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1話 不明な時間軸

●黒皇視点


あれから二人の子供として転生していることが分かった。


本来、回帰魔法で指定していた時間軸は。黒皇として誕生した瞬間、約1万年前だ。


ここまで戻り、自身が死んだ事象の原因を排除する。


それが、彼のこれまで無敵であった黒皇の能力だ。


黒皇...それは、この世界を創造した神”デウス・ルーラ”が最初に生み出した秩序だ。


デウス・ルーラは、超大陸”クローディアス”を創造し。安定させるための秩序”皇”を作った。


序列一位。最強の秩序。それが黒皇だ。


そんな存在が今は人として暮らしている。


黒皇は実に不快だった。


(この我がなぜこのような苦しみを味わなければならん!ふざけるのも大概にしろ!)


内心激怒しながら、赤ん坊はハイハイをする。


子どもの体である、移動方法はもちろんハイハイだ。


「おいでおいで~、こっちですよ~」


母親が床に座り、手招きをする。


(...はぁ)


内心ため息を吐きながら、母親のもとへ向かう。


ハイハイしてきた黒皇を抱き上げる母親。


「はい!よくできました~」


母親は重度の溺愛をしている。


(...これが母親か...)


感じたことない感情に黒皇は戸惑っていた。


母親の腕の中で黒皇は考えごとをしていた。


この子供は”セリア・フォア・ラムザ”


貴族の家系だ。


長男として誕生した故に溺愛されている。


このゼリア家はユリエア王国の東部地域を支配する貴族だ。


大陸南部に存在するこの王国は、建国され100年しかない比較的新しい国家である。


この東部を支配するゼリア家は王国の四人しか存在しない最高位の”辺境伯”を持ち、国境を守ることが役目であり、建国時からそれを貫き通してきた。


クローディアス最弱の種族が、今や一番の繁栄をしている。


黒皇がこれまで回帰したどの時間軸にもこのような世界はなかった。


それに驚愕したのは真新しい記憶。


(...人種、最弱の種族がここまで繁栄するとはな...)


偶然での回帰だったが、黒皇は面白がっていた。




しかし、人種は平和とは程遠いところにいた。


理由は至って簡単。モンスターだ。


この世界には、魔皇や龍皇といった皇の存在は認知されていなかった。


その代わり、害をもたらす存在。モンスターがいた。


姿形は様々、生態系も様々、独自の形態を持つ、人種の敵。


それらが人の敵であった。


黒皇はこの館にある蔵書で情報を集めていた。


母親の目を欺き館を徘徊し発見したのだ。


しかし、重要な情報はなかった。


(...ここはクローディアスではないのか?

 しかし、人が100年でここまで繁栄するのか...?

 建国される以前の記録がどこにもない...

 いくら探しても記録はない...

 まるで誰かに消されたように...

 もっと詳細な記録が見たい、どこかにないものか...)


この世界はどの時間軸なのか...


未来であることは確実だ。


だが、どれだけ未来なのか...






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