気づけば5歳。
「説明それだけ?!」
と言いながらガバッと起き上がる。
・・・ん?
ここは・・
あーここは転生した俺の家か!
広い部屋、ふかふかのベットという事は、貴族の家に産まれたのか・・。
そう、ベットの中で考えていると、扉をノックする音が聞こえた。
コンコン。
「はい・・」
返事をすると、女性が一人入ってきた。
どうやらメイドみたいだ。
「坊ちゃま!!お目覚めですか?あ・・す、すぐに旦那様と奥様に伝えてまいります!」
そう言い、俺を見るなり慌てて出て行った。
「え・・・何事?」
少し経つと、扉が勢いよく開いた。
バンッ
「エディ!良かった・・・。」
そう言いながら女の人が抱き着いてきた。
会った事もないはずなのになぜか、この人が母だという事は、すぐにわかった。
母の名は、ローラ・フォン・ナヴァール。
たぶんそれは俺(東雲 咲)の記憶が戻る前の記憶。
そして今呼ばれた名前が俺の名前。
「母上、苦しいです。」
そう声を掛けるとハッとして、俺を離した。
「ごめんなさい、苦しかったわね。ただ目を覚ましてくれて嬉しくてつい・・。」
何があったのか聞こうと声を掛ける瞬間、また扉が開いた。
「気分はどうだ?どこか辛い所はないか?」
「はい。ありません。父上。」
そう、この人が俺の父。
アレクセイ・フォン・ナヴァール。
爵位は公爵だ。
「父上、何があったのですか?覚えていなくて・・・それにどのくらい眠っていたんですか?」
「それはな、屋敷の階段から落ちて意識が戻らなかった。1週間もな。」
「私は生きた心地がしなかったわ・・・。このまま目覚めなかったらどうしようかと・・。」
そんだけ目覚めなければそりゃ心配になるよな・・。
「だが、目覚めてよかったとはいえ目覚めたばかりだからな。医者を来るまで安静にしてなさい。」
優しく問いかけてくる。
「はい。」
返事を聞くと、父上と母上は部屋を出て行った。
優しい両親だな。
そのあと医者に診てもらい問題はなかった。
そして、5歳になったら必ずするお祈りが明日ある。
それも行っていいとのこと。
なので、明日に備えて俺は休むことにした。
明日が楽しみだ。