第33話「サカナウール漁港と魚狂団」
第33話「サカナウール漁港と魚狂団」
順風満帆。網元の好意で対岸の漁港まで船で送ってもらった。
大きな漁港だな。『サカナウール漁港』というのか。灯台も見える。
魚市場にも活気があり、わいわいと盛況だ。なんか騒がしすぎる気もしないが? よく分からん。
港町の食堂を何軒かまわり、店先の台に置かれたメニューとにらめっこ。
(どれも案外高いな。3G?《現在の価格で3000円ほどである》どこの現在? まあいいか)
「腹減ったー。というか酒のみてえ」カンちゃんが魔法の杖で尻をつついてくる。こいつ。
「ペンちゃんは魚とかいけそうだっけ(戒律的に)」
「問題ありません」(そういえば、ゆでカニを食っていたな)じゃあ、適当な店に入るか。
近くにあった店の扉を開く。「あれ? 店内には客の姿もなく静まりかえっている。「ええと、こんにちわ~?」しばし待つと、ようやく厨房から若い店員が駆け寄ってきた。
「すいません、今日は休業です」
「なんで? やってないの」
「食材がないんですよ・・・」
「そうか、なんで・・・」「あれ!」カンちゃんがわきをすり抜けて、店の奥にあった樽からビールを盗んでいる。おい。
「卸売り市場に族が侵入して、魚に毒をまいていきました」
「なんだそりゃ」
「最近、現れた偏向主義者らしく『魚を殺すな!』とかのスローガンを掲げています」
(漁港で魚を獲るなって無理がありすぎるだろ。なにかあるな・・・)
「つまみはスルメでもいいぞ~」カンちゃんが勝手に席について、ビールをあおっている。おまえ。
「漁協のひとも困っています。今では500Gもの懸賞金がかかています。このままでは、この漁港はあがったりですよ」(おれもやばいけどね)
「なるほどなぁ」
飲んでいたカンちゃんは500Gに「むっ」と、目を光らせた。見逃さないぞ。
ペンちゃんは店頭に立って無言だった。
「そいつらってどこにいるの?」めずらしく、カンちゃんが口をつてきた。
「ああ、魚狂団ですね、岬の灯台に立てこもっていますよ。人数は少ないのですが、灯台守を人質に取ってまして、手が出せません」
「ごちそうさん、ここに銅貨一枚おいていく」
カンちゃんはあしばやに店を去った。それにつづく。ああ、ものすごく悪い予感。
つづく




