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認められない二人

作者: 雉白書屋

「怒られちゃったね……」

「うん……」


「追い出されちゃったね……」

「うん……」


「もう二度と顔を見せるなって……」

「うん……」


「認めて貰えなかったね。お父さんに。僕らのこと……」

「うん……」


「でも」

「うん」


「ふふっ、まだ何も言ってないよ」

「うふふっ、でもわかるの。あなたの言いたいこと」


「僕もだよ。君が考えていることが不思議と分かるんだ」

「うふふ。じゃあ、当ててみて」


「いいよ。……でもきっと二人同じこと考えてると思うよ」

「うふふっ。じゃあ、順番に言いましょう」


「ふふっ、いいよ」

「あなたからね」


「『こうなって良かった』」

「『だって、君と二人だから』」


「『何も怖くない』」

「『だって』」


「『愛してるから』」「『愛してるから』」



 肌を撫で合い笑う二人の声。それは遠く離れた父の耳にも届き、顔を顰めさせた。

 こうなってはもう止めようがない、と。

 やがて時が経ち、彼らの父は彼らの子を、孫を見下ろした。そしてあの時予期した通りになったと、また顔を顰めぼやいた。


「だからあの果実を食うなと言ったのだ。アダム、それにその骨から作ったイブ。お前たちは言わば兄妹だぞ。見てみろお前たちの子孫どもを。近親相姦のせいだ。ああも殺し合ったりして、異常だよまったく」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 深み……(笑)
2024/04/19 15:20 退会済み
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