「おはよう」の歌
「おはよう」
なんて毎日
あなたに言っていたのは
当たり前の儚さを痛感していたから
「おはよう」
今日もいい天気だね
あなたは言う
「おはよう」
そうね良い天気ね
あなたの「おはようは」綺麗なのね
でも最近
なんだか遠くを見つめるあなたが
とても小さく見えて
消えたら嫌だな
命が儚くて
咲いた花は散って
降った雪は溶けて
当たり前のように消える
明日もこのまま溶けて
無くなってしまうくらいなら
明日なんていらないからさ
今日だけでいいからさ
【おはよう】
◇
「おはよう」
今日はいつもより
あなたの声が穏やかで
だから私もなんだか嬉しくて
今日は“大丈夫”って思っていたの
「おはよう」
あれおかしいな
いつも早く来てくれるはずの
あなたが今日はいないから
迎えに行ってみよう
熱なのかな
風邪でも引いたのかな
そんなのってないよ
命が儚くて
星もじきに消えて
虹だって空に溶けてゆく
「何もない」ができるの
当たり前のことのように
あなたは微笑っているの
昨日の微笑みとおんなじような
笑顔を灯して
【さようなら】
◇
命が儚いのに
消えるってわかっているのに
貴方が毎日優しい瞳で見つめていたものは何?
どうして微笑むの
どうして悲しまないの
そうか
私が泣かないように
笑っていてくれたのね
優しい嘘を毎日毎朝つき続けてくれていたのね
◇
命が儚くて
朝日が登るように
貴方が微笑むように
私達は消えてゆく
当たり前のように
流れてゆく時間も
涙も心も痛みも辛さも
全部を越える
勇気を
嗚呼
上ずった声で微笑んで
にこやかに愛していると言う
私がもらったあなたの最期の
笑顔がくれた勇気で
あなたに言ったわ
ねぇ
最近捨て猫を拾ったの
出会った頃のあなたみたいに
不貞腐れてるの
この子も
私より
早く居なくなるのは
知っている
でも
命が儚くて
それでも綺麗で
必死になるから
私達が朝を迎えるの




