1/1
幼いあの日
あなたとの恋は
遠回りでした。
.: *:・遠回りレンアイ.: *:・
〜プロローグ
∟幼いあの日
「りょ〜うちゃん!!」
毎日が良ちゃんで満ち溢れていて、
毎日が良ちゃんでキラキラと輝いていたあの頃。
「いたっ!!」
いきなり二つに結んだ髪の毛を引っ張られて、私はすっとんきょうな声をあげた。
「何するのよ、ケンボー!!」
「うるせえ、ブリンセス!
お前、俺の牛乳とっただろ!!」
「はあ!? なんで私があんたの牛乳なんか……」
ちょっぴり背の高い男の子--彼は藤本健一くん。
通称、ケンボーは、私の天敵である。
私が呆れた口調で言うと、ケンボーは更に言葉に続けた。
「素直に言えよ、ブス!!!」
「ブスで悪かったわね!」
私の右手がバシンとケンボーの左頬に見事命中!