まさか面食いだった同僚がブス専になっているとは・・・でもなんか楽しそう
ネットの書き込みで彼女できないんだがどうすれば等の投稿をよく目にします。
でもよくよく話を聞いてみると、理想が高い(主に容姿について)だけなんじゃないかってことが多い。
1人でも多くの人間がブス専になれば、多くの人間が幸せに結ばれる。
それを願って書き始めました。
ちなみに私もそこそこの歳まで恋愛経験はありませんでした。
このままではいけないと思い、藁にもすがる想いで出会い系で出会ったブスと付き合いました。
顔のレベルとしては、クラスで1番ブスと言えるレベルの女性です。
大昔の自分だったら一緒に歩くのも躊躇うレベルだったかもしれません。
でも、驚くことに、付き合って好きになっていくと、その女性のことをブスだとは認識しなくなったのです。むしろ可愛いと思えていました。テレビにうつるアイドルや女優よりも可愛いと。まさしく恋は盲目というか脳内補正というものですね。
この経験を基に、今まで顔で女性のことを判断していたけど、それじゃあつまらないな、
ブスな女性もゾーンに広げて、人生を楽しく過ごそうと思えました。
今まで関係をもった女性は、一般的な基準では例外なく全員ブスでした。
でも、そんなこと気にしない方がいいぐらい、楽しい!のが事実!
人はついつい周りの目を気にして容姿レベルの高い女性を狙ったりしますが、
よほどハイスペックで競争率の高いところで闘い合える人じゃなければ
最初から、ブスと付き合った方が幸せになると思います。
そんな意味でのブス専の人が増えるといいなと思っています。
1人でも多くの人がブス専になって、恋愛して、幸せになれますように。
「はー、彼女ができないなー。誰とでもいいから一度付き合いたいよ。」
と、会社の休憩室で呟く。
俺は彼女いない歴=年齢の27歳だ。
そのうち彼女ができるかなと漫然と過ごしていたが、一向にできない。
そろそろ焦ってきている。
同僚A
「誰でもいいって言ってるけどさ、でもお前、面食いのままなんだろ?」
そう言うのは同僚のA。
「そりゃあ、そうじゃないか。ブスと付き合って何が楽しい?可愛い子と付き合うから楽しいんだろ。それに、お前だって面食いで彼女いない歴=年齢だろ。」
俺たちは会社に入社したてのころ、よく遊び、街コンや合コンに行っては可愛い子をゲットできるように遊んでいた。終了後の2人の反省会では、どうすれば可愛い子をゲットできただろうかと話し合うだけでなく、参加者の中にいたブスを思い返しては笑って、「あんなブスと付き合う男がいるわけねーよな、ガハハ!」と、酒を飲みかわす仲だった。
同僚A「いや、お前には言ってなかったが、実は3か月前に彼女ができたんだ。」
「え?」
「またまた嘘だろ。」
同僚A「いや、本当だよ。」
「証拠を見せてみろ!」
同僚A「仕方ないなー。」
そうしてスマホの画像を見せられた。
そこには、確かに同僚Aが女と楽しそうにうつっていた。
しかし、女はデブである。目が細くて鼻も低いなど、お世辞にも可愛くはない。
クラスでブスのワースト3に入るレベル。
「おい!嘘つくなよ!こんなデブスと付き合ってるのか、お前は?」
同僚A「相変わらず性格悪いなー。お前は信じられないかもしれないがそうだよ。
とはいえデブではないさ。165cm 60kgの標準体型だよ。」
「いやいや、女は50kg超えてたらデブ!って言ってたのはどこのどいつだよ!」
同僚A「そんなこと言ってた時代もあったかもしれないが、ネットで検索してみ、
165cmで60kgは標準体型付近だから。」
「・・・体型は分かったよ。でも、この顔はどうなんだ。」
「お前本当にこの顔の女とキスできるのかよ?」
同僚A「そりゃあ付き合ってるからな、デートの度にしてるよ。キスだけじゃなく泊まりもさ。」
「何だと・・・嫌じゃないのか?」
同僚A「おいおい嫌なわけないだろ。」
「弱みでも握られているのか?」
同僚A「握られてねーよ!そんなんだから彼女ができないし、童貞なんだよ!」
「はっ、こんなブスと付き合うぐらいなら一生童貞でいいし!」
とは言ってみるものの、正直、気になっていた。
今まで面食い仲間だったはずの同僚Aはどうやってブスと付き合えるように思えたのか。
「ちょっと、ひどいこと言ってゴメンな。」
「・・・ちなみに何でブスと付き合えるようになったんだ?」
同僚A「他人の彼女をブスっていうのは、やめた方がいいと思うぜ。まーでも、世間的に見ればブスだろうからそれはそれでいい。うんとな、このままじゃマズイと思ったんだよ。お前と一緒に面食いの話を咲かせているのもいいんだけどさ、このまま自分が彼女いない歴=年齢でそれこそ40歳ぐらいまでいった時のことを想像したら、さびしいんじゃないかと思って。」
「それで本当にプライドも捨てて、ブスでも誰でもいいからってなったのか?」
同僚A「大体合ってるけど、ちょっと違う。お前も昔の俺もだけど、ブスな女のことは視界に入れなかっただろ。」
「そりゃあ、ブスな女を見ても、得がないしな。」
同僚A「その視界を狭めているのを広げたのさ。だから決して誰でもいいわけではなく、
話してて楽しいとか、一緒にいて楽しいとかそういう基準で選んで付き合っているよ。」
「広げたら、あのブスが一番良かったのか?可愛い子ではなく?」
同僚A「ま、厳密に言うと、ゾーンを広げて、かつブス寄りに狙いを定めていたかな。もう最初から可愛い子は眼中に入れない感じにしてた。可愛い子はそれ相応のスペックがないと、付き合えない。分かるだろ?可愛い子には俺たちのような、いや俺たちを遥かに超えるスペックの男たちが群がっている。俺がそれまで恋愛経験があって、口説くことに自信満々ならそれもアリだが、現実そうではないからね!って自分を客観視したのさ。」
「つまり、なんだ、ブス専になることにしたってこと?」
同僚A「・・・なかなか正確に理解してもらえないようだが、ま、外の人間というかお前の理解としてはそれでいいよ。ブスの中でも誰でもいいわけじゃないんだけど、そんな理解で構わないさ。楽しく幸せに付き合ってるから、他人からブス専と呼ばれても痛くも痒くもない。それぐらい幸せだよ。」
「信じられん・・・。」
俺は話を聞いても、今までの面食い仲間だった同僚の変わり様に半信半疑だった。
とはいえ、自分の今後・・それこそ40歳とか50歳、60歳と考えた時に、一人でいるのはさびしいなとも思えてくる。
同僚A「それで最初に戻るけど、お前はどうしたいの?彼女作りたいの?作りたくないの?」
「・・・作りたいな。」
同僚A「ブスでも狙えるか?」
「・・・それはちょっと考えたい。」
同僚A「まーいいや、俺も最初はそうだったしな。よし、とっておきのイベントを教えるよ。」
そうして同僚AからのLINEでイベントのURLが届く。
「非モテ男子に送る! カリスマ恋愛講師からの熱きメッセージ! この内容を理解すれば今まで彼女ができなかった非モテ男子にも彼女ができる! 今までの参加者500名のうち実に70%以上がその後、彼女をつくっている! 参加費4000円」
「何だこれ?」
同僚A「お前が彼女を作る気があるのなら・・って思って知らせておくだけさ。別に無理強いはしないからさ。興味があるなら行ってみても、損はしないと思う。」
「お前も行ったのか?」
同僚A「ああ。行ったよ。それでマインドが変わって、彼女ができた。」
「おっと、そろそろ仕事に戻らないとな。」
先に出ていく同僚の背中を見ながら、俺は悩んでいた。
このイベントに行けば彼女ができるようになるのか。
いやでも、ブスと付き合わされるというか・・・ブスで満足するようなマインドになっちゃうんだよな。
俺もいったん仕事へ戻り、退勤後に考えることとした。
連載小説はなかなか完結まで持っていけない悪い習慣がありますので、苦にならない程度に、短く、まとめて何とか完結までいけたらと思います。一応、全年齢向けなので、エロいテクニックがあるブスとかは扱わないか、扱っても描写としては年齢制限にかからないようにしたいと思います。