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俺は勇者だ  作者: ごっち
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第17話「シュヘンの町(前編)」

第17話「シュヘンの町(前編)」


 朝。俺たちは馬で、草原をかけていた。


「ふああ」眠いな。昨日からほぼ不眠不休だ。


 ん? 行く手に影のようなものが見える。


 モンスターだ。面倒くさいな。俺は馬を止めた。あたりに戦闘音楽が鳴り響く。「いつきいても派手だな」早朝にはうるさいが。

 すると、馬上で寝ていたペンちゃんが「カッ」と目を見開き、モンスターの前に躍り出た。


 ゴツン! ボカボカ、ズリズリ? ぶんぶん、ばっこーん!


 戦闘は終わった。強い・・・。


 さすがに俺もバカではない。レベルが違う。


(それ以降、何度かモンスターに襲われたが出会った敵はぜんぶ、ペンちゃんがやっつけてくれた)


 実際、俺は馬にのり、様子をうかがっているだけだった。


 これで経験値が半分コとは、バツがわるいなぁ・・・。


「はぁはぁ、どうしましたか。勇者様」


「いや・・・・・・」


 返り血を浴びて、僧服もボロボロになったペンちゃんに対して何の言葉も出てこなかった。




 陽がだいぶ登ったとき、街道を進んで丘陵を越えると、次の町の姿が見えた。


 お、けっこう大規模だ。いっちょまえに城壁なんかあるぞ。


 石造りの壁を周囲にわたし、防御じゅうぶんな町へ馬を走らせた。ペンちゃんは、健脚をならして、あとについてくる。(この状況いいのかなぁ)


 町の入場門にたどりついた。


 勝手に町に入ろうとしたところ、門番に詰問された。


「身分は」


「ああ、おれはゆう・・」


 瞬間、殺気を感じた(ゾクっ)


 ふりむくと、ペンちゃんが鬼の形相でにらんでいる。そして、門番に聞こえない程度の小声で、

(また同じ過ちを繰り返しかえすつもりですか!)と言った。


「あやしいな。この辺りに荒くれ者がいると、報告を受けているぞ」


「いや、だからおれわぁ・・・」


 ペンちゃんが袖口をつかんで、無理矢理、俺を馬上から引きずり下ろした。


 もんどり打って転げると、背後からペンちゃんの手が伸びてきて、俺の口をふさいだ。


「ええと、私どものは旅の行商人です。荷物は馬にあります」

 ペンちゃんは答えた。


「ひどい姿なりだな。道中、苦労をしているようだ」


「ご迷惑をかけないようはげみます。(むぐぐ。息ができん)」


「通ってよし」


 門番もまさか、俺が勇者だと気付かなかったらしい。



つづく

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