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物語調の詩/短編

月を待つ夜

作者: 日浦海里

月が明るく輝く日には

夜は寂しく朝を待ってる


白くふわりと包んだ衣は

近づきたくても

触れられなくて


朝が纏う紫紺の衣に

一緒に混ざりあうことで

ほんの少し触れられるだけ


触れた端から

朝に侵されて

夜は月の白い背を見ながら

空に溶けてく




月が姿を隠してる日は

夜はずっと月を探してる


この身の内に取り込んだはずの

透き通るような白い背追って


夕が残した茜の衣に

波打つような白い輪郭が

ほんの少し見つかるだけで


触れた端から

夕に沈んで

夜は月の白い肌を夢みながら

空に染みていく



月の涙が零れた日には

夜は夜は静かに帳を下ろす


誰にも夜にも見えぬよう

誰にも夜にも気づかれぬよう


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― 新着の感想 ―
[良い点] 夜の擬人化というのがとても興味深い発想で、夜も月も好きモチーフなので、いろんな色を思わせる素敵な言葉を楽しみながら拝読させていただきました。 夜は、月のことが大好きなんですね(*´艸`*)…
[一言] 『月』を待っているのは『夜』なのですね。  自身が消えるというのに、僅かに触れ合えるその刹那を待ち。  姿が見えねば探し焦がれ。  涙を零せば自身にすら見えぬよう隠して。  どこか献身的…
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