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6.エクソシスト、イジメを目撃する

道中、魔物たちを蹴飛ばし、投げ飛ばし、踏み潰しながら、次の国に向かう。

そして、着いた国は『強国』だ。

この国では常に強者が弱者を虐げる、そんな日常。

どんな犯罪を起こしていようとも、強者が『絶対的正義』である。


この国への入国はものすごく簡単で、強者なら誰でも入国可能。

例外として、商人たちは弱者でも入国可。

もちろん、商人たちはこの国に入国する際、強者の護衛を雇う。

そして、この国の教会は、教会と書くのではなく『きょう会』と書く。

強者のみが神に祈りを捧げていいのだ。

弱者は神に祈ることさえ許されず、地面に這いつくばって死ねということだろう。


「そういえば、エミリーは神の御使い様だろ。神の御使いって、どういうことをするんだい?」

「おもに、悪魔を滅するか祓うかですね。私は滅することしかできませんが」

「両方できないの?」

「根本的なやり方が違うんですよ」

「もし、神の御使い様を故意に巻込んでいたら、この世界の神様は大変なことになるね」

呆れたように、ミリアさんが言った。

ここは、この世界の神ならやりかねないということを黙っていた方がいいだろうな。

もし、この世界の神が罪悪感や反省という言葉を知っているなら、元の世界の神様が法王様経由で私に依頼をしてこないだろう。

自分の世界ではないのだから...


強国に入って、しばらく歩いていると強者が弱者をイジメたり、嬲ったりする様子が多く見られた。

この国の人たちの誰もが咎めないことを見ることで、この異常な状態が日常であると実感する。


強会の様子が気になったから、行ってみることにした。

信者たちは弱者をボコリ、金品を取りあげていた。

「ちょっと、何をしているのよ!」

そう言って、弱者を庇うまりあさん。

「あぁっ!? 姉ちゃん、俺は当たり前のことをしているだけだぜ」

強面の男が、まりあさんを睨んだ。

「馬鹿には教育が必要ね」

鞭を持ち、不敵な顔で妖艶に嗤うまりあさん。

あっという間に男たちを倒し、新しい扉を無理やり開かせていた。

その男たちは新たな快感をまりあさんに要求し、まりあさんは無視した。

「これは、これで」

と言って、男たちは集団で気持ち悪く全身で喜びを表して悶えていた。

まりあさんに庇われた弱者の人は、男たちのあまりの変わりように吃驚して逃げて行った。

それにしても、まりあさんに調教された奴らの方が魔物たちより怖く思うのはなぜだろう?

彼らの方が魔物たちより、はるかに安全なのにもかかわらず...

気持ち悪く悶える男たちにドン引きする私とミリアさんを無視して、女王まりあ様は強会に入っていく。

気持ちを落ち着けるために、女王まりあ様が戻ってくるまで、何もしないでボーッとしておこうということになった。

数時間後、女王まりあ様は強会関係者を引き連れて強会から出てきた。

『目指すは、王城!』だろうな。

私とミリアさんは、女王まりあ様と下僕たちの様子に現実逃避した。


やはりというかなんというか、王城についてしまった。

女王まりあ様は、自分が聖女と名乗り王様に謁見を求めた。

王様とその他たちは喜んで出迎えた。

私とミリアさんは、城の外で待つ頃にする。

城の外まで、変な嬌声や喘ぎ声が聞こえるのは気のせいだと思い込みたい!

夕暮れ時に出てきた女王まりあ様は晴れ晴れとした顔をしていました。

「これで、弱者を虐げる政治をなくすために徐々に変えていくことを体で覚えさせた」と。

一体彼らに何をしたのかは、絶対に訊かないことにした。



元の世界にいる法王様、異世界での旅は危険だと言ってなかったか?

今は、法王様が言っていた危険とは別の意味で危険だぞ。

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