第二 アルカディア世界の地理
ロランシア大陸
アルカディア世界において二つある大陸のうち一つ。古くはガルシア大陸と呼ばれていた場所である。非常に大きく、地球のユーラシア大陸より広い。おもに温帯気候に属するが、ほかにも寒帯、冷帯、乾燥帯など様々な気候がある。四角形に近いが四隅が突き出したような形をしていて、とくに西側は東側より大きく張り出している。
ゴンドワナ大陸
ロランシア大陸の南に位置する大陸。中央は原生林が生い茂る未開の地で、沿岸部に人口が集中している。さらに北方の海が丸ごと魔海域と呼ばれる危険な海であるため、訪れるのは新天地で一獲千金を目指すアウトローやお尋ね者などばかりである。
ラース王国
ロランシア大陸のほぼ中心に位置する国家。立憲君主制を採用していて、権限が弱いながらも議会があるのが特長。国土はおもに草原で水や食物が豊富である。そのため国力も高く、国民も豊かだ。ただし最近は隣国であるコルリカ帝国があやしい動きを示しているため、一部でそれが不安視されている。後述する大陸国家機構の理事国の一つ。
主人公が降り立った最初の国がここ。彼の所属するギルド、青の旅団本部もこの国にある。
コルリカ帝国
大陸北方に位置する大国。絶対君主である皇帝が治めている。国土は山がちで、歴史的に鉄鋼業などが盛んな工業国。そのため軍事産業も根強く、現在では大陸最大の軍事国家だ。ただし、それは通常兵力(非魔導士)に限定されているため、他国への侵攻はまだ行われてはいない。この国も大陸国家機構の理事国。
メスフィカ皇国
商業国家。おもに国土の南方に位置するメルカト諸島の国との貿易で栄えている。大陸にある有力な財閥はだいたいこの国が発祥であり、国土は比較的狭いものの発言力は強い。有り余る資金力にものを言わせて、攻強皇國騎士団と呼ばれる通常兵力では最精鋭となる師団を保有している。大陸国家機構の理事国の一つ。
イリス王国
大陸最西端となる砂漠の国。国土の大半が砂漠のため碌な産業がない。そのため国としては貧しく首都に巨大な貧民街まである。だが人口はかなり多いため、その潜在的な軍事力などは侮れない。
シールミル教国
大陸最大の宗教である、ビリア聖教の興した国。教皇により統治されていて、表向きは理想国家とされている。ただし、その実態は極端な重税を敷く圧政国家。しかし、国を支配する教団の神官たちはほぼ全員が聖職者らしく清貧であり、教皇自身も贅沢はしていない。さらに軍事や公共事業にもほとんど金をかけてはいない。つまり、搾取した税金の大部分が使途不明となっている……。
中央都市国家群
ラース王国とコルリカ帝国のはざまに存在する小規模国家の群れ。大半はそのどちらかを宗主国として仰いでおり、ほぼ属国状態。
メルカト諸島
統一的な国家が存在しない。小規模な国、もしくは都市同士が互いに百年以上にもわたる戦いを繰り広げている。文化的には東洋的で、中には日本によく似た文化を持つ場所も存在する。
エルフ自治領
大陸東側にある大森林地帯の大半がこれに指定されている。亜人の中でもっとも人口の多いエルフのために大陸国家機構が定めた。自治領といっても実質的にはエルフの王国であり、しかもエルフ以外の亜人も多数居住している。いわば、亜人の楽園的な土地。
モストニア魔国
大陸最北端の極寒の地域。国といっても名前だけで実際には誰も居住してはいない。一面雪原が広がる不毛の大地で、この場所に侵入した人は全員が原因不明の体調不良に襲われてしまう。なので調査はまったく進んでおらず、何があるのかすらまだよくわかっていない。
大陸国家機構
大陸にあるすべての国家や自治領が加盟する国際機関。表面的には全加盟国の参加する総議会、理事国のみ参加できる理事会により意思決定をして、おもに大陸の平和を維持している。だがその行動にときおりきわめて恣意的なものがあるため、第三の議会があるのではないかというのはもっぱらの噂。
世界中の魔法を管理する魔導書管理協会がその傘下にあり、魔導士を統括することができる。そのため魔導士からなるきわめて強大な機構軍を保有。ゆえに軍事力を背景として権限は強く、世界政府のようなものだともいわれている。
攻強皇國騎士団はネタであります。……さて、元ネタわかる人いるかな?