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5.エクソシスト、国の不正を知る

どこの世界にでも、人の住む世界がある限り、不正はなくならないものだ。

言っておくが、真面目に仕事をしていたり国に仕えていたりする者が大半だというのも当たり前な話。


ここは、フセイ国。

ありとあらゆる不正が横行する国である。

不正の魔の手は、神聖なはずである教会のオフセ教会まで手が伸びている。

フセイ国の政治をする上層部や王様は私服を肥やすべく領民や商人に必要以上の重税を課す。

オフセ教会は、信者から寄付という名目で金を巻き上げる。

脱国して捕まろうものなら、全財産没収される。

なので、国民はこの状況に甘んじるしかないみたいだ。

ちなみに、捕縛率はほぼ100%である。


一般人がフセイ国に入るのは多額の上納金がいるのだが、冒険者ランクⅩのミリアさんがいるので、なんの問題もなく入国できた。

冒険者ランクA以上になると、同行者まで無料で入国できるのだ。

このファンタジーな世界には、お約束通りギルドがある。

ギルドに登録すると、いろいろ便利なので登録することにした。

ギルドまで行く最中に、ミリアさんが簡単に登録の説明をしてくれた。

この国のギルドでは、ギルド加入の説明でもお金を取られるのだとか。

ギルドに着くと、ミリアさんを見た冒険者たちは受付まで行くのに道を空けて敬礼をした。何かの宗教じみた感じがする。

この国に行く道中、ミリアさんにまりあさんが「聖女だということを内緒にしたい」と言った。

聖女ということを隠して行った方が、納豆黄門のように『不正を成敗する旅』ができるかもしれないと言って。

受付の美人のお姉さんの前まで行った。

「ミリアリアさん、お連れ様の登録ですか?」

「そうだよ」

「では、この石じゃなかった水晶(仮)に手を置いてください」

まず、まりあさんが石の上に手を置いた。

「はい、登録完了いたしました。冒険者ランク『女王様』ですね」

冒険者ランクというのは、その人のことを簡単に言ったランクなのだろうか?

ますます、ファンタジーじみている。

「お次の方、どうぞ」

そう言われて、私は石に手を置いた。

「はい、こちらの方も登録完了いたしました。冒険者ランク『言ったら周りの精神が削れるので不明』ですね。お二人とも特殊ランクですね。おめでとうございます」

口ではおめでとうございますとか言っているが、受付のお姉さんは明らかに口元を引き攣らせていた。

しかし、周りは盛り上がるという意味不明。

中には、「さすがミリアリア姐さんの連れだ」とか言っている。

ミリアさんは、すごい人のようだ。


さっそく、オフセ教会に行ってみることにする。

オフセ教会に着いた時に見たものは、司祭が信者の金を巻き上げているとこだった。

私たちは思わず、来た道を戻って行った。

次に行ったのは、フセイ国王城。

王城の内部にやすやすと侵入し、この国の政治を行う会議室の扉の前までミリアさんの案内で来た。

なぜそんなことを知っているかというと、冒険者ランクⅩでは常識のことらしい。

そこで見たのは、どうやって国のためにお金を多く使ったように見せるかの資料を作る会議だ。

こうやって、王様と上層部は私服を肥やしているのだな。

呆れてものが言えない。

隣を見ると、真面目に神に仕える者として憤るミリアさんと「私の出番ね」という顔をしたまりあさんがいた。


その夜は、酒場で情報収集。

もちろん、未成年なので酒は飲まない。飲めるけど。

酒場で聞いた情報によると、明日は教会で王族と上層部が教会関係者とともに神への祈りを捧げるらしい。


翌日、王族と上層部と教会関係者が祈りを終える頃に、私たちはその場に乱入した。

王様は怒りで私たちを怒鳴り散らしたのだが、まりあさんはそれを無視して王様のところまで歩いて行きました。

その姿は、本物の聖女様という感じだ。歩く姿に、どこか神聖さを感じる。

まりあさんは、王様に自分が異世界から召喚された聖女だと言って「この国のために、王様と上層部の皆様と教会の神官様たちのために祈りたいので、別室まで移動しませんか?」

と聖女の笑みをして言った。

彼らは、満面の笑みで同意して神官様たち先導のもと移動して行った。

まりあさんと移動した神官様たちは、数々の信者たちのお金を巻き上げた欲望にかられた者たちだ。

数時間後には、先ほどと別人のような晴れやかな笑顔をした彼らがいた。

しっかり、ばっちり性格を捻じ曲げられたようだ。



あれ? 当初の目的と違ってないか?

人間の欲望は魔物並みと考えるとあながち間違っていない気もするが。

とにかく、私たちは次の国を目指した。

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