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お題シリーズ4

それほどない解答

作者: リィズ・ブランディシュカ



 テストの採点をしている時、とあるテスト用紙を見て俺は愕然とした。


 解答欄が埋まっていない。


 解答されている問題があまりなかった。


 俺はそのテスト用紙を見てうなった。


 この分だと、一桁の点数だな。


 成績表を付ける時、どうしよう。


 このテスト用紙の生徒は普段から授業を真面目に受けていない。


 授業中は隠れて漫画を読んでたり、ゲームをしていたり、寝ていたりする。


 将来それでは困るだろうに。


 けれどいくら俺が注意してもまったく聞かない。


 そもそも普段から勉強しないんだもんな。


 勉強が好きな生徒とか、勉強する癖がついている生徒はいい。


 希少な生徒だが、あまり見なくても勝手に点数を取ってくれる。


 俺が工夫して授業をすることによって、勉強に興味を持ってくれる生徒もいい。


 注意して嫌々だけど勉強してくれる生徒も。


 そういった生徒は、平均点はとってくれるのだから。


 けれどまったく勉強しない生徒は危ない。


 将来、進学する学校を選ぶときこまるし、就職でも不利になってしまう可能性がある。


 そういった生徒のやる気を出す方法があればいいが。


 おそらく根本的な問題をどうにかしないとならないのだろう。


 たまに、他の生徒とはまるきり関心事が異なる生徒がいる。

 そういった生徒に、いつもの、あたりまえの授業をしても通用しないのだ。


 かといって、一人につきっきりになっているわけにもいかないし。


 その一人にあわせて授業をしていては、他の生徒を置いてきぼりにしてしまう。


 学校教育とは難しいものだった。


 教師を目指して勉強している前は、大人はなんでちゃんと子供を見ていないんだろうと思っていた。


 けれど実際に教師になると、一人一人をきちんと見て、適切に指導していく事がいかに難しい事かが分かった。


 今の世の中にある、マニュアル通りの教育では、フォローしきれない生徒が出てきてしまうのだ。


 そうしないためには、教育全般の在り方を見直す必要があるのだが。


 俺一人が声をあげても、変わらないだろうし。多忙で仕事に忙殺されている教師達にそこまで目を向ける余裕があるとは思えない。


 生徒の問題を解決するために教師の問題を解決せねばならないという、がんじがらめの現場に頭が痛くなってくるのだった。



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