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5 感覚の相違
モナリザに欲情はしませんが、下品な言葉が出ます。ご注意ください。
「あれは青だよ」
「いいや、緑だね」
「えー、私は竜の子どもだと思うなー」
「何を言ってるのか……口の大きな大臣だろ」
「後ろめたいからってそんな言い方はないじゃない」
「嘘だよ、それは嘘だよ」
「真はボート」
「だうと」
「そんなこと言って、あんたはまた野菜を残しているじゃん」
「鋭利な逃避なのだ。我慢したまえ」
「五月蠅いぞハエども。たかるのは野に放たれたソフトクリームだけにしたまえ」
「なぁーにが芸術品だ。ただの糞じゃないか」
「生きとし生ける者全て捻りだすものだぞ!」
「妄想はそれくらいにしてほしい。あれは誰が何と言おうと、お星さまだ」
「おいなりさんは股間に隠れています」
「下品な……。君達には品性というものがないのかね? あれは、そう、希望だ。空に輝く黄金なのだ」
「ポエマーは黙ってくれないか。今、バスト占いの途中なんだよ」
「戯言はそこまでだ。暗殺者がこちらを見ている」
差し迫った問題は、あれが誰の目にも違うものに映ってしまうという事だ。