前へ目次 次へ 11/32 (二)-9 その後を、衛守とほかの岡っ引きが追いかけていった。 左内は、それを見て、倒れている忠五郎のそばへ駆け寄った。忠五郎はもはや虫の息だった。しかし、左内の顔を見ると少しほほえんだ。そして最後の力を振り絞って言った。 「あいつです、頭領は。名は黒井右内……。昔江戸でもめ事を起こして逃げてきた剣豪です」 そして忠五郎は息を引き取った。江戸から流れてきた剣豪だとは……。 ともかく、谷川左内は黒井右内を首班とする野盗の後を追った。 (続く)