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3.エクソシスト、旅立つ

気がつくと、コロシアムのようなところにいた。

地面には、複数の魔方陣がえがかれています。

見上げると、神官職のような人たちと王様と重要な役職に就くような人たちが集まっているのが見えた。

異世界で召喚した少女たちで殺し合い?なんて思ったのだが、それにしては見物客が見当たりません。

私が考え事をしていると、いつの間にか王様らしき人とその他の人たちが、私たちのところに降りてきていたのです。

そして、王様らしき人は私たちに声をかけた。

「ようこそ、異世界の少女たちよ。ここは、オルビス・ティエラという世界。申し訳ないが、お前たちを異世界より誘拐してしまった」

「王様!」

「どうした、神官長。初対面の異世界の少女たちの前で慌てて、みっともないぞ」

「申し訳ありませんが、王様。異世界より誘拐したと本音が漏れています。ここは、召還したと申しませんと」

「そうだったな。つい、本音が」

「ここからは、私が説明をいたします。よろしいでしょうか?」

「まかせた、神官長」

「現在、この世界は魔王による脅威にさらされています。そこで、あなたがたに魔王を倒してもらうつもりです」

そして、魔王がもたらした被害の数やこの世界の状況を神官長が話しました。

まりあさんが、私たちを代表して彼らに尋ねた。

「魔王を倒したら、私たちは元の世界に戻れるのですか?」

「わかりません。歴史書で過去の記述を見ると、帰れない場合と帰れる場合があるようです。ですが、聖女様」

「聖女って、私のことですか?」

「はい、あなたのことでございます。他の方々は、あなたと旅をするため異世界から誘拐...もとい、召喚されました。この世界の者では慣れぬでしょう。旅の成功率を上げるため、あなたのご友人方も召喚されたのです」

ええっ?一緒にいる同じクラスの女子生徒二人がまりあさんの友だち?ビックリしてまりあさんを見ると、違うと首を振って否定した。

「ところで魔王を倒すってことは、魔王が魔王として使えないもしくは魔王として機能しなくすれば、魔王を殺さなくてもいいんですよね?」

「ええ、そのようなことができるのであればですが...」

神官長は、不思議そうに思いながら答えたようです。一般的には、『魔王を倒す=魔王を殺す』ということだからだ。この時に、まりあさんの目がまだ見ぬ魔王に狙いを定めたように見えた。きっと彼女の中では、『魔王を倒す=魔王を調教する』になっているのだろう。


『魔王を倒す旅』の準備をするのに、訓練をする組とこの世界の文字を習う組にわかれた。私とまりあさんは、文字を習う組です。この世界の本を見ると、ラテン語のようだ。なので私は、王城にある図書館で本を読むことにしようとした。そこで、まりあさんは待ったをかけたのだ。

「エミリー、この文字読めるの?」

「もちろん。ラテン語は職業上、読めないと困りますから」

「日本に来る前、どんな職業をやってたのよ。...えっ?だったら、この世界の言語翻訳補正を受けてないの?」

「読み書きできる以上は、受けなくても大丈夫ですから」

「それでは、聖女様。さっそく始めませんと」

「わかりました」

まりあさんは先生役の人に文字を教えてもらい、私はこの世界の歴史書を読み始めたのです。


数十日たってから、訓練をする組の訓練を終えたといって、旅立ちの準備に入った。王様が先頭に立って、武器庫まで連れて行ってくれた。私は手持ちのがあるので、まりあさんと他の二人が武器を選びに武器庫の中に入った。まりあさんは鞭を、他の二人は剣を選びました。

旅の案内人として、育ちのいい貴族のお坊ちゃん二人を選んだと王様と神官長は私とまりあさんの目を全力で見ないように逸らしながら言った。

そして、城を出てひと気がないところまで来ると冒険の初期に出てくるような人の大きさでトカゲの姿をした魔物たちが出てきたのだ。

訓練の成果と自分たちの強さを見せつけるために、貴族の坊ちゃんと同じクラスの女子生徒二人が前に出て、この魔物たちと戦うと寝言を言った。

そしたらその人たちはビックリなことを仕出かしたのだ。

全然練習してないと分かる不完全な初級の魔法を一発、魔物たちに向けて放ち「自分たちはやったし、疲れたから後はお前たちがしろ」と前線から下がっていった。その行動を見た私とまりあさんと魔物たちは呆れてしまって、戦意喪失した。

魔物たちは、「ゴメン。出直してくるわ」と馬鹿を相手にしたくないと全気力を持って逃げ去った。

あとは自分たちだけ戦って疲れたからと、偉そうにして私とまりあさんに野営の準備を押し付けた。私はエクソシストの任務で野営になれていたので、手早く終わらせた。彼らはこれが簡単なことだと思ったらしく尊大な態度で次はご飯の準備をしろと命令してきたのだ。この時、私とまりあさんの心は一つになった。『こいつら使えない。ここに置いて行こう』と。

私は元の世界から持った来た無限収納バックに入っていた、睡眠薬を作った食事の中に我慢して適量を盛った。そして彼らが眠った隙に、簀巻きで山の見晴らしのいいところに放置した。

ていうか、もとの世界の神様はなぜ『睡眠薬』や『簀』なんていう便利グッズをバッグに入れていたのだろう。やはり、神様だからこれからに必要なものが分かるのだろうか?


彼ら役に立たない四人組をこの場所に放置して身軽になった私たちは、万が一追いつかれないように先を急ぐのだった。

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