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夏の奇跡  作者: 夜月
2/4

出会い

書くのが遅いので気長に待ってくだされば幸いです!宜しくお願いします!

【今から8年前…】


夏の昼下がり…俺はビルの屋上で呆然と空を見つめていた。


「俺…生きてる意味あんのかな?死んだら楽になれるかな?」


俺は独り言を言うと屋上のフェンスを登り始めた。


(ガシャ…ガシャ…ガシャ…)


「君…死ぬの?」


フェンスを登っている最中に後ろからそう聞く声がし俺は振り替えった。


「何時から…いたの?」


俺が振り返った先には、俺と同じ年くらいの女の子が立っていた。


「うーん…君より前にはいたよ?」


女の子は首を傾げながらそう言う。


「…なんで声を?」


「いや…えーと…どうせ死ぬ気なら、君のこの夏…私にくれない?」


「夏を?」


唐突にそう言われ俺は首を傾げてそう聞く。


「そう!今年の夏休み一ヶ月私と旅に出ない?」


女の子は手をパンッと叩いて笑顔でそう言った。


「旅?なんの?」


俺は更に首を傾げてそう聞く。


「うーん…自分探し?」


女の子は静かに目をしたに流しながらそう答えた。


「自分……探し……?」


俺は女の子の答えに首を傾けそう聞く。


「そう…君がなんで死のうとしてるかは知らないけど、私もさっきまで此処から飛び降りようとしていたんだよ?」


「えっ?君も…?」


女の子のいきなりの告白に俺は登っていたフェンスから手を離し、下に着地した。


「死ななかったの?」


「うーん…飛び降りようとしたら風が吹いてね…後ろによろけて尻餅着いた拍子に空を見上げたんだ…」


「空?」


女の子は空に向け指を上げた。

その勢いに俺も空を見上げた。


「そう!空!」


女の子が指差した空は今まで見ていた空とは比べ物にならないくらい幻想的な光景だった。

その空は何処までも青く広がって、雲は色を着け輝いていた。


「………」


その景色を見た俺は、息を飲み込む事しか出来ず言葉が出ずに空を見上げていた。


「やっぱり…見いっちゃうよね?こんな景色私も今まで生きてきて初めて見た!」


女の子は笑いながらそう言う。


「俺も……初めて見た…」


空を見上げながら俺はそう口にする。


「こんな日に死に向かうなんて勿体ないって…そう思ったんだ!だから死ねなくなった…そして、こんな綺麗な景色見てたら旅に出たくなったんだ!そこに君が現れて私同様死のうとしてるのが分かってね…せっかくなら旅は道ずれ世は情け!ってことわざ思い出して話しかけてみたんだ!」


「ははっ……はははははは!」


俺は女の子の話にいつの間にか腹を抱えて笑っていた。


《何時振りだろう、こんなに笑ったのは…》


俺はそんな事を思いながらまた空を見上げた。


「ちょっと…笑いすぎじゃない?大丈夫?」


女の子はそう言って首を傾げる。


「なんか…死ぬのが馬鹿らしくなったよ…分かった!自分探しの旅…一緒に行くよ!今年の夏休み全て君にあげる!」


「本当!?」


女の子は貯水庫の上から身を乗り出してそう言った。


その時また強い風が吹く。


「わっ!」


女の子は風に煽られ貯水庫から手を滑らせ俺の方に一直線に落ちてきた。


「えっちょっ!」


俺は両手で女の子をキャッチし後ろに倒れる。


「いってー………」


「ごめん…大丈夫!?」


俺の顔の目の前に女の子の顔がある。


上にいる時は遠目だったから気がつかなかったけど落ちてきた女の子はめちゃくちゃ可愛い子だった。


「まぁ…平気…」


俺はそう言いながら女の子から目をそらした。


「本当にごめんね!自己紹介まだだったね!私の名前は坂月(さかづき) (ひな)君は?」


「あぁ…俺は稲辺(いなべ) 智輝(ともき)


「稲辺君…だね?」


「うん…えーっと…さ…坂月さん…」


俺は照れながらそう口にした。


「ははっ…えーと…稲辺君…私ね名字呼びあんまし好きじゃないんだ…だから名前で雛って呼んでくれるかな?」


雛はよっと声を出し立ち上がると俺にそう言い手を差し伸べてきた。


「俺だけ雛って呼び捨てなのおかしいし…俺も名前で智輝…いや…ともって呼んで!」


「とも君だね?これから一ヶ月宜しく!」


「うん!雛!」


雛の小さな華奢な手を握り俺も立ち上がった。


夏の昼下がり、ビルの屋上、命を絶とうとしてた俺たちは夏の空に見せられて、大きな旅に一歩踏み出した。

最後まで呼んで下さりありがとうございます!

これからも宜しくお願いします!

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