第2星「神々の呟き」
第2星「神々の呟き」
スカイゴッドヲォールワールド……。
ーー天上の国ーー神々の異空間居間ーー。
「我が君創生王ゼウス様。報告があります。」
一人の美しいニンフ(妖精)が、天上の国へ舞い戻ってきた。
「入りなさい。」
固く閉じられた頑丈な扉の奥から
ドスの効いた声でもない、どこか謎の威圧感を感じさせる低い声が響き返った。
ニンフは一瞬身動ぎするも、静かに扉の中へ入る。
そこにいたのは、『気高き老人』創生王ゼウスの姿。
片手には創生王の証である『創生の翼杖』を持っている。
ゼウスの額には、消えない『炎黒の翼』の模様があることから、彼自身が『全能の神』であることをものがたっていた。
「ニンフよ。そなたの報告を聞こう。」
「はっ!天制裁御員天馬様の行方が分からなくなったとのことです。」
ゼウスは目を細めた。
「私が目を背けている間に、あやつに何があったというのだ。」
ゼウスは頭を悩ませた。
ふと下界へと繋がる『鏡の窓』をゼウスは覗き見てみるも、
探している人物は未だに見つからなかった。
「しばし様子を見よう。あやつの事だ。べレポローンかペルセウスの元に行っているのかもしれん。」
ニンフは頷くと、自分の持ち場へと帰っていった。
(………………何処にいるというのだ。シェアトよ。)
ゼウスは鏡の窓を疑視するも、そう願うのだった。