一章 冒険者になるまでその2 裸一貫からのスタート
パンツ一丁で路地裏とか完全に変質者です。
このまま、ここにいてもどうしようもないし、しょうがないここは必殺技をだすしかない。
「開き直る!!」
そうと決まったら早速行動だ!眠さのせいで後回しになっていた冒険者ギルドで身分証を作って、城門でお金返してもらおう、全財産盗まれなくてラッキーだったな。
ここは堂々としていよう服は馬鹿にはみえない感じで行こう、そう俺は服を着ているんだ、覚悟を決めて飛び出そう。
《スキル 精神耐性を取得しました》
そして今ここである衛兵の詰め所、交番みたいな所だろうか、いかな異世界といえども朝からパン一で往来を闊歩する事は許されていなかったようである。
「すいません、ごめんない、ゆるしてくださいぃいい」
「お前いくら何でもそんな恰好で町歩いて捕まるにきまってんだろうが!」
「田舎から出てきてこの町初めてなんです、身ぐるみ剥がされたんです、どうしようもなかったんです」
「ちょっと可哀そうではあるけど私らも仕事だからなぁ」
ここは羞恥を捨てて泣きすがるしかない。
「勘弁してくださぃぃい、冒険者ギルド行って身分証さへ作れたらお金戻ってくるんですぐ服買いますから」
「ああ、お前保証金預けて入ってきてるのか解ったよじゃあこの水晶触ってくれるか」
水晶に触れるが変化はない
「犯罪者では無いようだし朝でまだ人もあんまりいなかったから今日は不問でいいが、以後気をつけろよ。
後この古いマントやるからそれ羽織っていけ流石にそのままで町に戻すわけにいかんからな。くれぐれも町中でマント取るなよ」
なんて失礼な、俺は服着てるつもりで歩いてたっていうのに変態扱いするなんて。
「ありがとうございました、この御恩は忘れません」
「ギルドはここ出て真っすぐ行けばでかい看板出てるから解るはずだ、気を付けてな、犯罪に巻き込まれんなよ」
マントを装備して町に繰り出した、うううマント臭い・・・
ギルドはすぐに見つかった、パンツ一丁に裸足でマント一枚はおった状態、テンプレの絡まれ展開は避けたいな。
でかい建物の扉を開けると目の前にはカウンターが見える、三人の職員がそれぞれのカウンターの中に立っているので一番近くのおじさん職員に声を掛けてみる。
「ギルド登録したいんですけど、こちらでいいですか?」
「はいそうですよ、こちらの用紙にご記入いただけますか。代筆も行っていますが」
「いえ大丈夫です」
とりあえず名前と歳と職業ってどうしよう?
「職業ってどうしたらいいですか?」
「空欄でもいいですよ、PTを組まれるときに重要になるんですが後でも登録できますので。」
じゃあ後回しでいいか
「書けました」
「でしたらこちらの水晶に触れていただいてから、こちらの装置に指を置いていただけますか、チクっとしますからね」
言われたとうりにするとカードを出してくれた
「登録料が小銀貨5枚になります」
「すいません今持ち合わせないんですが後払いとかできますか?」
「できますが登録料の支払いが終わられないと正式登録できませんのでこの町以外ではカードの使用ができませんがよろしいでしょうか?」
「はいそれでお願いします。」
「それではギルドの仮登録が終了しましたのでこちらがギルドカードになります、このカードで身分の証明やお金を預けたり提携の店でカードでお支払いしたりもできますので、無くされませんよう気を付けてくださいね、再発行は大銀貨5枚かかりますので。冒険者ギルドの説明は聞いて行かれますか?」
「お願いします」
その後ギルドの説明を受けた、冒険者にはランクがありGからSSSまであり、Dランクからは昇格試験がある、自分のランクより一つ上と二つ下までの依頼を受けることができる、Gランクは一週間に一度は必ず一つ依頼を受けなければ登録を抹消され、理由によってはその後登録できなくなる。ギルドは世界をまたにかけた組織であり他国でもカードは使用することができる。ギルドランクが上がると指名依頼や強制招などもあり断り続けると理由によってはランクが下がったりギルド資格が剥奪されることもある、ギルド員同士のもめ事は基本ギルドはノータッチだが、もめ事や問題行動が多い場合は処分されるらしい。
「説明ありがとうございました」
「それではハヤト様の冒険者としての未来に幸福があることを祈っております」
とりあえずダッシュでギルドをでて町の入口に走った、テンプレを起こしてなるものか今絡まれるのは嫌すぎる。そんな時に限って人にぶつかってしまうなんて・・・
「すいません すいません すいません」
「いえ、こちらも余所見していたんでそんなにあやまらないでください」
あれ、普通ここはどこに目つけとんじゃパターンのはずが。
「どこかお急ぎだったんじゃないですか?」
なんていい青年なんだ!なんか鎧着て騎士様って感じでかっこいいしなんかオーラがにじみ出ている!
「あっはい城門の詰め所に用事がありまして」
「でしたら私もご一緒しましょうか、こちらの道を進むより向こうの大通りからのほうが早いですよ」
あえて裏道ダッシュしてたのに・・・まぁいいか土地勘無いしこんな立派なナリして昨日のおっさんみたいに騙して来たりしないでしょ。
「田舎から出てきたばかりで道も解っていなかったので助かります。私は冒険者志望のハヤトと申します。」
「それはよかったです、私はこの町の騎士団所属のヴァレインと申します。それでは参りましょうか」
ほどなく詰め所に到達できた。
「ヴァレイン殿!どうかされましたか?」
詰め所の兵士さんが驚いてる、やっぱヴァレインさんって偉いんだろうな。
「こちらの方が、詰め所に用事があるそうなので案内して来たんですよ」
「あの冒険者ギルドでカード作ってきたので昨日の保証金の返却に参りました」
「それではこちらへどうぞ」
「私はここで戻らせていただきますね」
「あ!ヴァレインさんありがとうございました」
そう言って頭を下げると彼は微笑みながら手をふって去っていった、イケメンは絵になるがちょっとイラっとするのは何故なんだろう・・・
手続きを終えて金貨が帰ってきた、よかった。兵士さんに服屋さんの場所を聞いて早速服を買いに来た。
読んでいただいてありがとうございました (o*。_。)oペコッ