第13話「戦闘について」
第13話「戦闘について」
外へ。陽もまだ高くあたりをみわたせた。
のっぺりとした平原が目の前に広がっている。
なんか冒険者どもが盛んにモンスターを狩っているな。
「戦わないです?」
なにやらペンちゃんはうずうずしている様子だ。
「安易だな・・・フッ。ここは見だ」
「さすが、勇者様」
はるばる寒村から王都へやってきた俺に油断はなかった。
道中のモンスターに襲われて、毛をむしられた経験はだてではない。
「ふーん」別にどうでもいいが、あたりを見渡した。
そこには、いかにも初心者と見えるパーティが、モンスターの群れに突っ込んで戦っている。
「死んだな」
いざ、客観的に見ると、他のパーティの戦闘はなんとも滑稽だ。
戦士っぽい奴が、モンスターに剣戟を一発、かますと、ほうけたように敵の反撃をまっている。
ターンがかわって、敵はその戦士の頭を殴る・・・。他のパーティは、自分のターンが来るまで何の反撃もせず、待っている。自分のターンが来ると、やる気を出しモンスターに殴りかかっている。どういうプレーなのだ。
これが世に聞くターン制戦闘というものものか。他のパーティは長々とした召喚呪文を唱えている間に、仲間が薪をくべて焼き芋を焼いている。これでいいのかなぁ。
ぼうぜんと見ていると、先ほどのパーティが窮地に陥っている。
ん? スライムがプレイヤーの顔にへばりついている。戦況不利か。
「ああ、やれちまった」
初心者パーティは全滅した。
俺はペンちゃんに向き直り、講釈をたれた。
「あのように、モンスターの性質を無視した戦術は死を招きます。敵が強かったら「にげる」。これが勇者としての最善の・・・」
「ふぐぁ、グググ・・・」
*何か灰色っぽい熊が目の前に現れた!
やばい奴が、来た。こいつは、凶暴で執念深い性質をしている。「にげる」がきかない!
「グリズリーです」
突如、ペンちゃんが熊に向かって走り出した。(俺のすばやさをうわまわった)
「えいやぁ!」
ペンちゃんはジャンプし、空中で1回転するとこん棒をグリズリーの頭にたたきつけてた、グリズリーをほふった。
俺はなすすべなくその場に立ち尽くした。
「ペンちゃん・・・強いね」
やばい。レベルが違う。
「はい! 一応の訓練を受けてきました」
ペンちゃんのステータスをのぞき、たかったが、ここは勇者として一線を越えてはいけない気がした。
完全に前衛キャラだ。べつに不自由はないし、いいか。
俺は街道を進んで、次の町か、村に歩みをすすめた。




