「なろうチアーズプログラム」は、ユーザーが「なろう」を支えるプログラムでもある 〜覚悟を決めねばならぬ時〜
皆様今晩は! シサマという者です。
いや〜、私SNSとかやらないので、知らない間に凄い発表があったのを数日遅れで知りました!
そう、「なろうチアーズプログラム」の事です!
正直私は、ユーザーに収益還元サービスなどを施さない趣味人サイトとしての「なろう」に安心感を覚えていたタイプの人間ですので、今回の運営さんの決断には驚きを隠せません。
しかしながらプログラムの概要を熟読すると、実は今回の決断は同業者(例えば「カクヨム」など)とは異なる事情があったんだな、としみじみ理解出来ました。
今回のエッセイでは、私のエッセイにありがちな長い前フリを排除し(笑)、なるべく簡潔に「なろうチアーズプログラム」の真実に迫りたいと思います!
①「なろうチアーズプログラム」における最優先事項は、中長期ビジョンでの広告収入安定化である
……いや、これは決して運営さんが「ユーザーへの収益還元なんてオマケだよ」などと考えている訳ではないんですよ(笑)。
サイトの未来を左右する決断ですからね。
プログラム概要の中に度々登場する「プログラム用広告」という言葉が、その鍵を握ります。
「なろうチアーズプログラム」に登録する事で、自身の作品の中から「プログラム用広告」を掲載する作品を選択。
「プログラム用広告」の閲覧回数(PV)や連載更新頻度、そして恐らくはポイントやブックマーク数などを加味した評価が「チアスコア」として提示され、その結果ユーザーに付与される「なろうリワード」により収益還元の額が決定するというプログラムですね。
つまり、「収益還元の可能性と引き換えに、広告のジャンルには文句を言わないで……いや、広告ジャンルの自由度を拡げさせて欲しい」という運営さんからのお願いです。
出版社やIT企業といった母体を持たない「小説家になろう」サイトは、広告収入によってのみ支えられているサイト。
しかしながら、今や老若男女が利用するサイトであるが故に、成人向けのコミックやセクシー系ソシャゲなどといった作品の広告を、無差別に掲載して良いものか……という議論が白熱していました。
また、近年の「小説家になろう」サイトにおける女性ユーザーの比率が高まった事で、運営さんもこの問題から目を背ける事が出来なくなったのだと思います。
勿論、誰も不快な気分にならない広告であっても、比較的多額の広告費を支払ってくれる広告主に対しては、運営さんも広告の露出機会を少しでも増やしてあげる企業努力というものが必要でしょう。
賛否両論あるとは思いますが、個人的には今回の決定は全方位に誠実な対応だと思いますね。
②運営さんは「なろうチアーズプログラム」の限界が訪れる可能性も把握しており、プログラム脱会という選択肢を用意している
多くのユーザーはプログラムの概要を読み進めるうちに、「広告収入に頼っているなろうだから覚悟はしていたけど、条件厳しいな〜収益還元ショボいだろうな〜」と感じたと思います。
まぁ当然ですよね。
そもそも最優先事項の①が達成されなければ、わざわざサイトの収益を削るだけの結果になりかねませんから。
チアスコアやなろうリワードが1年で消失するという条件は、確かにユーザーの視点に立つと厳しいです。
ただ、これはある意味「収益還元の見込みのない作品に対して、サイトや広告主への変な義理人情は持たなくてもいい」という運営さんのプライドでもあるでしょう。
拘束期間なしのプログラム自主脱会という選択肢を用意した点も、ユーザー側に発生し得る「予想以上にエグい広告が多かった」とか、「このままでは自身のスタンスに嘘をついてしまう」といった事態を避けるためには賢明な判断ですね。
③個々のユーザーは、「なろうチアーズプログラム」にどう向き合えばいいのか?
まず大前提として、これからの時代健全な広告、或いはサイトのイメージから逸脱しない広告だけでは「小説家になろう」サイトを維持する事は難しいと認識すべきだと思います。
私なんぞは、ユーザーから利用料を徴収して「徹底的な趣味人サイト」にしてしまっても良いと考えるタイプの人間。
しかしながら、それは私が唯我独尊スタンスの持ち主であり、「なろうチアーズプログラム」と相性最悪な1話あたり20000文字連載とかするやべーやつだからです、影響を受けてはいけません(笑)。
ユーザーのタイプ別対応としては、広告の内容に関して繊細なスタンスを持っている、或いはラノベの持つリアリティや価値観などに疑問がある、そしてその疑問を作品として発表する様なタイプのユーザーは、「なろうチアーズプログラム」に登録すべきではありませんね。
あと、1話あたり20000文字連載とかする下方に突き抜けたやつも論外どす。
私も地球1周分の周回遅れから、結果的に時代に立つために頑張りたいと思います。
書籍化したい、額は問わずにとにかく執筆で収益を得たいと考えるユーザーは、あらゆる失敗や後悔の経験値も込みで絶対に登録すべきです。
このタイプで迷っている方はいないと思いますけどね。
そして忘れてはならない事、それはこの「なろうチアーズプログラム」は、運営さんがユーザーの創作を支えるためのプログラムであるという以上に、我々ユーザーが「小説家になろう」サイトを支えるためのプログラムであると理解する事です。
私個人としては、ユーザーとしてのスタンスや作風、そして実績(涙)から考えて、「なろうチアーズプログラム」に登録しても何の得もありません。
とは言うものの、私の作品の中でも広告の内容に影響されず、加えて商業主義に寄っても何ら問題のないものはあるんですよね。
それは「ハードロック・ヘヴィメタル」や「エナジードリンク」などに関する嗜好エッセイです。
それらはとうの昔に完結済みで、今から大きくPVを稼げる見込みもありません。
しかしながら、これらの作品を「なろうチアーズプログラム」に登録すれば、私個人には何のメリットもない代わりに、「プログラム用広告」を掲載する広告主と運営さんには若干の、ちょ〜若干のメリットがあります(笑)。
つまり弱小ユーザーも、広告主と運営さんに恩を着せる事は出来る訳ですね。
チリも積もれば邪魔になる……いや、山になりますっ!!!
面白いと思いませんか?
……近年、「小説家になろう」サイトの失速、なろうブランド失速が盛んに叫ばれていましたが、新作アニメ、なろうブランドばっかりじゃねえか!?
中にはあんな迷作……いや、ビンテージカルトなろう作品までがアニメ化し、内容は置いといて(←置くなや)現在のアニメ、コミック原作になろうブランドは必要不可欠になってしまいました。
この現実の背景には、粗製乱造してでもサブカル商品を世界に送り出さなければならなくなった日本のSA-GAがある様に見えてなりませんが、我々なろうに残ったユーザーは、例え惰性で残っていたとしても(笑)、なろうが息絶えるその時を見届ける使命感みたいなものも感じてしまいます。
「なろうチアーズプログラム」に登録するも自由、登録しないのも自由。
損得勘定抜きにして部分的に登録し、広告主と運営さんに恩を着せるのも自由。
ただひとつ確かな事、それはなろうユーザーとして「覚悟を決めねばならぬ時」が来たという事です。