一章 冒険者になるまでその3 冒険者になるための下準備
服屋で肌着と旅人風の服を2着買った大銀貨1枚だった。
店のその場で着させてもらったが、びっくりされてしまった。
服を装備できたので気になっていた所に向かうことにする。指輪からの知識でこの世界には魔法があることが解っている、魔法を覚えるには自力で習得する以外にスクロールなどによっても、習得できるようなので魔法屋さんに行ってみようと思う、得に生活魔法の浄化は風呂の無い世界に置いて必須といえるので何が何でも習得しておきたかった、それに剣を初日に奪われてしまったので簡単な攻撃魔法などもあれば、是非習得しておきたい、魔物はまだ実物を見ていないのだけれど、できれば始めは近接戦闘より遠距離で戦いたい。
もっと魔女の家みたいなのを想像してたけど、魔法屋さんは思ったより普通の建物だった、それだけこの世界に置いて魔法は一般的なものなんだろうな。店に入ると壁にスクロールが並んでいる。
「いらっしゃい」
店員さんが出てきてくれた、ローブを着たお姉さんだ、とんがり帽子かぶせたらまんまイメージの魔法使いって感じだな。
「生活魔法を覚えたいと思ってるんですが、いろいろ見せてもらっていいですか?」
「生活魔法でしたら、点火・飲水・乾燥・浄化とありますね、どれも大銀貨1枚です」
うーむ、結構かかるな自力で使えたりしないんだろうか?
「自力で家庭魔法使えたりしないんですかね?」
「家庭魔法って複合魔法なんで覚えるの大変なんですよね」
「一般人にも使える魔法なんですよね?」
「魔法使いが研究して調整したうえで術式にしていますから。今では、需要も多いので一般にも出回っていますが、昔は、高度な魔法だったんですよ、ですので一から習得するってなるとかなり難しいですね」
「じゃあ浄化魔法のスクロールいただけますか、それと初級の攻撃魔法も見せてもらっていいですか?」
「初級火魔法のスクロールで金貨1枚、ファイアボールだと大銀貨2枚ファイアランス大銀貨4枚、水・風・土でも一緒ですね複合属性の雷・氷だとこれの10倍します、闇・光だと30倍です。全属性中級だとさらに10倍で上級だと100倍です。」
「高い!そんなにするんですね、でもお金さえ払えばあらゆる魔法が使えるって事ですか?」
「極大魔法や固有魔法以外はだいたい術式になってるんで世の中のほとんどの魔法を覚えることはできますよ」
「覚えることはできる?」
「知ってるのと使えるのは別問題なんですよね、第一にレベルが低いと魔力制御も魔力の総量も低いので中級魔法ですら制御するのは難しいですね、上級以上だと使用すらできないです」
そんなに都合よくは無いって事か、俺には《詳密》スキルがあるからとっかかりのスキルさえ取得できればその先は全部覚えれるってのはかなりお買い得だな。
「初級を覚えてその先は自分で覚えていく事もできるんですよね?」
「それも可能ですけど才能ある人が何年もかかって覚えていくものなので、複数の属性を使おうと思うとやっぱり買って覚えるしかなくなりますね」
お金が心もとないけど、とりあえず浄化スキルと初級一個位は買いたいな、今日の宿も考えるとギリギリだけど・・・
「じゃあ浄化スキルとファイアボールをお願いします」
「はい、ありがとうございます。スクロールは読み上げるだけですけど、お客様はお読みになれますか?」
「大丈夫です、ありがとうございました」
店を出て次は冒険者ギルドに向かい登録料を支払った。
「登録は完了しましたが、依頼を受けて行かれますか?」
「今日の所は、依頼表だけみて明日から活動していこうと思います。それであのギルドおすすめの宿ってありますかね?」
「宿でしたらギルド推奨の宿がありますよギルド員割引もありますので、ご予算はどれくらいでしょうか?」
「食事込みで小銀貨5枚なんですが・・・」
「うーーん、結構ギリギリですね、フィオレットの宿なら駆け出し冒険者に融通してくれるかもしれません」
「そこに行ってみますね」
道を聞いて依頼表だけ確認してから行ってみよう。
もう午後を回っているので依頼は幾分少ないのかな、常駐依頼の薬草採取やゴブリンの討伐なんかがある
こういうのからやっていこうかな、でも薬草って《鑑定》無い人はどうすんだろ?でも一個づつ鑑定かけるのも面倒だなと思うし、うーん、明日に備えてちょっと聞いておこうかな。
「すいません、薬草採取の依頼についてなんですがちょっと教えていただいていいですか?」
「あれ?ハヤトさん今日依頼受けられるんですか?」
「明日に備えて予備知識を入れておこうと思いまして少し宿に入るには早そうですし」
「そうだったんですね、薬草に関しては、ギルド2回に資料室がありましてそこに薬学の本がありますから、そちらを参照してもらえますかね冒険者であればいつでもご利用できます持ち帰りはできませんが」
お礼を言って早速資料室に行ってみる、広くない部屋に机と椅子だけ壁には数冊の本だけしかない、司書らしい人が入口のすぐ横で椅子に座って本を読んでる、そんなに本は多くないけど司書置くってことは本は貴重なんだろうか、活版印刷とか無いのかな紙自体も木材から作るのはまだなんだろうな。
「資料の閲覧でしたらギルドカードを提出していただきます、本の持ち出しは禁止ですので部屋を出る時にカードを返却いたします。資料の閲覧はそこの机でおこなってください」
ギルドカードを司書さんに渡しながら聞いてみる。
「わかりました、薬草に関する資料ってどれになりますか?」
「薬草でしたらこちらになります」
本を一冊受け取ってお礼を言ってから机に向かって本を広げて読んでいく手書きで挿絵も入って細かくかいてある、これは高いだろうな。
本を読むにあたって初めてスキルが役にたった《瞬間記憶》である、あ○きパンも真っ青の一瞬で覚えていけるし腹も壊さない、パラパラと本をめくり色々な薬草や毒草、薬制作なんかも記憶に刻んでいく本を閉じるころには、
《スキル 初級薬草学を取得しました》
アッという間にスキルも取得できたし他の本も見てみようかな
「薬草の本以外で何かおすすめの本ありませんか?」
「あれ?その本はもういいんですか?」
訝し気な目で司書さんが見てくる。
「明日採取予定の薬草は確認できたんで大丈夫です」
「そうですか、でしたらこちらのモンスターについての本など、どうでしょう討伐証明部位や解体の仕方等ものっているので冒険者を続けていこうと思われているなら、必須です昇格試験でもでますからね」
「それはいいですね!ぜひ読ませていただきます」
その本を広げてまたパラパラとページを捲っていくさっきはちょっと早すぎたので少しゆっくりと《瞬間記憶》で覚えていく、
《スキル 初級モンスター知識を取得しました》
よし、スキルも増えたしそろそろいい時間だし宿に向かうか。
「ありがとうございました本返却しますね」
「はい、そしたらこちらギルドカードです」
今日できることはもうやったし疲れてしまった、宿泊れたらいいなぁ・・・
読んでいただきありがとうございました (o*。_。)oペコッ