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3日から綴る  作者: WaRaBi
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ショニチ

今日と云う日に感じた事は他人にはどうでもいいこと。だけども自分にとっては意味はなくともとても大事な事ってある気がする。そんな日常の中の少しの部分を切り取って綴っていくはなし。

仕事帰りのコンビニエンスストアにて、唐揚げ弁当を見つめたままフリーズする。

どのくらいたったのかわからないけど弁当棚に搬入された各種弁当を並べ出した定員さんとの軽い接触にてフリーズが解けたが、我にかえって気付くこっぱずかしさ。

弁当棚からゆっくりとスイーツの棚に向きを変えた。

こっぱずかしさを悟られないように取り敢えずカップの新作スイーツを手に取り、さも興味があるかのごとくを装ってみた後横目で定員をチラ見してみた。

変な邪魔者が立ち去り、仕事がスムーズにすすんでいる様子である。巻いたままのマフラーに鼻先まで沈めた。

なんで唐揚げ弁当?

そうしてまたフリーズが始まっていく。

事の始まりは職場での昼休みだった。

約3年前に別れたあの人の近況の片鱗に触れた事に起因する。

どうやら長年勤めていた職場を辞めるらしい。

色んなことが頭をよぎった。

あの人がどんな気持ちでその職場を選んだのかが思い出される。


ようやくの内定から自分と別れるまでの間にどれほど現実とのギャップやそれに伴う葛藤や悦びを嫌というくらい共有をしてきたのだ。

あるときには私のせいで出世のチャンスをふいにしてしまった事もあった。

あの人からすれば大事な人生の分岐点だったのにも関わらず、だ。

「この仕事に携わる事が出来て本当にしあわせ」

とよく言っていたのを思い出す。

何があったの聞いてみたい衝動に駆られたが、連絡を取ることはとてもじゃないができない。

少し胸がざわつくがこればかりはどうしようもない、と自分に言い聞かした。

あぁ、私の中でまだ全てが終わっていないのだなと今更ながらに気付く。


あの人の笑顔が好きだった

たくさん笑った

あなたに名前を呼ばれるのがとても好きだった


でもたくさん傷つけた


この気持ちもどうしようもないのだなぁとコンビニエンスストアの唐揚げ弁当の前で思い出し、あぁそういえばいつも買うのは唐揚げ弁当ばかりだったなぁ、本当好きだったなぁ本当に…とフリーズと相成ったのである。

ため息をひとつ吐いてみた。

手に取っていた新作スイーツを棚に戻し、もう一度弁当棚に向きを変え残っている唐揚げ弁当を手に取った。

今だゆっくりと搬入弁当の陳列をしている定員と目があった。

どうも、と会釈をしてからレジに向かい会計を済まし店を出た。

ありがとぉうーごさいしたぁーと言う定員の声を背中に受けて寒い帰り道を自宅へと急ぐ。

巻いたままのマフラーに鼻先まで沈めたまま、願わくば幸せであれと強く思った。

鈍く輝く夜空の星にそう願った。

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