第11話 つづき
つづき
そこにはおかしな道具が置いてある部屋があった。見わたすといかがわしい道具や装置がいっぱいある。
拷問部屋かと思ったが・・・いや、少し違うな、茨のムチも、焼きゴテも、天井から垂れるくさりもない。なんかペラペラしたムチはあったが。むしろアロマが甘美な芳香をふりまいている。
薄暗闇のまま、いろいろ部屋の四方見ると、金の装丁が施された扉があった。
「勇者なんて王様公認の盗人のようなものだ。なんでも盗みます!」
扉はすんなりと開いた。
「金目のものはないかな」
ドクロランタンが薄暗く部屋を照らしている。よく見ると部屋の中央に宝箱が置いてある。
「むっ・・・」
俺は何の躊躇もなく、宝箱を開けた。
*勇者は「男性用ブリーフ」を手に入れた。
これは・・・。男性用ブリーフの大事な部分に白鳥の頭が装着されていた。
用途は不明だが、丁寧な細工が施された高級品であることには、違いなかった。
「売れるのかこれは・・・?」俺は一応、謎の物体を風呂敷にしまった。
その刹那、ドクロランタンの目が輝き、部屋全体を眩しく照らした。
部屋の全貌が明らかになる。緋色のビロードが貼られている部屋の側面に美術館のように絵画が展示されていた。
「誰かの肖像画か」
俺は少し、ビビったがそれらを「しらべて」いると、額縁の下に1st「勇者コキール」、2nd「勇者モモンハ」、3rd「勇者チョキモール」などと書かれている。さらにすべての額縁の右下の余白に具合{S、A、B、A・・・}などと書かれている。
おそるおそる、何も描かれている右下の額縁を見た。
「勇者イワン(ああああ)」近日公開。
「・・・!」
「ああ・・・そういうことか」
謁見の間で王様が、俺の手をなでたり、ふとももにタッチしてくる様子から察していた。
べつに他人の趣味に干渉する気持ちはない。
だが、俺にはその趣味はない。
これ以上、ここにいても収穫がないと思えた。俺は王様の秘密の部屋をあとにした。