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「で、誰を岡田生徒会長の下に送り込むかだが……」
昌の言葉がそこで止まった。凛先輩は前回優勝者として今回のミスコンは強制出場なので無いとして今日子と真美ちゃんのどちらかということになる。
当然岡田生徒会長が採用しようと思わせる為には本命である凛先輩に匹敵するくらいの容姿を持っている必要がある。
「私は真美ちゃんが良いと思うわ! だって、こんなに可愛いんですもの!」
凛先輩はうれしそうな顔で真美ちゃんをギュッと抱きしめながら言った。
「ご、ごめんなさい。わたしには無理ですぅ」
すごく迷惑そうな顔で真美ちゃんが断った。
その答えを聞いたみんなの視線は自然と今日子へと向けられる。
「え、え! わ、私? 無理、無理、無理、無理、無理に決まってるでしょう!」
今日子も首を横にぶんぶん振って断る。
「そうか……。困ったな」
昌は額に手を当て考えこんだ。
そんな昌に徳井からある提案がなされた。
「それなら僕に任せて貰えませんか?」
「徳井? 何か良いアイデアがあるのか?」
昌の質問に爽やかな笑顔で答え、話を続ける。
「はい。実は僕、学校には内緒でファッション雑誌のモデルのアルバイトしてたりするんです」
「モデル!?」
茶目っ気たっぷりに舌を出して片目をつむっている徳井を見ると確かにモデルをやっていても不思議じゃない気がする。
「それで、僕は島田さんにミスコンに出て貰うのが良いと思います」
「えぇ~っ! わ、私って、ほら、運動部入っているから髪はボサボサだし、日焼けだってしてるし、ミスコンなんてガラじゃないから!」
大慌てになっている今日子を右手で制して徳井は話しを続けた。
「島田さんはこう言ってますけど、僕の見立てでは元々の顔立ちが良いですし、髪もちゃんとケアすればOKです。僕専属のメイクさんがいるので任せてください」
「だとよ。どうする? 徹?」
「え~っ! 俺に話を振られても……どうする? 今日子?」
昌に話を振られて俺は今日子に問いかけた。
「……徹がやれっていうなら…………やる」
「え~っ! やっぱり俺が決めるの!?」
うーん、どうする? 今日子を岡田生徒会長に近づけるという事は今日子に危険が及ばないとも限らない。しかし、岡田生徒会長の不正も暴かなければいけない。
となると、方法は一つか。
俺が今日子を守ってやればいいんだ!
「今日子! やってくれ! 今日子のことは俺が守る」
俺が意を決して言った言葉に今日子は目を見開いて固まっている。そんな様子を見て昌は少し頭を掻きながら話した。
「徹! お前すげーかっこいいんだけどさ! (いろいろ誤解されそうな発言だったけど)俺たちもいるのを忘れないでくれよ。今日子ちゃん! 徹だけじゃなくて俺たちも今日子ちゃんを守るから!」
昌は話終えるとにかっと笑い、それに応じて凛先輩、真美ちゃん、徳井が柔かに微笑んだ。
「ありがとうみんな! わかった! がんばる!」
今日子は満面の笑顔で答えた。




