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双子  作者: 豆太郎
1/2

前編

私たち双子が育ったのはお城だった。




遠い昔。


小さな頃の話。




小さい頃住んでいたお城には人がたくさんいて、やさしいお父様とお母様がいた。

きらきらしたお城の中で、きらきらした服を着て、きらきらした日々を過ごしていた。



妹は泣き虫で、転んだだけですぐ泣くような子だった。


いつも私が、慰める。




それを見たお母様が、私をほめてくれるから。



お母様の笑顔を見ると、妹だってすぐに泣き止む。


私たちは笑顔で過ごしていた。




あの日までは。






その日は嵐だった。

雨の音、風の音、雷の音、光、すべて覚えている。



お父様は嵐のせいでかえってこれないと連絡が入った。



お母様は私たちを悲しませないように、手料理のごちそうを作ってくれた。

たくさん、作ってくれた。



私たちは食べなかった。

お父様が帰ってくるまで、食べたくない、って。



あの時なんで食べなかったんだろう。



思い出すと後悔しか残らない。





その日、お母様が殺された。





理由は今考えればいくらでも考えられる。


でもあの時は、ただただわからなくて、恐怖しかなかった。




突然の暗闇、悲鳴、雷。




部屋の隅の机の下。

私たちは二日間そこにいた。




見つけてくれたのは、お母様でも、お父様でもない、知らない大人。




それから数日たっても、私たちの前にお父様は素顔を見せることはなかった。



お母様の後を追っただとか、いろいろ噂されていたけど、私たちからすればはた迷惑な話。

お父様は、私たちを見捨てたんだ。


そう、理解した。





妹は泣かなかった。



あんなに泣き虫な子が、一滴も涙を見せなかった。





なのに、なんで。





こんなにも涙があふれるんだろう。





悲しくも、なんともない、はずなのに。


なにがかなしくて。



なにが悔しくて。




私はなんで泣いてるんだ。





泣いてる自分に、また涙がこぼれた。




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