フェンリル。
なんで、フェンリルは俺に頭を下げているんだろうか・・・。
目の前にいるフェンリルについて考えていると・・・。
「何をしている。名を付けよ。」
と言ってきた。
「な?名前?なんで俺?え・・・は?」
いきなり何?!
「お主、愛し子であろう?我、フェンリルは愛し子の使い魔。愛し子にしか使い魔に出来ぬのだ。」
どうだ!すごいだろう!と言わんばかりに威張っている。
「愛し子・・・。」
と、つぶやきながら護衛の人達に助け求めようと目線を向けると、全員倒れていた。
「え!なんで!さっきまでは、こっち見て立ってたのに!」
「我が眠らせた。」
すぐさま護衛達の元へ近寄った。
「本当に、寝てる・・・。はぁ。」
生きてると分かり、安心してると後からすごい視線を感じた。
「あ・・・えーと。」
「早く、名を付けよ。」
いや!だから!説明しろって!!
なんでいきなり契約結ぼうとしてんだよ!
それと愛し子って何!
「な、名前をつけるも何も、よく分からないんだけど・・・愛し子?何それ。ほんとに俺なの?」
「ん?愛し子とは神に愛されし者の事。お前からは神のオーラが出とるからな。愛し子で間違いなかろう。」
そんなオーラ出てんの?!
「まぁ、普通の人間や、弱い魔物には見えないがな。分かったら名を付けよ。」
「どうしても名付けないとダメ?」
そう聞くとダメだ。と即答された。
「はぁ。もうしょうがないか。そうだな・・・まぁ、安易だけどエルってどうかな?フェンリルから取ったんだけど・・・。」
「ふむ。エルか・・・。気に入った!!今日から我はエルなのだ!!」
「よろしく。エル。ところで・・・護衛の皆はいつ起きるの?」
「む?」
む?じゃなくて!
「そろそろ起きると思うのだが・・・」
「あ!そうだ!このまま街には行けないから少し小さくなれない?」
「なれるぞ。・・・こんな感じでどうだ?」
エルは、柴犬くらいの大きさになった。
「か、可愛い・・・。」
俺が小さくなったエルをワシワシ撫でていると寝ていた護衛のみんなが起きた。
その後は、起きた護衛の皆に説明して、屋敷に帰った。
もちろん父上にも説明した。
フェンリルを、見て固まってたな。
今日は、色々ありすぎて疲れた。