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第7話 学年合同授業、開始

自室に戻り、俺はニマニマしながら封筒の封を切った。

この学園は普通の生徒は二人部屋だが、成績優秀者と寮長は個室という特典がついているため、どれだけ破顔させようが問題ない。

にしても、この封筒を手に入れるまでにかなりの時間をかけた。

まるまる二年使って勉強と睡眠の時間を削りに削ってインターンにまで行って手に入れたのだ。

勿論、それだけの成果は得られたが。


「何より、目先の問題は───」


───


「これより、学年合同授業を始めます」


これだよ。

校庭で無になりながらも適当に周りに合わせ、「はーい」と返事をする。

年に一度ある学年合同授業。

自由に他の学年と三人のチームを組み、薬草を集めて魔法薬を作ったり、モンスターを倒したりする実戦型の授業だ。

一年生では初の実戦となるため、誰と組むかが鍵となる。

まあ、三年の俺にはあまり関係ないことだが。


「取り敢えず適当な奴と組んどくか……」


正直、イケメン以外なら誰でもいい。イケメン以外なら。

去年は他寮の実験好きな奴らと組んだが、そこそこ面白かった。叫びすぎて喉は枯れたが。

今年もアイツらにするか?それとも……。


「おい」

「あ?」


突然制服を掴まれ、俺は振り返る。

そこにいたのは無駄に面のいい白髪の仏頂面な一年坊主だった。

何だこのヒーロイン並に失礼なクソガキは。下手したらアイツより失礼だぞ。


「お前、ルーファス・シャインだろ」

「そうだけど、誰だお前」

「俺はニコラス・ツララ」


ツララ、氷魔法のツララ家か……最悪だ、厄介な事になった。

ツララ家は氷魔法が得意な名門家で家格はうちと同じ侯爵家、とはいえコイツは長男。

つーか、だからこそあんな強気に絡んできたんだろうけど……。


「で?ツララ家の長男坊が俺に何の用だ?」

「俺と組め」

「はぁ?」


唐突な提案(……じゃねぇな、こりゃ命令か?)に俺は思わず顔を顰める。

仮にも人これが人に頼み事をする態度か?

とんだ我儘お坊ちゃまだ。


「初対面でどうして俺を誘う?」

「三年の首席、これ以上の誘う理由があるか?」


ねぇな。

コイツが成績上位者を目指すのであれば初対面だろうがなんだろうが俺を誘いに来るのはそこまで不思議なことではないかもしれない。

だがしかし。


「そうか。だが悪ぃな、俺はイケメンとは関わらねぇって決めてんだ」

「……は?」


ニコラスは面食らった表情で頭上に?を浮かべた。

頼むから誘うなら次席で実技トップのアイツあたりにしといてくれ。

こんな奴と関わるなんて御免だ。

逃げ出そうとした瞬間、俺の右手に誰かがしがみついてきた。


「ちょっと、ルーファスは僕と組むんだけど」

「ウィルフリート、お前!」


なんつーことしてくれるんだ!折角この横暴男から逃げるチャンスだったのに!

ニコラスは我に返り、ウィルフリートを品定めするようにジロジロと見る。

そうして、とんでもない事を言い始めた。


「お前、プロミネ家の……。いいだろう、お前も俺と組め。これで三人だろ」

「「はぁ?」」


いや、こっちはなんも良くねぇわ!

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