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俺の敵は………!!?

作者: (☆・´ ω・`)ちらっ

先生………単位が………欲しいです……!

突然だが俺には弟がいる。

弟は魔法学校とやらに入って17歳の現在では英雄扱いだ。

こんなことを話している今でも異世界がウンタラカンタラで世界を救うために可愛い女の子達と一緒に戦っていると聞いた。


しかしそんな弟を持つ俺は今何をしているかというと………


〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○


「神さまぁ!仏さまぁ!!どうか!どうか!私に合格点をお与えくださぁぁぁい!!!」


弟が世界を救っているのと時を同じくして俺は神社に向かって土下座していた。


既に日は沈んでいる上に神主が知り合いということもあってのこの 土下座 である。


そう……俺も戦っていたのだ………単位という敵に!!


単位……それは残酷にして残虐、無意味にして悪意の塊、落第をかけた戦いそれが単位である。


才能溢れる弟や妹と違い平凡だった俺は普通の高校を卒業し、なんとか公立大学へと進学していた。

結果的に寮生活をしている弟達よりも両親と仲がいいし、パソコンも友達もゲームもあるからはっきり言って不自由はしていない。


ただ単位は別だ。

両親から「落第したらお前のコレクションとやらを砕く。」という脅しを受けたのがつい昨日。

結果が出るのがあと数日後である。

俺は結果として昨日からぶっ続けで28時間土下座している。

もはや神頼みをするしかないほど大学でも無茶をしていた俺にできるのはそれだけだった。


なぜそこまでするかって?


コレクション(ゲーム)がかかっているからさ。


既に1日以上が過ぎている。

7時間おきぐらいに見に来てくれる神主(友人の父)からの目線は最初こそ微笑んでいたが今ではもはや絶対零度に達していた。


「高望みはしません!だから及第点をぉ!!」


神に頼むのに徐々にいい点数→合格点→及第点とランクを下げても意味がないぞとは友人の談である。

詐欺師や違法販売の人が使う手口では神には通じないようだ。


「お前は弟のことを祈ろうとは考えないのか。」


そう問いかけるのは神主の娘にして俺の親友Aである。

彼女は一応女ではあるのだがそのまな板とイケメンというのが似合う顔つきのせいで巫女服を着ずに常に男物の服を着ている。

というのもかつて巫女服を着ていたのを見た俺が親友Aが女装を始めたとクラスのみんなにふざけて広めた結果色々あったからであり、その時は親友Aによってあばらを折られた。

その後「可愛かったから」とからかった結果引っ張られ続けた右の耳だけ伸びている。


しかしそんな親友の問いかけは俺にとって愚問であった。


「弟よりも世界の命運よりも俺の単位と進級の方が大切だロォ!?」


頭をあげると同時に振り向き親友Aへと呼び掛ける


と同時に顔面に飛んできた拳によって神社へと吹っ飛ぶ。


「何やってんのさ兄貴(仮)」


親友Aに見守られるようにして俺が先ほどいた位置に仁王立ちする断崖絶壁の可愛げのないツインテールに俺は見覚えがあった。


「妹!!生きとったんかわれぇ!?」


弟と共に魔法学校とやらに入学した妹がそこにいた。


「コロスぞ。」


あいも変わらずうちの妹は反抗期らしい。

しかしこいつは常に弟にべったりで俺には「兄貴(仮)」というくせに弟には「お兄ちゃん」と言って媚びへつらうようなやつだ。

こいつがきたということは弟の戦いが終わったと言うことか?


そんなことを考えていると。


「そこどいてよ、お兄ちゃんが勝てるようにお祈りしにきたんだから。」


そう言うと俺(俺の身長は180前後でなかなかのがたいをしている)を軽く蹴飛ばすとお賽銭として福沢さんを20枚ほど入れていた。


俺の横で親友Aが歓喜の舞を踊っているのはこの際スルーする。

しかし妹も甘いものだ、俺でさえ既に1日以上土下座を決め込んでいると言うのに。


「ふっ、甘いな妹(絶壁)よ世の中金じゃ………」


願いは叶わないと続けようとすると


「ちょっと黙れ!念話がきた!!」


手で俺を制止すると耳元に手を持っていくと何かを聞くがのごとくうなづく、そしてしばらくすると


「やった!お兄ちゃん勝ったって!」


そう叫びながら親友Aとハイタッチしながらどこかへかけていく。


「なぁ、世の中金だよ。」


俺は親友の言葉にうなだれるしかなかった。


〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○〇〇○


結果として言えば落第した。


及第点どころかかすりさえしてなかった。


腹いせに神社へ放火しようとしたら親友Aによってまたもや骨を折られた挙句無賃金労働が課せられた。


そして今では箒を持って親友と共に掃除をさせられている。


「理不尽だ………」


この世は無情であった。



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