8.エクソシスト、まったりする
この間は、とても酷い国に行った。
さすが異世界、恐ろしい所!
国の中に入ると出番も役目も全くない私とミリアさんは道中、魔物たちを八つ当たり気味に蹴散らして行った。
それを面白くなさそうに見ている女王様。
女王様は不満な様子ですが、ここは諦めてもらうしかない。
そして、来たユルー国は先日行った国とは打って変わってとても綺麗な国でした。
街中の清掃が行き届いているという感じだ。
これなら、宿屋もレストランも期待できそう。
程よい運動をしてお腹がすいたので、レストランに入ろうと思う。
私とミリアさんと女王様は、レストランから出る芳しい匂いに引き寄せられていって、周りの様子を見ずにレストランに入って行った。
「久々にまともな食事ですね」
「野宿にまともな食事がない国に、そしてまた野宿だったわね」
「さすが、美食の国と言われるレストランが出す食事だね」
なんと言うか出てくる食事は、口に入れたと思ったらあっという間になくなる。いつ、食べ物を口に入れたのか分からなくなるくらい美味しい。
お腹も膨れて、街の散策をすることにした。
さっきは美味しそうな食べ物の匂いに意識が集中しすぎて気付かなかったが、この国の人たちは太めの人が多い。
やはり、美味しいものばかり食べているせいだろう。
それに、時間がゆっくり過ぎているように感じる。
話し合って、今日は宿屋でゆっくりのんびり休むことにしようということになった。
かの国では宿屋では休む所なのに休んだ感じが全くしなかったしな。
次の日、フワ―教会に行くことになった。
教会に着くと、教会の人たちは一心不乱に敷地内の掃除をしていた。
そして、神官さんは私たちを見て
「お久しぶりです、シスター・ミリアリア。はじまりの教会の神官長はお元気ですか?」
「もちろんです、ノービィ神官。神官長は、まだまだ現役だと言って近くにいる魔物たちを容赦なく蹴倒しています」
「それはすごいですね。うちの神官長は今日も腰が痛いとぼやいています。お連れの方は?」
「聖女様と異世界の神の御使い様です」
ミリアさんがそう言うと、ノービィ神官さんは崩れ落ちていた。
「とうとう、とうとう、この世界の神は罪を犯したのですね」
ノービィ神官はマジ泣きしていた。
「えぇ...」
ミリアさんは何とも言えない顔をして同意した。
「あれ?まりあさん、いつものは?」
「えっ!?えぇ、そうだったわね。この国の雰囲気が、私の最重要な仕事を忘れさせていたわ。いつもよりやる気が出ないけど言ってくるわ」
「はい、いってらっしゃい」
いつもより、重い足取りで女王様は教会の中に入って行った。
「大丈夫かい、まりあさん?」
「多分...」
ノービィ神官は、放心状態になり体育座りをしている。
数時間後に、戻って来た女王様はスッキリした顔をしている。
「お疲れ様です、まりあさん。いつもより、遅かったですね」
「それは言わない約束よ、エミリー。調子が出るまで時間がかかったのよね」
「じゃあ、今日はあたしのおススメのレストランで遅い昼食を取って休むかい?このゆったりした空気の国じゃ、お約束の王城に行こうという気が起きないよ」
「そうですね」
「なんか、今日は疲れたわ」
そして次の日、王城に行った。
次の日にしたいが。
女王様は、王様への面会を求めた。
お忍びでも、聖女として国に行ったのなら、その国の王様に挨拶に行くのは当たり前のことなのだ。
当たり障りのない挨拶をして、王様と国の重鎮たちが聖女と話し合いたいから、私とミリアさんに席をはずして欲しいと言った。
何かあっても、女王様なら大丈夫だろう。
私とミリアさんは、王城内の図書館で待つことにした。
一時間後、とても晴れ晴れとした女王様が侍女に連れられて図書館に来た。
私とミリアさんは、女王様の笑顔を見て何があったのか聞かないことにした。
あの人たちは一体、女王様に何をしたのだろう?
早くこの国から出たいという女王様の要望により、この国を後にした。




