19
「あの時は本当に怖かったんですよぉ。すごく助かりましたぁ」
「全然大した事してないから。それよりも真美ちゃんゲームうまかったよね。俺、あのゲーム結構自信あったのに一勝も出来なかったからなぁ」
「えへへっ、あのゲームに限らずゲーム全般好きなんですよぉ。あ、でも、ゲームだけじゃあないんですよ。パソコンとかの電子機器も好きですし、パソコンの組み立てくらいだったら自分で出来ますよぉ」
「へーっ、すごいな。今度お願いしようかな」
「はい!」
真美ちゃんは頬を赤らめながらうれしそうに微笑んだ。
「あっ、パソコンと言えば、真美ちゃん、ブログやっているよね」
「えっ? え、えっと、あのぉ……」
目がおよいで額からうっすら汗が滲んで明らかに動揺しているのがわかる。
「…………見たんですかぁ?」
「えーっと、ウチにいる同居人が突拍子もない格好をしていたのでどうしたのかと問いただすと、何か大ファンなブログに書いてあった事を実践したらしく、それが真美ちゃんのブログだったって訳で」
「あのぉ、それってどんな格好だったんですかぁ…………?」
「ちょ、ちょっと、言葉にするのも恥ずかしいんだけど……裸エプロ」
俺が最後のンを言う前に真美ちゃんが言葉を被せてきた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、あれは漫画とかアニメとかでこういうのありますよねぇ? 的なネタ話でまさか実践する人がいただなんてぇ……」
目をギュッとつむってしきりに頭を下げて謝っている。
「いや、真美ちゃんが謝ることは無いんだよ。そんな格好をしようと思ったあいつがおかしいんだから」
「本当にごめんなさい」
真美ちゃんは申し訳なさそうに俺の顔を見ていたのだが、じょじょに何か様子がおかしくなっている。
「そ、それで……見たんですかぁ……?」
「へっ? 何を?」
「白石先輩の裸ですぅ!」
何故だか真っ赤な顔をして怒っている口調で俺に問いただしてきた。
「えっ、あのー、ほら、エプロンしてたから、何にも見えなかったよ。うん」
俺、何、慌ててんの。本当に何にも見てないはず……小ぶりなかわいいおしり以外は……って見てるじゃないか俺。
「本当ですかぁ?」
真美ちゃんが大きな目をいっそう見開いて俺の方に顔を近づけてくる。
「う、うぅぅ…………」
何で今日はそんなに追及してくるんだよ真美ちゃん。
「じ、実は…………」
「実はぁ?」
俺が凛先輩のおしりを見たことを白状しようとした時にナイスタイミングでスマホが鳴った。
「実はスマホが鳴っているんだ。あはは…………」
ものすごく不満そうな顔をしている真美ちゃんをほおっておいて俺は電話に出た。
「もしもし」
『徹! 今何処だ!』
昌のただ事ならぬ勢いの口調である。
「昌か、どうしたんだ?」
『まずいことになった! 今日子ちゃんが徳井に呼び出されている!』




