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エピローグ
数日後 生徒会室
入り口の扉に緊急生徒会長選挙のお知らせと書いてある紙が貼られている。
「お~い! みんないい加減、仕事しろよな!」
俺は校庭の見える窓辺の席からみんなに向かって大きな声を出している。
ん? なんで俺が生徒会室にいるかって?
それは今回の事件で岡田生徒会長が辞任することになって、副会長である凛先輩が次の生徒会長選まで臨時の生徒会長になることになった。
まあ、ここまでは良かったのだが、臨時生徒会長になった凛先輩はなんと俺たちを生徒会役員に任命したのだ。
俺が生徒会副会長、仕事をしないでパソコンで何かをやっている昌が総務・執行委員、同じく仕事をしないでファッション談議に花を咲かせている今日子が議長、徳井が会計、またまた仕事をしないで生徒会長である凛先輩に愛でられている真美ちゃんが書記という生徒会役員職に就いている。
「そんなカリカリするなって、仕事も遅れることなく順調に進んでいるし、息抜きも必要だぜ」
息抜きって、みんな、生徒会室にいるときの半分以上は遊んでるだろ! まあ、確かに何故か仕事ははかどっているけどね。
「それじゃあ徹くん! 私、真美ちゃんと校内の見回りに行ってくるわ!」
「はいはい。分かりました。凛姉」
俺の言葉を聞いて凛先輩は満面の笑みを浮かべている。まだ慣れていないのでいつもとは言えないが時々は凛姉と呼べるようにもなってきた。
真美ちゃんといっしょに行動をしたい凛姉は生徒会室を出ようとするが、思い立ったように振り返って言った。
「私よりも徹くんの方が生徒会長に向いているかもね」
「いや! それは絶対にないから!」
凛姉の言葉を全力で否定した。
「で、今日子と徳井は何をやってるんだ?」
二人はファッション誌を真ん中に向かい合って座り話をしている。
「何って、髪形とか洋服とかの研究よ!」
「へ~っ、今日子もオシャレに興味があったんだ!」
俺の言った言葉を聞いた今日子はたちまち膨れっ面になっていった。
「言ってなさいよ! 絶対に綺麗になって徹をビックリさせてやるんだから! ねーっ、徳井くん?」
「うん! 僕だって絶対に可愛い女の子になるんだから!」
「………………」
いや、徳井……お前は男だから…………。
そんな二人の隣で黙々とパソコンのキーボードを叩いていた昌がボソッと言った。
「徹、生徒会長選挙の立候補届けを出しておいた」
「はぁ~~~~~~っ!」
俺の平穏な日常を壊すのは誰だ!
END




