僕の会長は二人っきりの時だけ甘えてくる
深夜テンションで書いてしまった。
寝ぼけてたので誤字脱字が沢山あるかも。
でも、まぁ、いいや!(っ˙ᗜ˙ )╮ =͟͟͞͞
♢生徒会室編
窓から夕日が差し込み、外のグラウンドから部活に勤しんでいる生徒の声が聞こえる放課後の生徒会室。
そこには全生徒会役員が揃っており、ピリついた空気が流れている。
「それでは、皆さんよろしくお願いしますよ」
会長の凍りついた声に他の生徒会役員は軍隊かと思わすほどハキハキとした声で「イエスマム!」と返事をした。
いや、だから軍隊かって。
全生徒会役員は会長の期待に応えるべく、すぐさま仕事のために生徒会室を出た。
否、書類決済の会長藤堂 紗倉とその補助の僕、牧原 優以外。
会長は他の役員が外へ出たことを確認すると、スッと立ち上がり、扉の方へ向かうとそこにもたれかかる。
そして、「やっと二人っきりになれたわね」と言うと扉の鍵をカチッと閉めた。
僕は「そうですね」とだけ言うと早く書類の仕事を終わらすために黙々と作業をする。
その様子にムスッとした会長は僕に近寄ると「かまってくれないと悪戯するぞ」とささやいた。
が、僕は断じて反応しない。
すると、会長は痺れを切らしたのか、
「もう、なんなん! 優くんは紗倉のこと嫌いになったん?」
「いや、別にそう言うわけではないですけど」
「じゃあ、イチャイチャしてくれたっていいやん。ずっと我慢してたんやから……」
「なら、仕事が終わるまで我慢してください」
「そんなん死んじゃうやんかーーー」
「死にません!」
僕の彼女さんはこの学校の生徒会長を務めており、成績優秀でスポーツ万能、そして何よりもクールで誰からも頼られる存在。
なのは、表の顔であってーーー。
二人っきりになるといつも会長はこんな感じになるのだ。
まぁ、可愛いんだからいいんだけどね。
僕が「早く仕事をしてください」と急かすと会長は涙目で上目遣いをしながらねだってくる。
「あかん? どうしても? 絶対?」
「はい、仕事が終わるまでは」
「そんなん皆んな帰ってきちゃうやんか! せっかく皆んなを外に出るように誘導したのに!」
どうやらこの状況は僕の彼女さんの策略によって作り出されていたらしい。
これを世の中では職権乱用と言うのでは?
「そんなことばっかりしてると疑われますよ」
僕が少し呆れた様子で言うと会長はどこか不安そうに見つめてくる。
「嫌いになった?」
「いや、別に嫌いになんかなりませんけど……」
むしろ、そう言う可愛らしいところが好きなんだけどね、と考えていたのは内緒にしておこう。
いくら会長が可愛くても仕事は進まないのでやる気を出さすために策をとることにした。
「そういえば最近近くにクレープ屋さんができたらしいですね」
「あー、あそこね。確かに美味しそうやな。一回食べてみたいわ〜」
僕はニコッと笑うと、
「そこに一緒にいきましょう。なので早く仕事を終わらしてください」
この言葉を聞いた会長は元気よく「うん!」と言うとニヤニヤしながら仕事を終わらした。
「クレープ! クレープ!」とキャッキャはしゃいでいたので「クレープ好きなんですか?」と尋ねると「クレープより優君と一緒に行けることが嬉しいんよ?」と言われてしまった。
思わず顔を赤くしてしまったのでそっぽを向くと「あっれれー?」と会長が僕の顔をのぞこうとするのだった。
ーーーやっぱり僕は自分の彼女に勝てない。
♢お家編
僕がお風呂から出てくると可愛らしい声が家で響き渡った。
「もー! 全然クリアできへんやん!」
どうやら僕の可愛らしい彼女がお風呂上がりにゲームをしているようだ。
申し訳ないが言ってしまうと彼女はゲームが下手だ。それも超のつくほど。
「どうしたんですか?」
体からまだ湯気がでている状態で僕はヒョイっとゲーム画面を覗き込んだ。
すると、どうしたものか。
あの有名なマ○オの一番初めのステージで殺人キノコに当たって死んでいる。
「なんなん、これ! 無理ゲーやん! このキノコおらんかったらクリアできるのに!」
いやいや、そういうゲームなんだよ。
あまりにも必死にゲームをしているものだから笑ってはいけないと思うのだが、思わず微笑んでしまう。
タイミング悪く僕の方を向いた彼女が「むぅ」と拗ねてしまった。
「会長、それ、幼稚園児でもクリアできるステージですよ?」
ちょっと意地悪な僕の言葉に怒ってしまったのか「これくらいできるしな!」と言ってゲームに集中してしまった。
ここまで下手な人は初めてみたが、そんなところも可愛いなと思う。
ふと、会長の髪がまだ濡れていることに気がつき、「乾かさないと風邪をひきますよ」と言っても「それどころじゃないもん!」と返されてしまった。
「はぁ」と僕がため息をつき、しばらくするとゲーム機を床に置いてプルプルと震えている彼女の姿があった。
「優君が邪魔するから死んだやんか!」
いや、会長のプレイスキルがド下手なだけでしょ。
「罰として紗倉の髪の毛乾かして!」
「あー、はいはい。分かりましたよ。会長」
「会長じゃなくて紗倉って呼んでや。二人っきりの時くらいいいやん。それに敬語だって……」
どこか申し訳なさそうに言う会長。いや、紗倉。学校ではズバズバ自分の意見を言う紗倉もこう言う時に限って弱気になってしまう。
まったく、学校とは別人みたいだ。
「分かりましたよ、かい……」
「(キッ)」
怒った姿も可愛いのでもう一度会長と呼んでやろうとすると、睨まれてしまった。
「僕が悪かったよ、紗倉。大好きな君の怒った姿も可愛くてついつい」
「むぅ、優君意地悪やー」
ムスッと拗ねてしまった紗倉の髪の毛を僕はドライヤーで乾かす。
すると、しばらく黙っていた彼女が少し後ろを向いて「ニッ」と笑うと、
「紗倉も優くんのそういう優しいところ、好きやで」
「っ!!!?」
あまりにも急だった言葉に髪の毛を乾かしていた手を止めてしまう。
紗倉に「どうしたん?」と聞かれたが可愛かったからなんて答えられるはずもない。
どうして僕は毎回不意打ちカウンターをくらってしまうのだろうか。
♢浮気の疑い編
会長を務めている私、藤堂 紗倉には彼氏がいる。それは同じ生徒会の優君。
そんな優君が最近おかしい。他の女の子とは喋っているのにも関わらず、紗倉にあまり構ってくれない。
怪しい。
「これ、絶対浮気や」
「え、え? どうされましたか、会長」
同じ生徒会役員である生徒にポロっともらしてしまった言葉を聞かれてしまい、動揺を与えてしまった。
あかんあかん、ここは落ち着かないと。
「いえ、何でもありません。気にしないでください」
「は、はい!」
ここは学校であり、周囲の目がある。絶対に気を抜いたらあかん!
それでも、怪しい行動をとる優くんには勝てないわけであってーーー。
そこで思い切って先程の役員に相談をしてみることにした。
「あ、あの。も、もしですよ?」
「はい!」
「つ、付き合っている彼氏が自分に構ってくれなくて他の女の子とばっかりは、ははは話していたら、ど、ど、どう思いますか?」
いや、あかん! 考えるだけで動揺しすぎて上手く喋れへんやん! 手に持ってるペンも机に当たってガンガン言ってるし!
「そうですね、私だったら浮気だと判断しますね」
「へ、へー、そうですか」
うわぁぁ、優君浮気しとったんか! 絶対浮気やん!
「あっ、でも」
何やら補足説明をしようとする女子生徒。何を言うつもりなのか検討もつかない。
むしろ、自分の彼氏が浮気しているということが脳裏に浮かんでしまう。
「安心してください、会長。牧原君は浮気してませんから」
「へ?」
ニコッと笑う女子生徒。
「そ、そそそそそれはどういう!?」
「まぁ、私からは言えませんけど、楽しみにしててください」
え、なんなん。めっちゃ気にならねんけど。浮気じゃなかったら何!? 紗倉のこと嫉妬させたいとか? そんなん四六時中してるわ!!
あれ、ていうか、何で紗倉が優君と付き合ってること知ってんのかな?
結局どういう事なのか分からずトボトボと自宅へ帰り、ベッドにだいぶしてしまうとそのまま寝てしまった。
しばらくして目が覚めた紗倉はまだ眠い目を擦りながら起き上がると机に置いてある箱が目に入った。
何かと気になり、恐る恐る開いてみると中にはピンクのクマのぬいぐるみに誕生石のネックレスが入っている。
「わっ、可愛い!」
誰が置いたのかは考えるまでもない。私は勢いよくリビングに向かい、夕食の準備をしていた優君に抱きついた。
「ありがとう!」
「わっ! ちょ、危ないですって!」
料理中に抱きついたら危ないだのどーたらこーたら言っていたけどそんなのはお構いなし。
だって抱きつきたくなったんだから。
この時、ようやくあの女子生徒の言っていたことが分かった。
ーーーやっぱり、紗倉の彼氏には勝たれへんな。
♢帰宅編
「はい、では今日の生徒会はこれで終わります」
会長の号令によって今日の生徒会が終了する。ほとんどの生徒が各自帰宅しようとしている中、会長が僕の元へやってくる。
「優君、いつもの場所で集合な」
会長のささやきに僕ははっきりと答える。
「いえ、今日は先に帰ってください」
「何で?」
「今日は用事があるんで」
「ふーーん」
僕に向けられる冷たい視線。何か怪しまれているような感じだ。
だけど、許してほしい。会長に「女の子から呼び出しされました」なんて言えるわけがない!
あまり勘ぐられないように、カバンを持ってその場からサクサクと出て行く。が、袖を掴まれた。
「あんま、遅くならんといてな」
うっ! 可愛い。
上目遣い。そして袖を掴む。この動作を振り払える男がこの世に何人いるのだろうか。
「大丈夫ですよ、会長。すぐ終わりますんで」
「じゃあ、ついてくもん」
「へ?」
いや、それはダメだ。流石に女の子に呼び出しされてることがバレてしまう。別に会長を裏切ろうってわけじゃない。
呼び出ししてきた女の子にはキッチリと断るつもりだ。だが、女の子に呼び出しされたなんて知ったら……
ーーーよし、そのメス消してくるわ
うわぁぁぁ、絶対だめだ! その女の子の命に関わるぞ!
よし、ここわやんわり断ろう。
「大丈夫ですよ。すぐ終わりますんで会長は待っててください」
「いや! ついてくもん」
「いや、その、ちょっとそれは……」
「え、女? もしかして浮気してんの?」
あっ、ちょ、会長目怖いっす。殺し屋みたいな目してる。やばいやばい。
会長が僕の手をギュッと握った。
「あれ、か、会長!? ちょ、ちょちょ、痛い痛い痛い」
だんだんと握る力が強くなってきて手に痛みが走る。
やばいやばい、怖い怖すぎる!
「違いますって! 浮気なんかするわけないじゃないですか!」
「うーーん、分かった。優君信じてるから待ってるね」
「あっ、はい。ありがとうございます」
ーーーーーー
女子生徒の告白をキッパリと断った僕は会長の待つ裏門まだ向かう。だいぶ時間が経ってしまったけどまだいるだろうか?
「あっ、優君!」
「会長待っててくれたんですね」
「当たり前やん。待つに決まってるやん」
先程までとは違い、待たせたのにも関わらず機嫌がいい会長。そんな彼女は「なぁ」と言うと僕の少し前にでた。
「告白されたんやろ?」
「な、なんでそれを?」
「聞いちゃったわ、こっそり」
普段なら怒るはずの会長。しかし、その声のトーンはどこか弾んでいた。
そして、くるっと僕の方に振り返ると、
「優君、紗倉のこと好きすぎやろ」
「っ!!!」
告白された時、僕は会長への愛をひたすら語っていた。だから、告白してきた女の子は諦めたのだ。
まさか、会長に聞かれているとは。
「「僕はこの世の誰よりも会長が好きなんだ」やっけ?」
僕の言葉を復唱する彼女。生暖かい風によって、長くて黒い髪の毛がなびいている。
自分のセリフを復唱されてしまった恥ずかしさと、会長への愛しさで顔が林檎のようになってしまう。
だけど、今だけは……何もかも夕日のせいにしてしまおう。
会長は綺麗な夕日をバックに近寄ってくると、僕のネクタイを引っ張って、
「紗倉も誰よりも優君が好きやで?」
そう言うと、この世で一番可愛い僕の彼女は唇に、
ーーーキスをした。
どうやら、僕は彼女に勝てないらしい。
面白かった、キュンときたよ、まぁ、目にかけてやるよって方!是非、ブクマとポイントをよろしくお願いします!
良かったよって言う感想でも構いません!
よろしくお願いします!
あと、良ければ何編が一番良かったか教えていただけると嬉しいです!