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第3話 これだからイケメンは!

今日のAランチはハンバーグ。プラス銅貨2枚でバーナーによって程よく溶けたチーズが載せられる。

Bランチは唐揚げ。おばちゃんが偶に1個プラスしてくれるのでお得感満載で実習後の腹を空かせた生徒に人気。

Cランチはクリームパスタ。しつこくないクリームが絶妙かつ入ってるベーコンが肉厚で美味い。

カフェテリアの方はオムライスらしいが、今日はガッツリいきたい気分だ。


やっぱ今日は唐揚げか。


今回の人生、俺の楽しみはなんと言っても食事だ。

前の時は焦りで食事の味なんて分からなかったが、心に余裕の出来た現在では毎日めちゃくちゃ悩む程に好きだ。

特に去年のインターン先の人に連れて行ってもらったバーのパフェが最高だった。

今年も是非推薦を貰いたいところだが、今から根回しでもしておこうか。


「後でアリシャさんに連絡するか」

「誰に連絡するって?」

「うぉ!」


突然背後に現れた人物に俺は思わず声をあげる。

背後霊の如くそこにいたのは幼馴染のウィルフリートだった。

入学式が約一ヶ月経った現在。

俺は時々勝手につけてくるコイツの相手をする日々が続いていた。

前は一週間もすりゃハーレム築いていやがったクセに。


「ちょっと、なんで逃げるのさ」

「今イケメン接触禁止令出してんだよ」

「大体君もイケメンじゃないか!鏡見てきた方がいいんじゃないの!?」

「何言ってんだお前」


散々親に見苦しい面だのなんだの言われてきた俺がイケメンなわけあるか。

イケメンだったらもっと家で優遇されてきたわ。


「もういいや……。でも、別に一緒に食べるくらいはいいでしょ。いいの?僕がぼっち飯してても」

「別にどうでもい……」


なんなら俺もぼっち飯だし。

そう言おうとしたところ、首根っこを捕まれ俺は引き摺られた末にコイツと飯を食うことになった。

俺より背ぇ低いくせしてどこにそんな力隠し持ってんだコイツ……!


───


「ここの食堂のご飯、美味しいよね」

「ああ。安いのが魅力だな」


結局二人で食べながらも、なんだかんだで穏やかな時間が流れている。

他の奴ならもっと抵抗するところだが、十年来の幼馴染だ。イケメンとはいえ気の緩みもあるだろう。

ちなみに同じ敷地内にあり、俺の去年のインターン先である魔法省の食堂はもっと美味い。

あと、カフェのアフォガートとかいうデザートが良かった記憶がある。

食べ物に脳内を支配されていた俺だったが、この数分後に起こるエンカウントのせいで気分が酷く最悪に落ちることとなる。


「あれ、ウィルフリートくん?」


嫌な声がした。

唐揚げを飲み込み、フリーズした俺は視線だけを横にずらす。

そこに立っていたのは俺の不幸の元凶であるサーロ……違う、シャーロット・ヒーロインだった。


これだからイケメンは!

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