素直になれないのは
すれ違いの果てにたどり着いた、ひとつの答え。
素直になれなかった日の後悔も、臆病だった自分の弱さも、すべてを抱えて踏み出すための言葉です。
ふたりだけの歪で愛おしい絆の物語を、どうぞ最後まで見届けてください
素直になれないのは貴女の所為。
素直過ぎてしまうのはあなの所為。
素直な言葉が一番素直でないのは、素直が許せぬ貴女のせい。
その時私が素直でなかったのは、
素直に傷つくことすら、怖がっていた私のせい。
だから最後くらいは、素直に言おう。
あの日交わした偽りのない言葉も、
素直になれなかった愚かな愛おしさも、
すべては貴女と私だけの、愛しい絆だったのだと。
言葉を口にした瞬間、喉の奥が熱く焼けるような心地がした。
逃げ続けてきたのは、私の方だったのだ。
拒絶される恐怖に怯え、素直さを鎧の奥へと押し込めていた。
視線の先で、貴女の瞳が微かに揺れる。
強がりで固められたその唇が、小さく震えているのを見逃さなかった。
私たちはいつも、こうして言葉の刃を突きつけ合っては傷ついてきた。
「……今更、そんな風に言われたって困るよ」
掠れた声で吐き捨てられた言葉は、けれど不思議と優しかった。
差し出されたの手は、あの日と同じように少しだけ震えている。
差し出されたその手を、私は今度こそ躊躇わずに握りしめた。
言葉にできなかった想いや、傷つくことを恐れて重ねてしまったすれ違い。
そんな不器用な二人の過去すらも優しく抱きしめ、最後の最後でようやく手にした「本当の素直さ」を描いた詩です。
互いを想うがゆえに遠回りを重ねた二人の時間に、どうか温かな愛しさを感じていただけたなら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。




