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第7話『その名をガンダム』



 ボケが! クソふざけやがって!

 時々居るんだ! こんなカスみてえなトラップ仕掛ける愉快犯のカス冒険者が!


 つまりここはいかにも安全地帯っぽく誘導しといて、激烈に危険なサメの巣ってことだ。気づいてサッサと逃げ出せば良かったんだが、あの人形調べるのに結構時間食っちまっていた! 

 さあ思い出そう。サメの生態は? 遠くからでも獲物の音を聞き取れる聴覚、臭いに敏感な嗅覚、ちょっとした水圧や水流、電磁波すら感知する高性能センサーのロレンチーニ器官。

 獲物が狭い町中に隠れていればともかく、サメの巣で呑気に構えていたらどうなるでしょうか。


 浅間山荘に鉄球がぶち当たったような音がしたと思ったら建物が大きく揺れ、天井が崩落しだした。ぶっ壊れて外と繋がった天井から、お懐かしきツインヘッドシャークさんがこちらを見下ろしていた。


「しつこすぎだろ。パチ屋で隣に座って演出覗き込んでくるやつかよ」


 そんな目をしている。

 ゴリゴリと隙間から身を捩って中に入ってくる。


「そろそろ死んどけ!」


銃を構えて目のあたりを狙い三点バーストした。昔、三点バーストってパチンコ屋の三店方式をカッコいい言い方にしたやつだと勘違いしていたことを思い出すのは走馬灯じゃねえよな。 

 眼球に命中。普通の軍隊や警察では銃弾に毒なんて塗らねえんだが、銃で即死しない魔物が標的アンド大口径の銃が水の抵抗で使えないという条件で、ここ最近ヴァルナ社が開発した毒弾だ。標的の内部で弾が壊れ、内部に積んだ魔物由来の猛毒(法規制されていないから国際的にセーフらしい)が体内に入る。

 目ん玉に叩き込めば脳に近いからより効果的なはずなんだが……


「うわあ……めっちゃ暴れてるんだが……弱ってる感じがしねえ」


 オレの微妙な攻撃はサメをより怒らせただけのようだった。物知りアルトの豆知識。サメってとても免疫機能が強いんだ! 毒にも強そうだよね!

 おまけに暴れて狙いが定まらない。適当に銃をぶっ放すが、眼球とたぶん口、エラ以外の表皮は楯鱗に弾かれて体内まで弾丸が突き刺さらない。サメは摂取したカルシウムで骨を作らない代わりに歯と鱗を頑丈にする。つまり、硬い。

 目なんて弱点、隣の台の演出盗み見するような目の油断したときじゃない限り当てられるもんじゃない。

 とりあえず銃で口元を狙って打ち、後ろへ泳いで距離を取る。なにか障害物にでも隠れながら逃げる方法を考えよう。ツインヘッドシャークが痛みに悶えて退いてくれれば一番なんだが。

 なにか使えるもの……特にねえな。海底遺跡には家具がほとんどないから隠れる場所もない。


「ええい、こんなときこそ起動するんじゃねえのかよ、このガンダム!(仮称)」


 仕方なく強化アーマーだか人形だかの後ろに隠れてチクチクと射撃を食らわせると、怒り狂ったツインヘッドシャークが周囲を破壊しながら寄ってくる。

 作戦は決まった。まずはこの人形をサメに齧らせる。これを咥えている間は口を閉じられないはずだから、その間に口の中へ全弾叩き込む。運が良ければこの人形がぶっ壊れ、内部に欠陥バッテリーかなんか積んでいたら爆発してくれるかもしれない。

 後はそれでツインヘッドシャークが死ぬか逃げるかオレを見逃すぐらい弱るかすることを祈る。うーん、祈って当たったタメシがねえんだよな。パチスロ。

 なんて考えているとサメの噛みつきが来た! 人形を盾に防御! なんか映画のジョーズよりも口デカくねえかこいつ!

 予想通りに人形の胴体をガッツリ噛みついた。一瞬で噛み砕かれるかと思ったが、人形はどういうわけか体全体が白い光で点滅するだけでまだ千切れていない。


「今からでも入れる保険があるんですか? ねえよ死ね‼」


 開いた口に痛み止めパッチで巻いた毒針セットを放り込み、更に銃身をねじ込んでフルオートで毒弾頭をぶっ放す! 毒弾とそれに当たって飛び散った毒針がサメの口に無数に突き刺さっていく。おまけに一発でラリるほどのクスリが口の粘膜と傷口から浸透するはずだ。

 口を突き破って脳に当たれ! なんかやたら点滅している人形がすげえ不安! 爆発しねえよな?

 もう何回痛がっているんだよってぐらいまた暴れたツインヘッドシャークが全身をくねらせて建物の壁なんかを粉砕した。オレの水中銃ももぎ取られて壊れた。

 石壁に叩きつけられてもまだ壊れてないあの人形頑丈だな……点滅の速度が早くなっている気がするけれど。

 そうしていると声が響いた。



『──状況判断。攻撃を開始する』



「ガッ……ガンダム?が動いた⁉」


 噛まれ放題だった人形の目が光り、固定されていたようにピクリともしなかった腕が機械的に動いてツインヘッドシャークの頭へと手に握った銃を向けた。

 サブマシンガンめいた銃から火花みてえな光りがバチバチと飛んで、噛みついているサメの歯茎を吹き飛ばした。これには堪らず、ツインヘッドシャークも人形を吐き出す。

 体の明滅が止まった人形は次にバックパックからなんかロケットみたいなのを取り出してサメに向かって発射。閃光弾か? 強烈な光を放つ攻撃を受けて、ツインヘッドシャークは顔を丸焼きにされた。これはもう死んだだろ!

 と、思ったらやけっぱちなのか知らんがガムシャラにオレの方向へ突っ込んできやがった。どんだけオレってあの軟骨魚類に恨まれているんだ⁉ 心当たりゼロ‼


「うおおおお危なあ!」


 身を捩って突撃を避けると巨大なサメは海底に突き刺さった。目も見えていないし、他の感覚器官もさっきの光か毒でズタボロになっているらしい。トドメを刺したいが、武器が……あった!

 ツインヘッドシャークがデカすぎてイマイチ気づかなかったけれど、頭に刀が突き刺さっている。最後っ屁にチェスターがぶっ刺したナミヒーラだ!


「こいつで最後だ! 鉄剣チャンスは本当にチャンスなんだからよお!」


 オレは刀を掴んでえぐるようにしながら引っこ抜き、脳の位置を狙ってもう一回ぶっ刺した。そしてグリグリと動かして破壊する!


「死にやがれってんだ!」


 チェスターなんて剣術バカと違って水中でサメの首を切り落とす芸当は不可能だ。

 神経締めした魚みてえにビクンビクンと何度か大きく尾を動かしたが、やがてツインヘッドシャークは脱力して死んだ。化け物の死だ。

 やっと! やっと死にやがった!

 このイカれたモンスターめ! マジでしつこかったぞクソ!


「はあ……よっしゃ、勝ったぞ……いや待てよ。こいつ小サイズだけど懸賞金出てたよな。ボディカメラに写ってると思うが一応カメラで撮影しとくか」 


 手首に巻いていたスマートウォッチを動画撮影モードにして自分とツインヘッドシャークの死骸が写るようにしておく。


「イエーイ! ラッキーハッピーパラダーイス!」

『あのう……』


 オレがテンション高めに(とんでもなく苦労したもんで、ハイになっていた)自撮りしているとおずおずとした様子で話しかけられた。

 スマートウォッチを戻して振り向くと、例の人形が近くに浮いている。


「おお、そうだった。どこの誰だか知らねえが助かったぜ。オレはアルトってんだが、それ強化アーマーか? 長距離移動できるなら外まで連れて行って欲しいんだが……」


 完全自立ロボでAIが動かし応対している可能性もあるが、それでも頼む価値はあるだろう。だってもうほとんど夜だし。泳いで帰りたくねえよ。疲れた。


『アルト……? うっ……』 


 人形は首を振った。振ったっていうか、ディフォルメされた体つきだとコケシの頭部分が左右に捻ったって感じだが。

 そして苦しげな声を出している。


『私は誰だ……? ここはどこだ……? どうして水の中に……? 思い出せない……』

「おいおい! ちょっとまさか、こんな危険地帯で記憶喪失なんて面倒なネタ……!」


 マジかよ。いや、実のところ冒険者で何人か記憶喪失になったやつの話も聞いたことがある。魔物の毒や精神攻撃、または普通に酸欠なんかでなるらしい。


『気がついたらサメに咥えられ振り回されていて……咄嗟に反撃をしたが……』

「待て待て。一つずつ確認しよう。まずアンタはそれ、強化アーマーに入ってるのか? 中に乗って操縦するやつ。おしゃべりAIじゃねえよな」

『ああ。操縦席にいる。……自分のことは思い出せないが、これは知っているな。名を『スペランクラフトジャケット』。操作方法もわかる……なんでだろう? 私はこれをどこから手に入れて、なぜ乗っているのか……』

「知らんが。まあいい、動かし方がわかるなら……とりあえずここから脱出しよう。サメの死骸を食いに他の魔物が寄ってくるぞ」

『了解した。が、方角がわからない。ナビゲートしてくれ』

「あいよ」


 強化アーマーのバックパックに接続されたスクリューが動き出したのでオレは背中に捕まって行くことにした。

 不安は残るが、ともかくこいつで帰れる……大変な思いをした……あっ! マグロも回収しねえと!



 ******




 ひとまず、音速マグロを捕獲したポイントに向かうことにした。捕獲したってことはオケアノスも音速マグロの群れを回収するつもりだし(死体でもめちゃクソ貴重なんだから当然だ)、あの海水全部ゾルにしました的な罠は外すのに時間がかかる。

 スペランクラフトジャケットとやらはそこそこの巡航速度が出て、時速二十キロメートルぐらいで安定して進める。

 移動しながら中の人の記憶喪失具合を確認していた。


「えーと、じゃあつまり名前も出身も思い出せないし、ここがダンジョン周辺海域だってことも知らねえし、オケアノス海運もヴァルナ社も全然覚えがないと」

『そうなる』

「日本もアメリカも中国も知らん。スターウォーズもマリオも北斗のグェンも?」

『ううむ』

「三角形の外角の和は?」

『三百六十度』

「九の平方根は?」

『三』

「十ヤードは何メートル?」

『単位がわからない……』


 ……こりゃ深刻な気がする。

 常識がまるっと消えている。自分の国どころか地球上に存在する国の名前すら知らないと来た。算数の知識はあるみたいだが。宇宙服を着ている宇宙人とかじゃねえよな。


「リピートアフターミー。アメンボ赤いなアイウエオ」

『? アメンボ赤いなアイウエオ』

「喋ってる言葉は日本語っぽいのが余計に混乱するな……」

『そうなのか』


 まあ……深く考えても仕方ないのかもしれん。

 そんなことを話していると、時折小型の魔物……ゴブリンフィッシュやクラゲゴースト(日本近海に生息する非魔物のユウレイクラゲとは別種。精神錯乱系の毒を持つ)が進行方向に現れることもあった。

 しかしその度にこの記憶喪失マンは手にしている変な銃をバババと光らせると魔物を一蹴していった。


「その銃なんなんだ? 緑の火花みたいなの出てるけどよ」

『ブラスター。光線銃の一種だ。水を透過する波長の熱光線を発射するが、屈折と熱の拡散があるから有効射程は短い』

「へえ……水中用レーザー銃。初めて見た」


 いやそもそもレーザー銃なんてSFアイテム見たことねえんだけど。死の商人こと武器の開発販売じゃ第三世界でブイブイ言わせているヴァルナ社のカタログにもなかったぞ、そんなん。


「あのサメに打ち込んでた光るやつは?」

『フラッシュのことか。プラズマを電磁誘導して打ち出す武器で、高熱のプラズマは近くにいるだけで熱と光で被害を及ぼすから巻き込みに注意が必要なものだ』

「へえ……プラズマ兵器。初めて見た」


 同じようなうすらぼんやりした返事をした。本当になんなんだ、この人型兵器。やっぱりガンダムじゃないか(納得)。


「記憶はないのにそういう武装の知識とかはあるんだな……」

『そうだな。なんとなくわかるし、機体内部でマニュアルを表示もできる。さっきから記憶が戻らないか、それを確認していてな』

「ふーん。大変だなアンタも……名前ぐらい思い出さねえ?」

『……思い出せないな』

「じゃあ適当にオレが名付けていい? 『ガンダム』でどうだ」

『なんか嫌だ!』

「本能的に嫌がるとは記憶を失う前はきっとガンダムアンチだったんだな……確かに逆シャアの台はクソだったけどよ……シードも……」

『そういう問題か⁉』


 仕方ない。版権モノは後で怒られるかもしれないので別にしよう。


「とりあえずは助っ人の『センセイ』ってことにしておくか」

『センセイか……了解した』


 そういうことになった。

 ともあれ、センセイと呼んでいいぐらいには頼もしく魔物を蹴散らし回収地点へ向かった。スマートウォッチで方角を確認しながらマグロ捕獲の現場へ向かうと海面にはライトを海に向けている船『パイエケス号』がいるようだった。


「よっしゃ! これで帰れる!」

『私も乗せてくれるのだろうか』

「大丈夫だろ。島に戻りゃ色々わかるんじゃねえの? 身元とか」


 そもそも三岳島自体が怪しい連中ばっかりが集まっているわけだが。それでも基本的に島に入ってなんらかの活動を行うにはオケアノスへのID登録が必要だ。じゃないと島内通貨エレクが使えない。


「もしIDがなくても登録すりゃ島での滞在はできるしな。少なくともそこらのチンピラ冒険者より腕は立つんだから魔物狩りで稼げるだろ」

『そういうものか』


 これが日本の本土へ連れて行くとかだと、やれ武装の没収だの、記憶喪失の外国人向けに役場で戸籍の所得だのと手続きは面倒になりそうだが、世界中から命知らずや借金持ちを連れてきては使い捨てにしている三岳島はその辺適当だ。

 海面に向かって上がりながらスマートウォッチを「攻撃すんな」の意味を持つ発光パターンに光らせる。昼間ならまだしも夜は魔物を警戒していきなりぶっ放すことあるから注意が必要っていうか、危ないし基本的に夜に活動する冒険者は少ない。

 攻撃されなさそうな気配を確認して、オレは海面から頭を出して、クソ邪魔なヘルメットを脱いで船に呼びかけた。


「おい、オレだ! 撃つんじゃねえぞ!」

「アルトくん、おかえりだねぃ。ビーコンが反応して生きていたのは知っていたけれど……どこに行ってたんだい?」


 船上からゴジラさんが呼びかけてくる。


「ツインヘッドシャークに追い回されてたんだよ。ぶっ殺してやったけどな。そんで、仕事終了でいいんだよな?」

「へー! あのツインヘッドシャークを……これは驚きだねぃ。きっとギルドでも評判になるよう。よしよし、もうちょっとでマグロを引き揚げるから船に上がって待ってて」

「オレのマグロも頼むぞ。一番デカいやつ。……ところで、海底遺跡で記憶喪失の冒険者拾ってきたんだけどそいつも乗るぞ」

「記憶喪失? まあ、船で騒ぎを起こさないならお姉さんは別に誰を乗せても構わないけどねぃ」

「おーい、大丈夫だってセンセイ。上がってこいよ」

『了解した』


 返事をすると海中に居たセンセイは手を船に向け、ワイヤーフックを発射した。実は結構冒険者でもワイヤーフックを装備しているやつは多い。引っ掛けて巻き上げることで海底を泳ぐより高速移動したり、魔物に巻き付けて行動阻害したりするのに使えるからだ。

 センセイの撃ったワイヤーは船の縁にある手すりに巻き付き、リールとスクリューの推力で薄らデカい強化アーマーを船上へ引き上げる。

 海坊主のように上がってきた(つっても海坊主が船に上がってきたところ見たことねえけど。オレ)センセイのキグルミめいた異形に、何人かの警備兵どもはビビって銃を向けてくる。

 オレも船の横についているハシゴで軽く登って、センセイを紹介した。


「こちら、記憶喪失のセンセイだ。変な格好してるが強化アーマー着ているからタダモノじゃねえだろ。銃なんか向けるなよ。たぶん手前らより強いぞ」


 水中で魔物と戦うための強化アーマーだろうと、その強度は非常に硬い。八メートルのサメに噛みつかれても中がどうにもなってないことからもわかるが、ライフルなんぞ撃っても効かないだろう。

 ついでにこういうのはパワーアシストの強力なのがついているので人間なんてワンパンで水風船みたいに割れる。


『同乗させてもらう。隅で大人しくしているから安心してくれ』


 センセイがそう周りに告げ、ゆっくりと歩いて邪魔にならなそうなところへ歩いて行った。まあ、心配はいらんだろ。レーザー銃で武装した強化アーマーだぞ。エイリアンが襲ってきても倒せるわ。


「そうだゴジラさん。オレ以外の連中生き残ったのか?」

「生き残ったのはギリギリ船に避難できた三人だけだねぃ。死亡確認が七人。四人は行方不明」

「そりゃまた死んだなあ」


 十五人中、生存者はオレ含めて四人だけ。ひでえ仕事だ。現代の奴隷剣闘士かっての。

 よくこんなので冒険者志願は減らねえなと思うが、求人は世界中から連れてきている上に借金持ちも多い。なにより、アホだからだ。闇バイトのリスクを考えられねえやつみたいに自分だけは大丈夫だと思っている連中はどの国にも満遍なくいる。

「ところでチェスターの死体は残ってたか?」

 ズタボロになって死んでいたのは遠目に見たが。ミス・ゴジラは頷いた。


「ああ、冒険者登録名『チェスターマン・ユナイト』ねぃ」

「あいつそんなプレミアリーグみたいな本名だったんだ」

「数年間だけイギリスでチェルシーに所属していた経歴があるみたいだねぃ」

「そこはマンUじゃねえのかよ……っていうかプロサッカー選手がブラジリアン示現流の冒険者とかすげえ転落人生だな」

「死んでるっぽいけれどヴァルナ社との契約で遺体と装備一式をヴァルナ社に引き渡さないといけないから回収して遺体袋に入れて氷水に漬けてるよう。戦闘データ取りじゃないかい? ……アルトくんが持っているそのサムライソード、チェスターの装備だよねぃ」

「えっこれボク拾ったやつだからよく知らないですぅ」

「登録されていて一発でわかるから。ヴァルナ社に目を付けられなくないなら素直に提出した方がいいよう」


 チッ。高そうな近接兵装だったからオレのモノにしよう……もとい古道具屋に売っぱらおうかと思っていたのに、チェスターの遺品として渡すことにした。

 様々な水中用装備を供給している暗黒メガコーポヴァルナ社に喧嘩売って得することはない。逆に装備のテスターになれば安値で高性能の装備が手に入る。チェスターもそんな契約で刀を改造させていたのだろう。その代わり死体まで弄られるが。


 ともあれ今日の仕事はこれで終わりだ。装備を外して、島に戻るまで休憩することにしよう。随分とピンチ続きでくたびれたが、まあ冒険者の日常なんてこんなもんだ。


 きっと次の冒険もこんなもんだろう。




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センセイまじか…あれか?もしかしてセンセイのセンセイか?
これ、絶対にチェスター復活するフラグやな あと、エイリアン製のパワーアーマーかな?
センセイ登場となれば買わざるを得ない。もうポチってあるけど。
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