第25話「ニエーイエの村」
第25話「ニエーイエの村」
先日、解放された砦を通り抜けようとすると、俺は湿地帯に残された兵士の死体を見つけた。「これは酷いな、放置か」といいながらムクロより、装備品を剥ぎ取っていく。いいのが残っているかな。
・鉄のつるぎを手に入れた
・銀の胸当てを手に入れた
・鋼の盾を手に入れた
もっと持って行こうと思ったが、重量オーバーのようだ。
「オマエ・・・」
「・・・」
2人はドン引きしている。仕方ないだろ、俺は武器すらないんだ。
やってることは落ち武者狩りと、変わらんけど。
道行く(勇者?)ご一行。だんだんと、進んでいくと商人とも冒険者とも会わなくっていく。すれ違った冒険者が「この先、行かない方がいいぞ」とボソリとつぶやいた気がした。なんだ?
街道を行くと、なんか小ぎれいな村についた。
いっけん、平和そうに見える村の入口で。
「あやしいわー、この村」
カンちゃんは下馬して、あたりをうかがっている。すぐに村人がよってきた。
「ああ、勇者様、ようこそお出で下さりました」
よい響きだ。ひさびさに自分を取り戻した。
「だれにでも言ってるんじゃないの?」
なんか、雑音が聞こえたが無視した。
「ここは、ニエーイエの村です」
村人は丁寧におじぎをした。
「あ、そう、とりあえず、腹が減ったなぁ・・・」
「それには満足して頂けるものを整えています」
俺はいい気分で村の食堂に向かった。
「これは豪勢だ」
豚の丸焼き、鶏の香草詰め。野菜のロースト。酒までついてきた。
「満足だ。いやあ、これほどまでの歓待をうけるとは」
ぺんちゃんとカンちゃんはすみのテーブルで食事をとっている。
「そこで、勇者様にお願いが・・・」
そら来た。何かのお使いイベントかな。泉で容器に水を取ってこいとか。
「ええと、何をするんだ」酔眼をこすって、こたえた。
「村から少し離れたところに『人さらいの山』と呼ばれている難所があります。狒々(ヒヒ)が棲んでいます。毎年、村から生娘をとっていって・・・」
「ベタな展開だな、昔話かな。余裕余裕。あははは。ボスをやっつければ、いいんだろ?」
だいたい、こういうのは主人公が勝つと決まっている。俺は泥酔して言った。
「こいつ、死んだな(いつ逃げようか)」
「・・・(現状だとかなり危ないです)」
そして、酒場の店主は聞こえないようにいった。「また生け贄がきたな・・・」
翌朝。意気揚々と『人さらい山』に向かった。
俺以外の、2人の歩みはぎこちなかった。
つづく




