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俺は勇者だ  作者: ごっち
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第29話「エルフの森」

第29話「エルフの森」


 村を離れ、街道を進むとうっそうとした森が現れた。


「さっさと、通り抜けるか」「陰気な感じだな」

 おれとカンちゃんは、あくびをしながら行進する。


 一行が森に足を踏み入れた途端。


 シュパパパっ!!!


 先頭を行くおれとカンちゃんの足許に3本の矢が突き刺さった。


「おっと!」

「なんだぁ」


 ペンちゃんが森の奥をのぞきこむ。


「おそらく、エルフです。この森を守護しています」


・ペンちゃんは、エルフの気配を感じ取った


「めんどうくせえなぁ、燃やすか」

 カンちゃんはいつもの調子でファイアーボールを放つ。


 すると、ファイアーボールは、ごうごうと音を立てて、森の中へ・・・。行かなかった! 一瞬の間をおいて、見えざる壁に跳ね返された。


 ボン!


「あちちっ」

 反射したファイアーボールがおれの近くで爆散した。


「ちょっと、まってください。これは異常です。森全体から魔力を感じます」

 ペンちゃんにはめずらしく、顔をしかめて言った。


「ああ、魔法結界かよ、やっかいだな。こらあ、アタシの出番なしだな」


 カンちゃんはペンちゃんを見ていう。


「ペンちゃーん。魔法が効かないから、やってきてくれる?」

 カンちゃんは、こともなげにいった。「コイツは使えないし」

 視線が俺に向いた。クソー、なんかムカついた。


「じゃあ、おれも行くかな」


「やめときな、アンタが行っても矢でハリネズミになるだけだよ」


「やめときます・・・」


「わかりました。それではわたしがエルフを制圧してきます」

 ペンちゃんは森の中に消えた。


 いったん森の入り口まで戻る。あたりは、風がそよぎ、雲がながれ、いたって平和な光景だ。


「暇だな・・・一杯やるか」カンちゃんは道具入れから一本のワインを取り出した。

 よく持っているな、どこでくすねてきたのだか・・・おれもだが。


「つまみに、村長の家で盗んできた干し肉があるよ」


・勇者は『ヌスーム』のスキルを所持していた!


「おや、アンタにしては気が利いているな」


「こいつは、あぶり焼きで食おうぜ」「悪くない提案だ、それっ」

 カンちゃんは小さめの「ファイア」を唱えた。(出力調節できるのか)

 

 直火で干し肉をあぶった。


 一方、そのころペンちゃんは・・・。


 敵は5人。樹上に2人、前方に3人。森の木々にまぎれるように隠れているが、わたしの生命探知には引っかかっている。


「まずは!」

 わたしは、足早に前面3人のエルフにせまる。


 何本かの矢が飛んでくる。なんとか、かわしつつ足をとめることはできない。


「つぅ」

 矢の一本が肩の肉をえぐった。関係ない。いまは距離を詰めないと。

 接戦になれば、こちらが有利だ。



 森の入り口。


「肉うめえな~」カンちゃんはあぶり干し肉をかじっている。

「う、うまい、うますぎる、じゅう・・・ジューシーだな」おれも食った。


「ほら、オマエも飲めよ」

 カンちゃんはラッパ飲みしていたワインの瓶をおれに差し出す。

「いいのか。間接キスになっちゃうぞ」俺はおどけた。

「あははは、そんなことに構うアタシじゃないよ。ほれほれ」

「それでは」

 おれは、ワインを口に含んだ。


 一方、そのころペンちゃんは・・・。


 エルフの動きが予想以上に速い。わたしで通用するだろうか。

 せまってくるわたしを見た前方のエルフたちは、後退していく。樹上のエルフも気になる。これがエルフの戦術だろうか。このままでは包囲される。攻撃できない。くっ。



 森の入り口。


「おい、なんかおいしいそうなキノコが生えていたぞ」

「あら、赤くて綺麗なキノコじゃね。焼いて食うか」

 おれとカンちゃんはキノコをあぶって、食った。


 一方、そのころ、ペンちゃんは・・・。


 前方のエルフは倒せる。このままふところに飛び込んでしまえば。前進と後進ではおのずと、速度の差がうまれる。もう少しで。土を蹴って飛んだ。とらえた。


 バキッ。3人のエルフにこん棒をたたき込んだ。あとは2人。


「あっ」


 激痛が走った。樹上のエルフから放たれた矢が、わたしの背中に刺さった。



 森の入り口。


「あははは、アんタ、面白い顔してるナ」

「おまヱこそ、顔がゆがんでいるぜ、あははは。世界が回る。それでも世界は回っている。なんちゃって。あははっは」

「いい気分になってきたぜ。やりたい気分だ。違う呪文をみせてやろう。『フレイムピラ!』」 まわりの枯れ草の中に複数の炎柱が発生した。


「こら、こら、あまり燃やすなよ。ぎゃははは」


 一方、そのころ、ペンちゃんは・・・。


 樹上のエルフは近接戦闘では倒せない。『ズキっ』背中が痛い。ここまでかな。さすがに勇者の代わりは無理だったのかな。大司教様すいません・・・。


 そのとき、何かが燃える臭いが森の入り口から漂ってきた。しばらくして辺りは煙に覆い尽くされた。不思議と、エルフの攻撃もとまっている。


「見えないんだわ」エルフは眼もいいし、森のすべてを知っているけど、燃やすという発想がないのかしら。もうもうしたけむりにもなじみがない。これはなんとかなるかもしれない。



 森の入り口。


「あわわわ」「あわわわ」

 おれとカンちゃんは口から泡を吹いて、倒れている。


 一方、そのころ、ペンちゃんは・・・。


 生命探知なら、まだつかえる。あそこの木だ。

 エルフが樹上にいる木をこんぼうで思い切り叩いた。


「ひ、あああ・・・」

 エルフのかんだかい声が響く。


「・・・はい、ごめんなさい」

 わたしは木から落ちてきたエルフの頭をこん棒で軽く殴った。

 違う木にいたエルフも同様にした。


 『生命探知』を再び使った。


 いまのところ、近くにはそれらしい反応はなかった。すべて、弱々しかった。

 終わったかな。わたしは森の入り口へ向かって歩き出した。



 森の入り口。


「・・・・・・」「・・・・・・」

 勇者様とカンテローザさんが地面に伏していた。


 様子をみると何らかの中毒症状を起こしているようだ。なにがあったんだろう。

 このままではいけないので、持てる精神力を振り絞って解毒魔法を唱えた。


「ゲドーク」

 ほどなくして、2人は正気を取り戻した。眼をパチパチしている。


「あれ、ペンちゃん?」

 勇者様はいった。


「あ、頭が痛い」

 カンテローザさんは、頭を押さえながら立ち上がった。


「無事でなによりです。解毒の魔法をかけました」


「ああ、そうか、解毒魔法って、酔いまでめるのか。便利だな」

 勇者様はなにかに感心しているようだ。


「!!! アンタ、背中に矢が刺さっているじゃない」

 カンテローザさんが驚いて言った。

 あ、必死すぎてわすれていました。


「ちょと、おいで」

 カンテローザさんが背中にまわり、強引に矢を引っこ抜いた。

 ブシュ! ドクドクドク・・・。出血が、背中の衣服を汚していくのを感じる。意識が遠のく。


「ペンちゃん!」勇者様の顔面から血の気が失せる。


「止血が必要ね。消毒がわりに傷口を火で焼こうか?」

「いや、そういうのは・・・」


「じゃあ、馬のクソで傷口をふさごう。道中、いくらでも拾えたからな」

「いや、そういうのは・・・自分で治せますので」

 結局、自分で治しました。


・森の道

 エルフがたおれている森の道を進む。カンちゃんはペンちゃんの横を歩きながらたずねた。

「殺しちゃった?」

「殺してないですよ、気絶させただけです」


「さあ、森を抜けた。あれ、よく考えてみたら何で攻撃してきたんだろう」

「バカだからじゃない」


※ペンちゃんはのちに振り返る。この時、一緒に旅を続けていくことに、不安を感じた。


つづく


ひどい内容だったので、イラストをそえて・・・

https://www7a.biglobe.ne.jp/~catsoffice/illustration/pen03.jpg

「殺してないですよ、気絶させただけです」

ペンちゃん、すさんだなぁ。

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