第19話「シュヘンの町(後編)」
第19話「シュヘンの町(後編)」
宿屋1階にある椅子にきちんと座り、勇者と僧侶は寝ていた。
「ダンっ」と、テーブルの上に何かがおかれる。
数時間の仮眠をとり現実へひき戻される。やや意識が戻った。
「どうしたもんかねぇ」
視点の合わないツラで言った。
「どうしたもんでしょう」
意識もまばらだ。
「悪いけど・・・いま、いくらある?」
「ええと・・・」
ペンちゃんは起きていた。
皮袋から、テーブルに有り金ぜんぶをぶちまけた。
20~30Gか。
俺も財布から金を出したが、悲しいことに目で数えられるほどの8Gだった。
我がパーティの資金はジリ貧だ。きょう、あすの宿代も食事代にも足りない。
また馬小屋はやだなぁ(経験値はあがるけど)
目の前のコップで宿屋から出された白湯をペンちゃんとともにすすった。
「あんた、最近、ここらを荒らしまくっている、冒険者だよね」
ふいに横のテーブルから声をかけられた。
「とうぜん、俺は・・・ゆうしゃあああ」ペンちゃんが口をふさぐ。
「ああー。聞こえない。聞こえない。どいつもこいつも同じ事という。こんな勇者がいるかよ」
魔法使いの出で立ちをした小娘がニヤニヤと笑っている。
「ワタシ知ってるよ。あんたネス村でなんかやらかして、逃げてきたんでしょう?」
「え?」俺は困惑した。ペンちゃんは俺をじっとにらんでいる。
「いいのいいの~、ワタシもあの村にはムカついて狙っていたところだから。勇者が来そうだし」
「いや、俺は勇者だし、村人が勝手に・・・」今度はペンちゃんが勢いよく俺の頭を叩いた。ダメージ9。
「そういうのはいいってば。嫌いな奴は嫌いだし。ムカツク奴はやっつけてやるよ」
なんだこいつ。
「ワタシは勇者狩りの魔法使いカンテ=ローザ様だよ」
また、物騒な奴が出てきたな。そういう、職業があるんか。
「ワタシはカンがするどいんだ。おまえ、勇者と関わりがあるな」
「まぁ」冷や汗。これ以上、ペンちゃんに殴られたら頭がパーになってしまう。
「いずれ、勇者とも会えるだろう。行こう、つぎに勇者が来るとしたら・・・。近くのゴブリン洞窟だ」
※強引に「魔法使いカンテ=ローザ」がなかまにくわわった。
これ、どうすんだよ。勇者は頭をかかえた。
つづく




