっ壊す』に一票!」

「ウチもぶっ壊すに賛成〜!」

「壊すな!壊すな!!」

「"壊すことによって真なる姿を見せる"ってのも、アリやな……」

「お前は黙ってろ中二!!」

 そんなわちゃわちゃしたやりとりの中でも、封印の紋様は確実に明るさを増していた。まるで、封印の向こうで何かが“目を覚まそうとしている”かのように。


「……じゃあ、行くよ」

 ミコトは両手を封印へとかざした。言霊の力が、指先から淡く広がっていく。

 静寂の中に、風の音がひときわ強く吹いた——。


ちょっと短めですが、次節に続きます


毎日6時更新予定です。


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